目次
- 鮫島事件の概要と真相
- 鮫島事件の種類
- 1968年6月鮫島敬治記者が逮捕された事件
- 週刊将棋連載漫画に記載された棋士殺人事件
- インターネット匿名掲示板発祥事件
- ネット掲示板発祥鮫島事件とは
- 2チャンネルなどで度々言及される事件
- 発端は大型掲示板「あめぞう」
- 「あめぞう」の衰退は鮫島事件に起因すると言われている
- 鮫島事件=タブーという暗黙のルール
- 牛の首同様都市伝説を装ったジョーク
- 鮫島事件の真相には両極端の意見が見られる
- ネタ
- 真実を装った悪ふざけで言及するな
- 公安の陰謀
- 都市伝説ではなく真実
- 大きな組織が関わっている追ってはいけない事件
- 鮫島事件の概要【孤島説】
- 鮫島に5人の2ちゃんねらが遊びに行く
- 5人全てが行方不明となり捜査が行われる
- 半年後4人の白骨死体が発見される
- 最期の1人が見つからない
- 後日「鮫島にいる」という書き込みが投稿される
- 残る1人の遺体が発見される
- 首を絞められた跡や引きずりまわされた後など不審な点が見られた
- 人食行為が連想され語り継ぐことがタブーとされた
- 鮫島事件の概要【リンチ説】
- 1990年代後半に起こった鮫島氏リンチ殺人事件
- 登場人物はあめぞう投稿者「鮫島」
- 鮫島は掲示板でビデオ販売を行っていた
- eomが鮫島の投稿に義憤を燃やした
- オフ会と偽り鮫島を千葉県柏駅前に呼び出す
- ユーザー20人がリンチを加えて惨殺
- 血の16枚の画像があめぞうに投稿される
- 惨殺された人物は人違いであった
- 鮫島本人は実況中継により真相を知る
- 本物の「鮫島」はリンチに加担した加害者を調べ上げ制裁を加えていく
- 2人を殺した後復讐殺人を続けると宣言
- 恐れを感じeomは警察に自首
- 複雑な経緯だったため警察は事件自体を隠ぺい
- 鮫島の行方は公安が現在も追跡中
- 鮫島事件の概要【強盗殺人事件説】
- 2ちゃんねる利用者「鮫島」がノリで自宅住所を投稿
- イタズラや嫌がらせを恐れ削除依頼を出すもすぐに対応してもらえず
- 削除依頼当日自宅の扉を叩く音で「鮫島」は目を覚ます
- 無精ひげを生やした男性が立っていた
- 有り金を奪われ刺殺される
- 遺体には首がなかった
- 鮫島事件の概要【鮫島くんリンチ事件説】
- 2ちゃんねるでクラスメイトの悪口や写真を投稿していた「鮫島」
- たまたま同級生に投稿を見られ身元が特定される
- 「鮫島」の投稿がクラス中に広まる
- 周囲に謝っても許されなかった
- 下校時間に河原に連れていかれ集団リンチののち死亡
- 度々言及される理由
- 2ちゃんねる初代管理者西村博之の言葉
- 実在の固有名詞が使われリアリティがあるため
- 張本人を名乗る投稿
- 人から人へ語り継がれた
- ネチケット
- 表沙汰にできない事柄が投稿されてもおかしくない環境
- 掲示板の書き込みに関連する事件が数多く発生した時代背景
- 事件を立証することも否定することも困難
- 誰も真相を知らない
- 鮫島事件の影響
- 2ちゃんねるの呪い劇場版
- 映画「鮫島事件」を制作予定
- 掲示板で鮫島事件を言及しようとすると止められる
- 諸説ある鮫島事件はジョークの可能性が高い
ネチケット
via pixabay.com
「鮫島事件」にまつわる様々な言説は、それ自体がひとつの主張を伴っています。それは「ネットリテラシー・ネチケットを持ってインターネットの情報に触れるべきだ」というものです。「鮫島事件」に関して書き込まれた情報が真実であるかどうかは、わかりません。そしてそれは、インターネット上に存在する多くの情報についても同じことがいえます。
つまり、情報の真偽は自分で確かめなければわからない。少なくとも「嘘かもしれない」と思いながら情報に接触しなければならないということです。そんなことは当然のように思われるかもしれませんが、実際にインターネット上の情報に触れている時、多くの人はそれを鵜呑みにしてしまうのです。情報と一旦距離を置いて、正しさを見極めることは実はとても難しいことです。
つまり、情報の真偽は自分で確かめなければわからない。少なくとも「嘘かもしれない」と思いながら情報に接触しなければならないということです。そんなことは当然のように思われるかもしれませんが、実際にインターネット上の情報に触れている時、多くの人はそれを鵜呑みにしてしまうのです。情報と一旦距離を置いて、正しさを見極めることは実はとても難しいことです。
表沙汰にできない事柄が投稿されてもおかしくない環境
via pixabay.com
鮫島事件が広がった時代、インターネット上での発言は現在よりずっと匿名性の高いものでした。少なくとも、匿名性が高いものだとユーザーに信じられていました。そのため、表沙汰にできないような事件の話がネット上にあったとしても不思議ではないと皆考えていたのです。
書き込んでいる自分の身元が世間に知られることもないし、また、他の人が書き込んだ情報からその人を特定することもほとんどできないと思われていました。
匿名だから言えることがあるとナチュラルに受け入れられた時代でしたから、ネット上での発言は現在よりも過激な面があったかもしれません。取り締まられることもなく、暴言や暴力的表現が跋扈していました。
書き込んでいる自分の身元が世間に知られることもないし、また、他の人が書き込んだ情報からその人を特定することもほとんどできないと思われていました。
匿名だから言えることがあるとナチュラルに受け入れられた時代でしたから、ネット上での発言は現在よりも過激な面があったかもしれません。取り締まられることもなく、暴言や暴力的表現が跋扈していました。
掲示板の書き込みに関連する事件が数多く発生した時代背景
via pixabay.com
「鮫島事件」が、ここまでで解説してきたような事件として実在したのかということはわからないのですが、インターネット上での揉め事に端を発した事件というのはたくさん実在しました。顔の見えないやり取りの中で無意識に誰かを傷つけ、また強烈に傷ついて誰かを恨む。そしていつしか実際に人の体を傷つける事件へと発展してしまった。よく起こっていたことです。
いま現在でも、インターネット上でのやりとりから揉め事が発生したり、実際に事件を起こす人はいます。ネットリテラシーについて学校で学ぶようになった現在でさえそうなのです。インターネットをある種異質なものと認識していた頃の人にとって、ネット上のやり取りは劇薬も同じでした。
実際にインターネットから沢山の事件が起きたために、この「鮫島事件」も、信じられないようだが或いは本当に起きたことかもしれないという想像の余白を読み手に残すことになったのです。
いま現在でも、インターネット上でのやりとりから揉め事が発生したり、実際に事件を起こす人はいます。ネットリテラシーについて学校で学ぶようになった現在でさえそうなのです。インターネットをある種異質なものと認識していた頃の人にとって、ネット上のやり取りは劇薬も同じでした。
実際にインターネットから沢山の事件が起きたために、この「鮫島事件」も、信じられないようだが或いは本当に起きたことかもしれないという想像の余白を読み手に残すことになったのです。
事件を立証することも否定することも困難
via pixabay.com
「鮫島事件」が何度も言及された大きな理由のひとつは、それが嘘か本当かわからないからであるといえます。鮫島事件が実在したという明確な証拠はありません。少なくとも、公に確認できる証拠はありません。しかし、証拠がないということは、すなわち鮫島事件は存在しないという証明になるわけではありません。
例えば「このクラスに田中という生徒はいない」ということを証明するためには、クラス全員の名前を確認する必要があります。全てを確認し、その全てが該当しないということを確認しなければならないのです。学校のひとつのクラスであれば全員確認して証明することがすぐにできですが、「この学年には田中という生徒はいない」「この学校には田中という生徒はいない」と規模が大きくなっていくごとに証明するのに手間がかかるようになっていきます。
それでもこの程度の規模であれば証明することは可能です。しかし、「鮫島事件」は存在しなかったと証明するためには、日本でインターネットが使われるようになって以降に発生した全ての事件を確認し、そこに鮫島事件が存在しないことを証明しなければならないのです。それは膨大な数を確認しなければならないことですし、現実に警察の協力がなければ不可能です。
例えば「このクラスに田中という生徒はいない」ということを証明するためには、クラス全員の名前を確認する必要があります。全てを確認し、その全てが該当しないということを確認しなければならないのです。学校のひとつのクラスであれば全員確認して証明することがすぐにできですが、「この学年には田中という生徒はいない」「この学校には田中という生徒はいない」と規模が大きくなっていくごとに証明するのに手間がかかるようになっていきます。
それでもこの程度の規模であれば証明することは可能です。しかし、「鮫島事件」は存在しなかったと証明するためには、日本でインターネットが使われるようになって以降に発生した全ての事件を確認し、そこに鮫島事件が存在しないことを証明しなければならないのです。それは膨大な数を確認しなければならないことですし、現実に警察の協力がなければ不可能です。
via pixabay.com
つまり、鮫島事件が実在「しなかった」ことを証明するのは現実に不可能だということです。実在した証拠もなく、実在しなかった証明もできない。鮫島事件が「あった」か「なかった」かはずっとわからないということです。
この本当か嘘かわからないという点が、鮫島事件が広がりたびたび言及される大きな理由なのです。
この本当か嘘かわからないという点が、鮫島事件が広がりたびたび言及される大きな理由なのです。
誰も真相を知らない
via pixabay.com
ここまでの解説で、勘のいい読者の方はお気づきでしょう。鮫島事件の真実とは、「誰も知らない」ということなのです。誰にもわかっていないことそのものが、この事件の真相であるということです。
「わからない」ということは非常な恐怖を人に与えるものです。初めてそれを見た人の「何のことだかわからない」というものから、何度も目にしている人の「やっぱり本当のことがわからない」というものまで、鮫島事件はそれに触れた人の恐怖感によってここまで大きく広がっていったのです。
恐怖を煽るコンテンツというのは、ある種のエンターテイメントでもあります。怖いからこそ興味がある、怖いからこそ見てみたいという人がいるのはよく知られているとおりで、それが恐怖心を煽るものであればあるほど多くの人にとって興味をそそるものになるのです。
「わからない」ということは非常な恐怖を人に与えるものです。初めてそれを見た人の「何のことだかわからない」というものから、何度も目にしている人の「やっぱり本当のことがわからない」というものまで、鮫島事件はそれに触れた人の恐怖感によってここまで大きく広がっていったのです。
恐怖を煽るコンテンツというのは、ある種のエンターテイメントでもあります。怖いからこそ興味がある、怖いからこそ見てみたいという人がいるのはよく知られているとおりで、それが恐怖心を煽るものであればあるほど多くの人にとって興味をそそるものになるのです。
鮫島事件の影響
via pixabay.com
鮫島事件は、その真偽がわからないままインターネット上では有名な事件になりました。そして、それは他のメディアでも取り上げられていったのです。インターネット上で話題になったことが他のメディアに影響を及ぼしていくということは、2000年代からじわじわ増えてきたことで、現在では当たり前のこととなりました。
ここからは、鮫島事件が他のメディアに与えた影響について少し解説します。
ここからは、鮫島事件が他のメディアに与えた影響について少し解説します。
2ちゃんねるの呪い劇場版
via pixabay.com
「2ちゃんねるの呪い」とは日本のビデオ作品シリーズで、2010年から展開されたものです。内容は2ちゃんねる発祥の都市伝説や怪談を映像化したもので、オムニバス形式の話がいくつか入っています。そのシリーズは第8弾まで作成され、劇場版も2度作られています。このうち最初の劇場版で「鮫島事件」がモチーフとなりました。
映画には人気アイドルグループ、アイドリング!!!の尾島知佳さんや仮面ライダーシリーズ出演の山崎潤さんが出演しています。オカルト好きの大学生とその彼女のふたりがネットをきっかけに恐怖体験に見舞われるという内容のホラー映画です。
映画には人気アイドルグループ、アイドリング!!!の尾島知佳さんや仮面ライダーシリーズ出演の山崎潤さんが出演しています。オカルト好きの大学生とその彼女のふたりがネットをきっかけに恐怖体験に見舞われるという内容のホラー映画です。
映画「鮫島事件」を制作予定
via pixabay.com
エミューエンタテイメントが、鮫島事件を題材に「鮫島事件」という映画を製作するという予定が2011年にありました。ここからわかるように、鮫島事件は最初のスレッドが立ってから10年が経過したときにも映画化の話が出るくらい、古びない話題だったのです。
この映画は出演者の募集なども行われていましたが、その後の動きは確認されていません。2011年に企画が持ち上がっていますので、ここまで動きが見られないということは、企画はたち消えになってしまったのかもしれません。
この映画は出演者の募集なども行われていましたが、その後の動きは確認されていません。2011年に企画が持ち上がっていますので、ここまで動きが見られないということは、企画はたち消えになってしまったのかもしれません。
掲示板で鮫島事件を言及しようとすると止められる
via pixabay.com
そしてなによりも、最初のスレッドから後、何度も何度もあちこちの掲示板で語られてきた鮫島事件に関する話題が、それぞれ独立した作品であるかのようです。
鮫島事件が語られるたびに行われる儀式のようなものがあります。鮫島事件の話題を出すと必ず「止められる」ということです。「これ以上は危険」「知ると消される」「こんなところで」などという言葉で止められます。そのお決まりの流れが実は現在でも続いているのです。
鮫島事件が語られるたびに行われる儀式のようなものがあります。鮫島事件の話題を出すと必ず「止められる」ということです。「これ以上は危険」「知ると消される」「こんなところで」などという言葉で止められます。そのお決まりの流れが実は現在でも続いているのです。
via pixabay.com
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