2019年10月22日 更新

コンプラの意味とは?実際の違反事例とチェック項目は?

最近になって世間では「コンプラ」という言葉を頻繁に使うようになりました。企業やお店などでも使われる言葉なので、なんとなく「禁止事項」といった意味合いで理解している人は多い言葉です。それでは、具体的にどういったことに違反すると「コンプラ」になるのでしょうか?

企業が顧客・または国営組織に対して虚偽の報告を行うと偽装となり、コンプラの一つとなります。

芸能人や文化人の経歴詐称、大手食品会社の産地偽装、IT企業の経営者による脱税など、違反事例は多岐に渡ります。

特に最近で一番大きなニュースといえば、自動車製造業界最大手のNISSANで代表取締役を務めるカルロス・ゴーン氏に発覚した、有価証券報告書の虚偽記載疑惑ではないでしょうか。長期化した裁判や度重なる再逮捕、保釈された際の作業員に変装した姿も話題となりました。

報告者自身が「事実を知らなかった」という証言をしたとしても処罰は避けられないため、重要な報告を行う際には入念な確認と細心の注意が必要です。

不正受給

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労働に対する正当な給与とは別に、本来の職務から外れた仕事の依頼を受け、不正な給与を得ることは法律違反となり、仕事を依頼した側も受けた側もコンプラに抵触します。

たとえば競合他社の社員を買収し、社外秘の情報を得たりする行為はインサイダー取引となり、法律で罰せられます。

また、近年特に多いのが、生活保護の不正受給問題です。有名なところでは、お笑いコンビ「次長課長」でツッコミ担当の河本準一さんの母親が生活保護を不正受給したことが発覚し、問題となりました。

個人情報

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近年情報化社会へ移行するにつれ、個人情報の取り扱いに関する規制が厳しくなってきています。

私的な用途で個人情報を利用したり、故意に外部へ流出させた場合、厳重に罰せられます。また過失であっても処罰は免れません。
Credit Card Bank Theft Charge - Free photo on Pixabay (113402)

つい最近起こった事件を例にあげると、チケット販売会社のキョードー東京が今年の3/18、チケット販売データ1600件の個人情報を漏洩したことがニュースになっていました。

近年のチケットはインターネット販売が主流であり、販売データの漏洩はそのままクレジットカードの不正利用にもつながるため、重大な問題となっています。

顧客から得る氏名、住所、電話番号等の情報は、他の顧客の目に触れないよう指定の場所へ保管したり、ハッキング対策や、不要になったデータ消去等の管理を徹底する必要があります。また、絶対に漏洩してはならないけれど消去することも出来ない情報は、昔ながらの紙媒体で保管するのも一つの手といえるでしょう。

著作権

Record Player Vinyl Phonograph - Free photo on Pixabay (110188)

芸術作品や書籍等で作者に対し与えられる著作権を侵害することはコンプラに抵触します。

原則としては、著作者の没後50年までが著作権の保護期間とされています。
Movie Reel Projector - Free photo on Pixabay (113415)

すでに和解しましたが、大人気となった映画「カメラを止めるな!」でも、原案者に無断で設定を使ったとして、製作した監督に対して訴えを起こす騒動がありました 。

また、普段何気なく見ているYouTubeやニコニコ動画などにアップされている動画のなかにも、配信元に許可を得ず転載しているものに関しても著作権侵害に抵触します。

環境破壊

Green Park Season - Free photo on Pixabay (110217)

環境汚染が問題視される昨今、コンプラ的にも規制が厳しくなっています。

ポイ捨てはもちろん、紙媒体の書類の廃棄量も問題となっており、多くの企業がペーパーレス化を進めています。
Smoke Smoking Chimney - Free photo on Pixabay (113911)

環境汚染に関しては、特に中国の製造業を中心としたコンプラ違反が多く、河川への化学物質汚染やPM2.5物質の飛散問題が挙げられます。

この問題に対し中国政府は3/18、環境汚染に関するコンプラ違反を犯した企業に対して製造停止命令を勧告するなど、違反罰則の厳罰化を発表しました。

あなたの会社は大丈夫?

Conference Room Table Office - Free photo on Pixabay (113918)

企業の定めるコンプラは、一般社会的認識のそれと異なっている場合もあります。

あなたの勤める企業は、先述した様々なコンプラの内容を正しく理解しているでしょうか?

サービス残業がある

Forklift Warehouse Machine - Free photo on Pixabay (113925)

日本で定められている所定労働時間は、1日8時間として1週間に40時間とされています。それを超える所定外労働、いわゆる残業時間に対しては、規定の残業を支払う義務があり、正当な賃金の未払いが発生するとサービス残業となり、深刻なコンプラ違反となります。

また残業をするに足る理由がない場合、残業しなければならない業務内容でない場合、残業しなくとも営業が成り立つと判断される場合の上で規定外の残業を行った場合も違反となります。

残業時間の上限は36(サブロク)協定により、一般労働者の場合1ヶ月に45時間と決められており、基本的に企業はこの上限時間を超えないよう社員の残業時間を管理しなければなりません。
Man Figure Toys Pokes Fun - Free image on Pixabay (114617)

残業代の金額については、残業時間数×時給(円)×1.25という計算が一般的ですが、残業時間が60時間を超えると時給×1.5 ※中小企業に関しては変わらず1.25となります。

この場合の中小企業の定義としては
資本金5000万円以下で従業員数が50人以下の小売業
資本金1000万円以下で従業員数100人以下のサービス業
資本金1億円以下で従業員数100人以下の卸売り業
その他資本金3億円以下で従業員数100人以下の企業
などがあてはまります。

しかし管理職になるとこの割り増し賃金支払い制度も適用されなくなるので、「上司が働いている間は変えることが出来ない」という暗黙の了解が蔓延し、コンプラ違反を避けられないという企業が多くあります。

サービス出勤がある

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正当な理由なく休日出勤をするのはコンプラ違反となります。

ある程度売上高で成果を上げているベンチャー企業に多く、仕事量に対して従業員数が少ないという状況が招くコンプライアンスとなります。

休日返上で作業を行っても、代休を取ればずる休みだと思われて評価が下がってしまうという恐れから、翌週も通常通り出勤するという社員がほとんどを占めます。そうなると休日働いた時間は残業時間として処理されるべきですが、労働組合に加入していない小さな会社では残業代を出さなくとも行政からの指摘が入らないので、1日分タダ働きになってしまうという事も起こり得ます。

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