2019年9月1日 更新

冥婚とは?冥婚の流れや日本における冥婚の文化についても

冥婚という結婚の一種を知っていますか。冥婚とは死者との結婚を指し、東北地方や沖縄を中心にかつて行われていました。中国や台湾では現在でも風習として行われていることもあります。今回は冥婚についてや日本の結婚に関する奇習について詳しく紹介します。

宗教が死生観に大きな影響を及ぼすことは少なくありません。中国は儒教と道教が混じった宗教であり、儒教では祖先の霊を祀ることが重要視されます。

人間は死ぬと、地下にある冥界に行くとされますが、供養してくれない子孫がいない場合には祀られることはありません。そのため、子孫を持たない未婚の男性は、「鬼」となると信じられています。

この鬼は角を持った怖い形相の鬼ではなく、「霊鬼」を指し、キョンシ―などがその例です。

婚約者が急遽死亡した

Guy Man People - Free photo on Pixabay (596049)

冥婚は決して知らない者同士だけで行われるものではありません。フランスで見られた例のように、急遽結婚する予定だった婚約者が亡くなったことで、死後結婚を認めてもらおうとするケースもあります。

人間はいつ死ぬのか予想ができません。病気で亡くなることもあれば、突然の交通事故で命を落とす場合もあります。また、戦士の場合は派遣先で爆発に巻き込まれる可能性もあります。

そのため、亡くなってからでも婚約者と夫婦になりたい、財産を相続できないとしても世間に夫婦であると認められたいという思いから冥婚を選ぶ人もいます。

授かった子どもを死者の姓にするため

Pregnant Maternity Unborn - Free photo on Pixabay (596050)

フランスの民法では、死後結婚を行うことによって、子供を授かっている場合には、生まれた際に男性側の姓を名乗ることが認められています。結婚する約束をしていて子供もできたのに突然亡くなってしまった場合、男性が最後に残した贈り物として子供を大切に育てたいという気持ちがあるでしょう。

そこで、その子供が男性側の姓を名乗ることで、男性との間の子供なのだということが明らかになるため、子供が心の支えになる場合も少なくありません。

しかしこれは死者と生きている人との冥婚が認められている場合に限ります。

死者を弔うため

Cemetery Tombstone Cross - Free photo on Pixabay (596051)

冥婚を行う最大の理由は、死者を弔うためです。あの世で一生独身で寂しい思いをするよりも、家族が結婚相手を見つけて一緒のお墓に入り、あの世で一緒に過ごすことが幸せであると考えられているため、弔う気持ちで冥婚が行われることがほとんどです。

冥婚が行われている地域では、結婚をしなければいけないと考えられていることが多く、一生独身であることはタブーとみなされる傾向にあります。子供を愛しているがために、お墓の中で1人でいるのはかわいそうだという親心が冥婚という風習を受け継がせているのかもしれません。

過激な冥婚例

Book Bible Scripture Open - Free photo on Pixabay (596053)

冥婚は、あの世で1人で寂しくないようにという家族の思いや、家族に不幸が訪れないようにするおまじないのような意味が込められていますが、地域によっては過激なものもあります。

見ず知らずの亡くなった人と冥婚させられる場合や、冥婚のために殺される場合もあります。では、実際に起こった冥婚の過激な例を見ていきましょう。

紅包を拾った者が死者との結婚を迫られる

Heart Paper Envelope - Free photo on Pixabay (596055)

台湾では、子供のころから道端で赤い封筒を見ても絶対に拾うなと教えられるようです。この赤い封筒には亡くなった人の写真や髪の毛、結婚費用が入っており、その封筒を拾った人は強制的に死者との結婚を迫られるというものです。

家族が結婚できずに亡くなってしまった人のことを思っての行動のようで、赤い封筒を道端に置いてから誰かが拾うまで陰に隠れてじっとその時を待ち、誰かが拾ったら出てきて盛大にお祝いするそうです。

しかしこの風習は一般的なものではなく、赤い封筒があるとニュースで報じられ注意喚起がなされるようです。

婚約者が死亡した場合結婚予定の相手を殺害し埋葬

Gun Shoot Cartridge - Free photo on Pixabay (596057)

亡くなった人が未婚であり、婚約者がいる場合には婚約者と冥婚をさせたいと思う家族は少なくありません。生きている人と死者との冥婚が認められている地域では可能ですが、死者同士でしか認められていない場合、婚約者が男性側の家族によって殺され、埋葬されるということもあります。

特に婚約者が亡くなって鬱になっている場合や、家族間でお金のやり取りがあり家族が自分の子供が殺されることを認めた場合もあり、問題となっています。

冥婚を行うのは閉鎖された山村部であることが多いため、このような事件が起きても外に情報が漏れないため、実際に冥婚のために殺された人数を把握することはできません。

冥婚相手とするため遺体が売買される

Prison Prisoner Slavery Human - Free photo on Pixabay (596059)

中国では、死人同士でしか冥婚が行えないため、未婚の息子が死ぬと母親は未婚女性の遺体を探します。病院を訪れて死にそうな未婚女性がいないか聞くのは珍しくなく、冥婚が今でも続いている地域では病院側も素直に教えてくれるようです。

しかし未婚女性の遺体は高値で取引されることもあります。何人もの未婚男性の母親が欲しいと願い出た場合は、競りが行われ、より高額で願い出た家族に未婚女性の遺体を売るということが行われます。

噂では、冥婚のために遺体売買を生業としている業者もあるようで、中国でいかに冥婚が習慣付いているのかがうかがい知れます。

未婚女性の墓が荒らされ遺骨が盗み出される

Skull Cemetery Genoa - Free photo on Pixabay (596063)

死人としか冥婚が行えない地域では、未婚女性は遺体だけではなく、骨になっている状態でも高値で売れることは少なくありません。お墓に入っている状態の骨でも売れるため、小遣いを稼ぐ目的でお墓を荒らし、未婚女性の遺骨を盗む人もいます。

冥婚が習慣付いているからこそ起こる事件であり、これを防ぐためにお墓をつくらず遺骨は自分の家で管理するところや、お墓の名前から情報を調べられないように表記を変えるところもあるようです。

結婚に関する日本の奇習

Wedding Maple Japan - Free photo on Pixabay (596064)

結婚といっても、昔は現代のような西洋式の結婚式を挙げるのではなく、地域に根付いた習慣に従って結婚の儀式を行うことが一般的でした。

周りの風習と比べる手段がなかったため、長年伝統のように行われていた儀式が例え常識から外れているものだとしても、住民はそれを受け入れるしかありませんでした。そのため、結婚に関してある地域でしか見られない変わった奇習が見られることも少なくありません。

では、どのような儀式が行われていたのでしょうか。

人形婚

Japanese Doll - Free photo on Pixabay (596065)

3 / 4

関連する記事 こんな記事も人気です♪