2019年10月13日 更新

鮫島事件の概要と真相とは?鮫島事件にまつわる様々な説を検証!

「鮫島事件」をご存知でしょうか。血の16枚などのフレーズをともなってインターネット上でたびたび言及される事件です。その真相はいまだ明らかになっていませんが、「牛の首」に似た怪談とも言われています。諸説ある鮫島事件の具体的な経緯とその真相に迫ります。

目次

鮫島という生徒が、自分のクラスメイトの悪口や写真を2ちゃんねるに書き込んでいました。

現在の中高生なら、安易にネットに自分の感情を記すことは危険と感じるでしょうが、これは2000年頃の出来事です。その頃の2ちゃんねるは現在よりもアングラ色が強いイメージで、日常的にインターネットを使っている人も現在ほど多くなかったので(料金も現在より高額でした)鮫島くんはまさかバレることはないだろうと考えたのでしょう。

他社の悪口を書くことは現在でもネット上で多く行われていることですが、写真の投稿などは悪質です。写真から身元が特定された同級生が誰かから危害を加えられるかもしれないという点に考えが至らなかったのでしょうか。

たまたま同級生に投稿を見られ身元が特定される

Business Businessman Card - Free photo on Pixabay (690814)

しかし、そのまさかが起きたのです。偶然にも同級生の中に、鮫島くんと同じようにインターネット上の掲示板を見ている人間がいたために、行っていた悪口や写真の投稿から、それが鮫島くんによる書き込みだと知るクラスメイトが出てきてしまったのです。

当時のインターネットを取り巻く状況を考えてみれば、鮫島くんが油断してしまったことは理解ができます。クラスメイトに知られることになるとわかっていれば、憂さ晴らしに写真の投稿などしなかったはずです。

「鮫島」の投稿がクラス中に広まる

Classroom Chairs Tables - Free photo on Pixabay (690819)

「バレない」と思っていたからこそ書き込めた悪口でした。つまり、とても直接言うことはできないようなひどい内容だったということです。これに、書き込みを見つけた同級生は怒りを感じました。そしてそれを黙っていることなどできなかったのです。

こうして、鮫島くんに悪口を言われたり、写真を投稿されていたことはあっという間にクラス中が知るところとなりました。当然のことですが、投稿の標的となった生徒だけでなく、クラス全員が鮫島くんに怒っていました。

周囲に謝っても許されなかった

Family Artist'S Mannequin Figure - Free photo on Pixabay (690822)

鮫島くんはクラスメイトに謝りました。そうするより他に術はないのですから。心底後悔し、反省して謝罪しましたが、クラスメイトが彼を許すことはありませんでした。

このことには、若者の集団心理がはたらいたことが考えられます。自分が鮫島くんの書き込みで触れられていなければ、関係ないこととして無関心でいることもできますが、そのように悪口を書かれていない生徒でさえも怒りを感じていたのは、集団で1人を断罪する事の快感にクラス全体が酔っていたからではないでしょうか。

下校時間に河原に連れていかれ集団リンチののち死亡

Rhine Koblenz Urmitz - Free photo on Pixabay (690827)

そして恐ろしいことに、クラスメイトは鮫島くんを集団でリンチして死なせてしまいました。

10代の学生のすることですから、殺してやろうとまでは誰も思っていませんでした。ムカつくから仕返しをしてやろうという程度の考えです。そして、集団で暴行すれば同級生は死んでしまうということもまたわかっていなかったのです。

鮫島くんもクラスメイトも全員が、若さゆえ考えなしに行動してしまったのです。その結果最悪の結末を迎えました。登場人物が学生ですから、愚かで軽率な行動が悪い結果を引き起こしたということも多少納得できるという点で、他の説より少し信憑性はあるといえます。残虐性が少ない点もリアリティを感じさせる点のひとつです。しかしそれでももちろん、この事件が実際に起きたことだと証明できるものはないのです。
Notebook Paper Page - Free photo on Pixabay (696498)

ここまで、鮫島事件の概要について具体的ないくつかの説をご紹介してきました。

どれも、もし現実で起きていたのであれば非常に恐ろしい話ばかりですが、信憑性という点で高いものはありません。どの説も明確な根拠はなく、ネット上で複数の人によって膨らませられた話である印象が強いです。

度々言及される理由

Thinking Person - Free photo on Pixabay (690829)

ご紹介した説以外にも、鮫島事件はインターネット上でたびたび言及されています。例えば「大物政治家の事件を隠蔽するために作られた」「ブラジル人の嫁がまだ見つかっていない」「FBIに狙われる」などというフレーズが使われてきました。どれも信憑性には欠けますが、読み手の興味を誘うような表現ばかりです。

最初にスレッドが立ってから何年もが過ぎて、それでも幾度となく話題に上がるのには、いくつかの理由が考えられます。以下でその理由について解説します。

2ちゃんねる初代管理者西村博之の言葉

Bubble Speech Comment - Free vector graphic on Pixabay (690858)

2ちゃんねるの初代管理者である「ひろゆき」こと西村博之氏は、あるインタビューで次のように語っています。

「嘘は嘘であると見抜ける人でないと難しい」
これは、嘘か本当かを見分ける力がなければ匿名掲示板を使いこなすのは難しいということです。実際当時の2ちゃんねるには虚実とりまぜた多くの情報が掲示板上にありました。その中から、自分でその情報の信憑性を判断していかなければならないのです。鵜呑みにして良い情報はほとんどありません。

それはインターネット黎明期の当時に限らず、現在でも同じことがいえるでしょう。むしろネット上にある情報自体はどんどん増え続けているので、自分で取捨選択する力がより求められているのです。

実在の固有名詞が使われリアリティがあるため

Mobile Phone Smartphone 3D - Free photo on Pixabay (690867)

例えば「千葉県」「柏駅」など、具体的な固有名詞を伴って語られることが多かった鮫島事件。先に解説した「リンチ説」で特にその表現がありました。これによって書き込みを読んだ人間がより強くリアリティを感じることができるので、そこに少し真実味が加わっていったのです。

「嘘みたいな話だけど、じゃぁ柏駅ってどこから出てきたんだ?」というように読み手に考えさせ、それが嘘か本当かわからない曖昧なラインに絶妙にのせられていました。

しかしそれは、逆に考えれば、リアリティを出すためにわざわざ固有名詞を話の中に加えたとも考えられるわけです。読者を信じさせるために、混乱させるために、狙って固有名詞を入れた可能性もあります。

張本人を名乗る投稿

Finger Forefinger Gesture - Free photo on Pixabay (690922)

最初のスレッドが立った後、実は「あのスレッドを立てたのは自分である」と語る人物があらわれたこともあったのです。最初の「伝説の「鮫島スレ」について語ろう」というスレッドを立てたのは自分であり、30件ほどのやり取りを自作自演で行ったとする告白でした。

その人物によると、鮫島事件は自分が思いついたジョークであって実在の事件ではない、自分のIDと最初のスレッドを立てたIDが同一であることでそれを証明するとのべていたのですが、彼の語ることが真実であるという証明はできません。

2ちゃんねるの仕様上、異なるIPアドレスから書き込まれていても同一IDになることはあったそうです。そのため、張本人を名乗る人物が本当に最初のスレッドを立てた人物と同じである証明にはならないのです。

人から人へ語り継がれた

Male Portrait People - Free photo on Pixabay (690903)

2000年代は、インターネットのユーザーがどんどん増えていった時代です。つまり、インターネット上には常に新規ユーザーと古参ユーザーが入り混じっていました。そのような状況で「鮫島事件」は何度も話題にのぼり、その度に新しいキーワードが加えられたり表現が変わったりしながら、その時その時の新規ユーザーへと伝えられていったのです。

新規ユーザー時代に自分が見聞きしたことを、また次の新規ユーザーに伝える、ということが繰り返されていったので、話はどんどん大きくなっていきました。

6 / 8

関連する記事 こんな記事も人気です♪