目次
- ヘテロセクシャル(heterosexual)の意味
- 性的嗜好ではなく性的指向
- 最も多いとされる性的指向
- 異性に対して性的欲求や恋愛感情を持つ
- 恋愛感情のみはヘテロロマンティック
- ヘテロノーマティヴィティという概念
- ○○ロマンティックとは
- 性的指向はセクシュアル
- 恋愛的指向はロマンティック・オリエンテーション
- ロマンティック・オリエンテーションの種類
- 女の異性が男とは限らない!「異性」の意味
- 一般的には自分の身体的性に対立する性
- 自分の性自認に対立する性
- 自分の性表現に対立する性
- セクシュアリティの種類
- 身体的性
- 性自認
- 性的指向
- 性表現
- ヘテロセクシャル以外の性的指向
- 同性愛者(Homosexual)
- 両性愛者(Bisexual)
- 無性愛者(Asexual)
- 多性愛者(Polysexual)
- 性的嗜好もさまざま
- サディズム
- マゾヒズム
- ペドフィリア
- エフェボフィリア
- ネクロフィリア
- アガルマトフィリア
- ヘテロセクシュアルが当たり前ではない!多様化するセクシュアリティを受け入れよう!
サディズム
via pixabay.com
サディズム(Sadism)とは、相手に対して身体的、もしくは肉体的な苦痛を与えることに快楽を見出す性的嗜好のことです。サディズム的な性的嗜好を持つ人をサディストと呼びます。
サディズムという用語は、18世紀のフランスの小説家、マルキ・ド・サドの名に由来します。サドの小説「ソドム百二十日あるいは淫蕩学校」や「ジュリエット物語あるいは悪徳の栄え」にサディスティックな行為が描かれています。
サディズムという用語は、18世紀のフランスの小説家、マルキ・ド・サドの名に由来します。サドの小説「ソドム百二十日あるいは淫蕩学校」や「ジュリエット物語あるいは悪徳の栄え」にサディスティックな行為が描かれています。
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サド自身もそのような行為を行って逮捕・投獄されており、小説の大半は獄中で書かれました。サドの小説は単にサディスッティクなだけでなく、無神論や個人主義など、当時の道徳的価値感から逸脱した思想に貫かれており、それが原因で投獄されたとも言われています。
後ほど解説するマゾヒズムとセットで語られることが多く、広く知られている性的嗜好の一種です。
後ほど解説するマゾヒズムとセットで語られることが多く、広く知られている性的嗜好の一種です。
マゾヒズム
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マゾヒズム(Masochism)とは、肉体的、もしくは精神的な苦痛を受けることに快楽を見出す性的嗜好のことです。しばしばサディズムと対立する概念とされています。マゾヒズム的な性的嗜好を持つ人をマゾヒストと呼びます。
マゾヒズムという用語は、19世紀のオーストリアの小説家、レーオポルト・フォン・ザッハー=マゾッホ(ザッヘル=マゾッホ)の名に由来します。マゾッホの代表作「毛皮を着たヴィーナス」に苦痛を与えられることに性的快楽を感じる人物が描かれています。
マゾヒズムという用語は、19世紀のオーストリアの小説家、レーオポルト・フォン・ザッハー=マゾッホ(ザッヘル=マゾッホ)の名に由来します。マゾッホの代表作「毛皮を着たヴィーナス」に苦痛を与えられることに性的快楽を感じる人物が描かれています。
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「毛皮を着たヴィーナス」は自伝的な作品であり、マゾッホ自身のマゾヒスティックな欲求を示す作品であるとされています。実際にマゾッホは、愛人に対して服従を誓う誓約書を書いて隷従していたことが知られています。
先に解説したサディズムと対立する概念であると考えられており、両者を合わせたサドマゾヒズム(略称はSM)という概念もあります。ポルノの世界では、SMが1つのジャンルとして確立されています。ただし、サディズムとマゾヒズムは対立するものではなく、全く別の概念であるという意見もあります。
先に解説したサディズムと対立する概念であると考えられており、両者を合わせたサドマゾヒズム(略称はSM)という概念もあります。ポルノの世界では、SMが1つのジャンルとして確立されています。ただし、サディズムとマゾヒズムは対立するものではなく、全く別の概念であるという意見もあります。
ペドフィリア
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ペドフィリア(Pedophilia)とは、幼児や小児(おおむね10歳以下)に対して性的欲求を抱くことです。古代ギリシャで少年愛を意味するパイドピリア(Paidophilia)が語源です。
現在多くの国では、幼児や小児との性交は犯罪であるため、ペドフィリアはしばしば非難の対象となります。ただし、ペドフィリアが幼児や小児に性的欲求を抱いても、必ずしも幼児や小児と性的関係を持つわけではありません。
幼児や小児に対する性的虐待と混同される場合もありますが、子どもへの性的虐待はチャイルドマレスター(child molester)と呼ばれており、全く別の概念です。
現在多くの国では、幼児や小児との性交は犯罪であるため、ペドフィリアはしばしば非難の対象となります。ただし、ペドフィリアが幼児や小児に性的欲求を抱いても、必ずしも幼児や小児と性的関係を持つわけではありません。
幼児や小児に対する性的虐待と混同される場合もありますが、子どもへの性的虐待はチャイルドマレスター(child molester)と呼ばれており、全く別の概念です。
エフェボフィリア
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エフェボフィリア(Ephebophilia)とは、思春期の児童(10代前半から中頃)に対して性的欲求を抱くことです。ペドフィリアと同じく、社会的には非難の対象となることが多い性的嗜好です。
エフェボフフィリアと似た概念にロリータコンプレックスがあります。ロリータコンプレックスとは、少女に対して性的欲求を持つことです。ロシア生まれでアメリカで活躍した小説家、ウラジミール・ナボコフの小説「ロリータ」に由来します。
エフェボフフィリアと似た概念にロリータコンプレックスがあります。ロリータコンプレックスとは、少女に対して性的欲求を持つことです。ロシア生まれでアメリカで活躍した小説家、ウラジミール・ナボコフの小説「ロリータ」に由来します。
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ロリータコンプレックスは、小説の主人公である中年の大学教授が愛する少女、ドローレス・ヘイズ(愛称はロリータ)に由来する言葉です。しばしば、ロリコンとも略されます。
ロリータコンプレックスは和製英語であり、海外ではエフェボフィリアという呼称が一般的です。
ロリータコンプレックスは和製英語であり、海外ではエフェボフィリアという呼称が一般的です。
ネクロフィリア
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ネクロフィリア(Necrophilia)とは、死体に対して性的欲求を抱くことです。日本語では、死体性愛、死体愛好などと訳されます。特に死体と性交に及ぶことを屍姦と呼びます。
かなり特殊な性的倒錯と思われがちですが、実際には古くから存在していたと考えられています。古代エジプトでは、ミイラ職人の中に屍姦を行っているものがいたらしく、それを防ぐための方法を記した資料が見つかっています。
ネクロフィリアを題材にした有名な小説に、ノーベル賞作家、川端康成の「眠れる森の美女」やフランスの作家、ガブリエル ・ヴィットコップの「ネクロフィリア」などがあります。
かなり特殊な性的倒錯と思われがちですが、実際には古くから存在していたと考えられています。古代エジプトでは、ミイラ職人の中に屍姦を行っているものがいたらしく、それを防ぐための方法を記した資料が見つかっています。
ネクロフィリアを題材にした有名な小説に、ノーベル賞作家、川端康成の「眠れる森の美女」やフランスの作家、ガブリエル ・ヴィットコップの「ネクロフィリア」などがあります。
アガルマトフィリア
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アガルマトフィリア(Agalmatophilia)とは、人形や彫刻に性的欲求を抱くことです。日本では、人形愛やピグマリオン・コンプレックスという名称が広く知られています。まれに人を人形のように扱うことに性的欲求を抱くことも指します。
ピグマリオンとは、ギリシャ神話の登場人物で自分で作った象牙の人形を愛したという逸話で知られています。ピグマリオン・コンプレックスは和製英語であり、英語圏ではアガルトマトフィリア、もしくはピグマリオニズム(Pygmalionism)と呼ぶのが一般的です。
ピグマリオンとは、ギリシャ神話の登場人物で自分で作った象牙の人形を愛したという逸話で知られています。ピグマリオン・コンプレックスは和製英語であり、英語圏ではアガルトマトフィリア、もしくはピグマリオニズム(Pygmalionism)と呼ぶのが一般的です。
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江戸川乱歩の小説、「人でなしの恋」はアガルマトフィリアを題材にしており、人形を愛人とする男が登場します。他にもアガルマトフィリアを題材とするフィクションが多くあります。
人以外の物に性的欲求を抱くことをオブジェクトセクシュアリティ(対物性愛)と呼びます。性的欲求の対象になる物は幅広く、下着や靴、機械、ゴムなど、さまざまな物が性的欲求の対象になるケースが確認されています。
人以外の物に性的欲求を抱くことをオブジェクトセクシュアリティ(対物性愛)と呼びます。性的欲求の対象になる物は幅広く、下着や靴、機械、ゴムなど、さまざまな物が性的欲求の対象になるケースが確認されています。
ヘテロセクシュアルが当たり前ではない!多様化するセクシュアリティを受け入れよう!
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現在、世界中で性の多様性が盛んに議論されています。ヘテロノーマティヴィティのようにヘテロセクシャルのみを唯一の性的嗜好と考える旧来の考え方が通用しなくなっているのです。
日本でも性の多様性が議論されていますが、いまだに保守的な価値観が強く、人々の意識や社会制度の改革が十分に進んでいるとは言えません。
多様化するセクシュアリティを受け入れるために、まずはさまざまなセクシュアリティの実態をを知ることから始めてみましょう。
日本でも性の多様性が議論されていますが、いまだに保守的な価値観が強く、人々の意識や社会制度の改革が十分に進んでいるとは言えません。
多様化するセクシュアリティを受け入れるために、まずはさまざまなセクシュアリティの実態をを知ることから始めてみましょう。
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