2019年9月5日 更新

精霊馬の作り方と正しい飾り方!地域・宗派ごとの違いや飾る期間は?

お盆になると精霊馬を作る地域も出てきます。この精霊馬の作り方や飾り方、宗派によって違いはあるのかを特集します。この精霊馬は食べることはできるの?など人には聞きづらい疑問や、各地に伝わる珍しいお盆の風習などもまとめてみました。

風習や時期に違いはあれど、ご先祖様を想う気持ちは共通しています。各地域によって変わるお盆の行事や特徴などをピックアップしてみました。

旅行先で見かけたお祭りや普段何気なく参加しているお祭りは、歴史をたどるとご先祖様の供養のために始まったのかもしれません。

お盆に行われている行事やお祭り、風習の起源を知ると感慨深いものとなるでしょう。あなたの地域や、嫁ぎ先の行事や風習を調べてみると面白い発見ができそうです。

北海道地方

Blue Sky Green - Free photo on Pixabay (597790)

北海道では新暦8月盆が一般的です。しかし函館では新暦7月盆が定着しています。どちらのお盆でも、道南や札幌一部地域では「ろうそくもらい」という七夕祭りを一緒に行っているようです。

この「ろうそくもらい」とは、未就学~中学生までの子供たちが数人集まってグループを作り、各家を囃子唄を歌いながら練り歩きます。訪ねられた家は、子供たちにお菓子を配るハロウィーンに似た習慣です。

囃子唄は地域や時代によって異なります。

東北地方

Japanese Dolls Cut Out - Free photo on Pixabay (597799)

東北では一部地域を除いて、新盆8月に行うところが多いです。各県で特徴的な風習が残りますが、共通しているのが手厚くご先祖様をお出迎えしているところが多いということ。

その代表的な風習が、青森県の津軽地方です。詰め物弁当を墓前に持っていき、お供えしたり一緒に食べたりする風習が残ります。また山形県では郷土料理であるほうとうや、あべかわ餅をお供えしているようです。

さんさ踊りやねぷた祭り、大花火大会や盆踊りなど8月1日~23日にかけては東北六県各地において、盛大なお祭りが開催されています。

関東地方

Tokyo Japan Tower - Free photo on Pixabay (597802)

東京都市部や神奈川県では7月15日、東京都西部では8月1日に他の地域では8月15日にと関東圏の中でもお盆の時期が異なります。

変わったところで言えば精霊馬と一緒に砂山を作るのが、神奈川県のお盆の風習です。その側で送り火・迎え火を焚き精霊馬を置きます。

群馬県の富岡市では大島百八灯が8月盆に行われます。盆送り行事として送り火を焚くところは、全国各地にありますが火で作る文字が毎年変わるのは珍しいといえるでしょう。その年の世相を反映したものを毎年協議し決めているそうです。

中部地方

Japan Castle Architecture - Free photo on Pixabay (597805)

中部地方では地域によって石川県の一部が7月盆、他の地域は8月盆が一般的とされています。昔から続いている伝統的な行事が色濃く残る地域が多いようです。

石川県金沢では灯籠「キリコ」を持参してお墓参りをしたり、長野県北信地方では迎え火と送り火に白樺の皮を干したものを焚いたりと、他では見られない風習が残ります。

「遠州大念仏」は静岡県浜松市で、徳川家康が始めたとされる伝統的な行事です。当時は戦死者の供養のために行われていましたが、ご先祖様の供養として現在も7月盆に開催しています。

近畿地方

Osaka Castle Japan Five - Free photo on Pixabay (597806)

ほとんどの地域で8月盆が根付いています。地域によりやはり風習はさまざまですが、盛大に行われているところが多く見受けられます。

送り火を盛大に行う場所が全国的にも多いですが、幻想的な雰囲気も取り入れながら盛大に行われているのが滋賀県甲賀市三大寺の迎え火です。

田園に1,500本のローソクが灯されるだけではなく、花火も上げられます。ここまでするとご先祖様も迷わずに家に辿り着けそうです。観光名所である京都の送り火・精霊流しの行事には全国各地から人が集まります。

中国地方

Hiroshima Japan Japanese - Free photo on Pixabay (597808)

中国地方も8月盆を行うところがほとんどです。一般的なお盆の風習に加えて、神秘的なお祭りなども多く残っています。

広島県のある地域では盆踊りの際に、新盆を迎えた故人の写真を背負いながら踊る風習があります。初めて見た人にとっては、異様な光景に映るかも知れません。

また神々が集まる地とされる島根県出雲市では、お供え物としてお団子が使われているのも特徴的です。出雲大社からもほど近い琴ヶ浜海岸では、3種類の盆踊りが深夜まで行われています。

四国地方

Tangerines Tree Satsuma - Free photo on Pixabay (597812)

四国地方も8月盆が一般的。全国的に有名な三大盆踊りのひとつ「阿波踊り」が行われているのもこの時期です。

ご先祖様の供養と共に、生きている人間の健康を願うものを取り入れている風習が多いかもしれません。

香川県では施餓鬼供養として備えた五目飯を食べることで夏の病気を防いだり、高知県のある地域では「ほうかい」という風習が無事にできた子供は1年健康に過ごせたりなど、さまざまな言い伝えのもと行事が行われています。

九州地方

Aso Volcano Plume Blue - Free photo on Pixabay (597813)

旧盆の文化が残っているのが、沖縄県や奄美地方。送り火の時に「ウチカビ」(ご先祖様が使うお金)を燃やす風習があります。このウチカビを燃やせば燃やすほど、ご先祖様が使えるお金が増えるという言い伝えです。

他の地域では8月盆が多いようです。お墓の前で花火や爆竹をする中国スタイルの風習が残るのが長崎県。福岡県博多市ではお盆期間にあたる3日間は、精進料理しか食べない家庭もあります。

地域によってお盆に対する考え方や風習がガラリと変わるのが、九州地方ならではのお盆の文化です。

地域によっては知らない人もいる伝統的な風習

Bride And Groom Couple - Free photo on Pixabay (597817)

記事の内容だけでも分かるように、お盆に対する考え方や風習は地域によってさまざまです。地域によっては精霊馬すら作らない場所もあります。

自身にとっては当たり前としているお盆の風習も、周りに聞いてみると知らないと言われることも少なくありません。また結婚してからパートナーの実家に帰省した時にも、違う風習が根付いていることがあります。事前に調べておくと、戸惑うことも少ないので安心です。

また風習や考え方は違っても、ご先祖様を敬う気持ちに変わりはありません。その地域に合わせてご先祖様をおもてなしする心が大切なことなのです。

4 / 4

関連する記事 こんな記事も人気です♪