2019年5月26日 更新

姉歯事件の概要と真相!業界のその後と法改正への影響や創価学会との関係

2005年に起こった姉歯事件はどのような事件なのでしょうか。事件の概要と、中心人物である姉歯秀次氏のその後の様子に加えて、姉歯事件の真相や建築基準法などの法改正および国土交通省と創価学会との関係などを解説していきましょう。

姉歯事件をきっかけに、姉歯氏以外の建築士が設計を手掛けた建物の耐震偽装事件が次々と発覚しました。それを重く見た国は、2006年に建築基準法を改正しました。内容は、建築確認の厳格化と指定検査機関に対する監督の強化と罰則の強化に加え、構造計算プログラムを使用するとき、国土交通省大臣が定めた方法によるもの、または、国土交通省大臣の認定を受けたプログラムによるものを使用しなければいけなくなりました。

妻は自殺

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姉歯氏の妻は、姉歯事件の過熱報道の最中、2006年3月に自宅近くのマンションの7階から飛び降り自殺をしました。遺書は見つかっていませんが、マスコミの過熱報道に嫌気が差したのか、あるいは裁判で、夫である姉歯氏が妻が入院中に愛人に月に15万円のおこづかいを渡していたと指摘されたことが背景にあるかもしれません。
姉歯氏は妻との間に二人の息子がいますが、息子二人は取材に対し、「母はマスコミに殺された。」と発言しています。生前、姉歯氏の妻は、マスコミなどにブランドものを買いあさったなどと報道されていましたが、実際は質素な生活だったとのことです。そして、姉歯氏に愛人がいたという事実もありませんでした。
また姉歯氏の妻は、姉歯事件が起こる前から精神疾患で入退院をしていたとの情報があり、姉歯事件の過熱報道や夫の愛人の件で病状がさらに悪化したのではないかと言われています。夫である姉歯氏も、病気がちの妻のために設計の仕事を引き受けたという情報もあります。

一級建築士資格のはく奪

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この事件によって、2005年には耐震偽装で一級建築士の免許をはく奪されました。2006年には建築士法の偽装ほう助の疑いで逮捕され、裁判では懲役5年と罰金刑180万円の支払いを命じられました。この事件で一級あるいは二級建築士の免許をはく奪されたのは初めてでもあり、そして、建築士の歴史上初めてだということで話題になりました

真相は闇の中?姉歯だけではない事件関係者

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姉歯事件の関係者は、中心人物の他に誰がいたのでしょうか。主な関係者や企業などを4つあげていきましょう。

木村建設元社長

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まず始めに、木村建設の説明をいたしましょう。木村建設は、熊本県八代市に本社があった建設会社です。1963年に創業を開始し、1989年に東京に事務所を立ち上げ、1993年には東京支店に昇格しました。仕事内容は、民間建築工事の受注を主に行っていました。いわば、マンションやビルや一軒家などの建設が主です。
しかし、元社長は2006年に、国による建設業許可の更新の際に、利益を水増しして粉飾した決算書類を提出した建設業法違反の疑いで逮捕されました。木村社長らについては、偽装を知っていながら工事代金を受け取った詐欺の疑いも浮上しました。木村建設は、姉歯氏に対してコスト削減をするようにプレッシャーをかけたとされました。
Architecture Modern - Free photo on Pixabay (334487)

その間に、木村建設は、2005年の11月に、その年の11月21日付の決済が困難となり、11月22日付で事業を停止しました。11月24日には、記者会見を開き、自己破産申請を裁判所に申請していることを明らかにしました。25日には従業員全員を解雇した後、12月21日に自己破産を申請し、受理されました。
元社長はその後起訴され、無罪を主張していましたが、2007年に懲役3年執行猶予5年の判決を言い渡されました。控訴をしようとしましたが、高齢でもあり、すでに会社もなく、お金もないということで控訴を断念し、判決が確定しました。

木村建設元東京支店長

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木村建設の東京支店の元支店長は、姉歯事件において、建設業法違反の粉飾決算の疑いで逮捕されました。当時、木村建設は、約13億4000万円の債務超過がありましたが、約4億3000万円の黒字と内容を偽って、2004年の6月期の貸借対照表を国に提出し、2005年6月に特定建設業の許可更新をしたとされました。
元支店長は、会社の存続のためには黒字決算に見せかける必要があると考え、2004年の6月の決算で売り上げを前倒しして計上した4工事のうち、3工事の計上は元支店長が決めたと検察に指摘されました。しかし、元支店長は、木村社長が単独で決めていたなどということで無罪を主張しました。
そして、姉歯氏は国会の証人尋問で、元支店長から鉄筋を減らすようにプレッシャーをかけられたと証言していましたが、このことで元支店長は最重要人物の一人とされましたが、捜査が進むにつれて、姉歯氏が元支店長に責任転嫁をしたことが分かりました。しかし、元支店長は裁判では、懲役1年執行猶予3年の有罪判決をうけました。

イーホームズ社長

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イーホームズは、構造計算書偽造問題を国土交通省に対して最初に公表しました。しかし、2001年に2700万円の架空増資を行ない、実態を大きく見せようとしたことが発覚しました(電磁的公正証書原本不実記録といいます)。2006年4月に姉歯氏らと共にイーホームズの社長は逮捕され、起訴された後、イーホームズの社長は懲役1年執行猶予3年の有罪判決をうけました。
しかし、姉歯事件においては、イーホームズは、判決を受け入れた上、「耐震偽装と架空増資に因果関係はない」とされたことは歓迎したとのことです。2006年には、国土交通省の指定機関業務の廃止手続きを5月末にすると発表しました。後に姉歯事件に関しては、確認検査業務に一切の過失がないとされました。

日本ERI

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