目次
- 冥婚とは?冥婚の流れや日本における冥婚の文化についても
- 冥婚の意味
- 死者と結婚すること
- 神話や伝説で見られる
- 中国や台湾などアジア圏で古くから見られる習慣
- フランスでは民法で定められている
- 冥婚の別名
- 冥婚の流れ
- 対象となる死者は基本的に未婚
- 死者を弔う際行う
- 死者の魂がまだこの世にあるうちに行う
- 死者に見立てた異性と婚礼を挙げる
- 冥婚相手の生死・実在するかは地域によって異なる
- 財産の相続権は生じない場合が多い
- 死者を弔う意味合いが強い
- 日本における冥婚文化
- 青森県や山形県の一部で見られる
- 沖縄県
- 冥婚する理由
- 未婚者は鬼になるという死生観
- 婚約者が急遽死亡した
- 授かった子どもを死者の姓にするため
- 死者を弔うため
- 過激な冥婚例
- 紅包を拾った者が死者との結婚を迫られる
- 婚約者が死亡した場合結婚予定の相手を殺害し埋葬
- 冥婚相手とするため遺体が売買される
- 未婚女性の墓が荒らされ遺骨が盗み出される
- 結婚に関する日本の奇習
- 人形婚
- おじろくおばさ
- おっとい嫁じょ
- 結婚前夜親族中の未婚青年と性関係を持つ
- おはぐろつけ
- お連れ様
- 冥婚は現在も実在する
津軽半島にある「川倉賽の河原地蔵尊」では、今でも昔から伝統的に行われてきた人形婚という風習が今でも残っています。これは、未婚で亡くなってしまった子供や幼くして亡くなってしまった子供と同じような人形を購入し、大切に育てて人形同士で結婚させるというものです。
人形も年齢に合わせて服を変えたり制服を着たり、化粧を施したりと実際に成長しているかのように家族の一員としてお世話します。こうすることで、あの世で結婚相手の異性と出会えて幸せな結婚生活を送れるという考えや、除霊せずに家族の守護霊として守ってもらおうという考えから生まれた風習のようです。
人形も年齢に合わせて服を変えたり制服を着たり、化粧を施したりと実際に成長しているかのように家族の一員としてお世話します。こうすることで、あの世で結婚相手の異性と出会えて幸せな結婚生活を送れるという考えや、除霊せずに家族の守護霊として守ってもらおうという考えから生まれた風習のようです。
おじろくおばさ
via pixabay.com
長野県下伊那郡天龍村神原で20世紀になるまで行われていた「おじろくおばさ」と呼ばれる風習は、高山の谷間に位置し、耕地面積が狭いことから人口を制限する目的で始められたものであると考えられています。
将来家長となる長男以外の男性はおじろく、女性はおばさと呼ばれ、生涯無報酬で長男のために働くという家族奴隷でした。おじろくおばさから逃れる方法は、他家に嫁ぐか婿養子となることのみですが、おじろくおばさは世間との交際を禁じられていたため逃れようとする人は少なかったようです。
現在ではこの村でおじろくおばさは行われていませんが、昭和40年代まで見られていたことから、数十年前まで行われていた風習です。
将来家長となる長男以外の男性はおじろく、女性はおばさと呼ばれ、生涯無報酬で長男のために働くという家族奴隷でした。おじろくおばさから逃れる方法は、他家に嫁ぐか婿養子となることのみですが、おじろくおばさは世間との交際を禁じられていたため逃れようとする人は少なかったようです。
現在ではこの村でおじろくおばさは行われていませんが、昭和40年代まで見られていたことから、数十年前まで行われていた風習です。
おっとい嫁じょ
via pixabay.com
「おっとる」というのは鹿児島県の大隅半島周辺の方言で、盗むことを意味します。この「おっとい嫁じょ」というのは「嫁盗み」とも訳され、結婚に合意しない未婚女性を強姦して無理やり嫁にするというものです。
昔は貞操観念が強く、結婚前に異性と体の関係を持った女性は傷ものとして誰からも相手にされないことが珍しくありませんでした。そこで強姦して傷ものにすることで、女性はその男性との結婚を受け入れるしかなく、家族も世間体を気にして合意するしかありませんでした。
現代では信じられない風習ですが、今よりも男女差別が激しく、男性が強かった時代だからこそ成り立った風習です。
昔は貞操観念が強く、結婚前に異性と体の関係を持った女性は傷ものとして誰からも相手にされないことが珍しくありませんでした。そこで強姦して傷ものにすることで、女性はその男性との結婚を受け入れるしかなく、家族も世間体を気にして合意するしかありませんでした。
現代では信じられない風習ですが、今よりも男女差別が激しく、男性が強かった時代だからこそ成り立った風習です。
結婚前夜親族中の未婚青年と性関係を持つ
via pixabay.com
結婚する日の前夜に、花嫁が花婿ではない人と体の関係を持つというのは現在では信じられない風習ですが、当時は受け入れられていた風習でもあります。この風習は全国各地で見られ、地域によってルールは異なるものの、村が閉鎖的であればあるほど行わなければいけないものであったようです。
中には、花嫁と血縁関係にある親戚の未婚男性と体の関係を持つことが決まりになっていた地域もあります。当時、この風習を受け入れられなかったカップルが村から駆け落ちしようと試みましたが失敗し、花婿の前で花嫁は一晩中犯し続けられ、花婿は直視することを強制されたケースもあります。
地域に根付いている風習は、例え常識外だとしても昔からやっていることだからと逆らえない傾向にあり、当時も無理やり風習を守らされた人も多かったことでしょう。
中には、花嫁と血縁関係にある親戚の未婚男性と体の関係を持つことが決まりになっていた地域もあります。当時、この風習を受け入れられなかったカップルが村から駆け落ちしようと試みましたが失敗し、花婿の前で花嫁は一晩中犯し続けられ、花婿は直視することを強制されたケースもあります。
地域に根付いている風習は、例え常識外だとしても昔からやっていることだからと逆らえない傾向にあり、当時も無理やり風習を守らされた人も多かったことでしょう。
おはぐろつけ
via pixabay.com
宮城県石巻市福井村では、つい十数年前まで、おはぐろつけと呼ばれる風習が続けられていました。これは、結婚式を挙げる日の前夜に、花嫁の家の近所に住んでいる若者の中からお気に入りを選び、身を任せるというものです。
男性側から誘っても、花嫁側から誘ってもよく、花婿や花嫁の家族も暗黙の了解をしていたという徹底ぶりです。この儀式を得て晴れて二人は結ばれ、結婚初夜から体の関係になることを許されます。
現在は大規模には行われていませんが、その名残として今でもこの奇習を悪戯の一環として真似る若者はいるようです。
男性側から誘っても、花嫁側から誘ってもよく、花婿や花嫁の家族も暗黙の了解をしていたという徹底ぶりです。この儀式を得て晴れて二人は結ばれ、結婚初夜から体の関係になることを許されます。
現在は大規模には行われていませんが、その名残として今でもこの奇習を悪戯の一環として真似る若者はいるようです。
お連れ様
via pixabay.com
栃木県塩谷郡栗山郷では、結婚初夜に村から選ばれた住民1人を「お連れ様」として同じ寝室で寝るという風習がありました。
この風習は時代と共に性に対する認識が変わって来たことで徐々に無くなっていきましたが、始めの頃はお連れ様は男性と決まっており、そのお連れ様と花嫁が結婚初夜に性交渉をするという過激なものだったようです。次第にお連れ様は女性でもよくなり、性交渉をせずに同じ寝室で寝るという風習に変わっていきました。
これは初夜権と呼ばれ、その地域の権力者が花婿よりも先に花嫁と性交渉をする権利のことを指し、日本のみならず世界各地で見られた風習でもあります。
この風習は時代と共に性に対する認識が変わって来たことで徐々に無くなっていきましたが、始めの頃はお連れ様は男性と決まっており、そのお連れ様と花嫁が結婚初夜に性交渉をするという過激なものだったようです。次第にお連れ様は女性でもよくなり、性交渉をせずに同じ寝室で寝るという風習に変わっていきました。
これは初夜権と呼ばれ、その地域の権力者が花婿よりも先に花嫁と性交渉をする権利のことを指し、日本のみならず世界各地で見られた風習でもあります。
冥婚は現在も実在する
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死者との結婚を指す冥婚は、何千年もの歴史があり、神話や伝説にもなっているものですが、決してかつてあった文化ではなく、現在も行われている習慣です。
日本では法律で冥婚が禁止されているために身近に感じないかもしれませんが、中国や台湾では今も受け継がれてきた文化として山村地域や田舎を中心に続けられています。
遺体や遺骨の売買が行われたり殺人事件が起きたりというマイナスな面もありますが、基本的には死者を思っての行動であり、弔う意味が込められています。その文化を怖いと遠ざけるのではなく、その正しい意味や歴史を知ればより興味深く感じられるでしょう。
日本では法律で冥婚が禁止されているために身近に感じないかもしれませんが、中国や台湾では今も受け継がれてきた文化として山村地域や田舎を中心に続けられています。
遺体や遺骨の売買が行われたり殺人事件が起きたりというマイナスな面もありますが、基本的には死者を思っての行動であり、弔う意味が込められています。その文化を怖いと遠ざけるのではなく、その正しい意味や歴史を知ればより興味深く感じられるでしょう。
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