2019年3月9日 更新

石女の意味や語源とは?石女は差別的な表現?

石女とは、離婚原因にもなった「不妊女性」を意味する言葉です。昔は、妊娠しないといった理由だけで、離婚が成立していたってご存知ですか?この記事では、石女の意味や歴史、語源や対義語など、詳細にご紹介していきます。正しい知識を知り、偏見・差別をなくしてみましょう。

目次

石女の意味や語源と対義語は?

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「石女」という文言を見たり、「石女」という発言を聞いたことがる人は、現代ではそれほど多くありません。しかし、SNSなどのハッシュタグと呼ばれるものであったり、ブログでもチラホラと「石女」という文言が使われているのを、見かけることがあります。

それら全てが、差別的な意味合いではなく、自虐であったり、問題提起として「石女」と記載していることが多いようです。しかし実際に、義姉や姑から「石女」と発言された、女性の体験談も見つけられることから、現代でも一部分では使用されている言葉であることが分かります。

はじめに、石女の意味や語源、対義語などをご紹介していきましょう。「石女」の意味や読み方を知らなかった人たちは、この機会にしっかりと学び、どういった意味を持つ言葉なのか、なぜ発言を控えるべきなのか考えてみてください。

「石女」の読み方

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「石女」は「いしおんな」という読み方はしません。類義語として、「イシオンナ」という言葉もありますが、「石女」の読み方は大半が、「せきじょ」「うまずめ」です。

「産まず女」「不生女」「不産女」と書いて、「うまずめ」と読まれる場合もあります。「石女」とは、漢語表記であり、「石婦」と書いて「せきふ」と読む言葉もありますが、どれも同じような意味を持つ言葉たちです。

石女の意味

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「石女」「産まず女」といった漢字や読み方からも想像できるように、これらの言葉は、子供を産まない女性を意味しています。何らかの事情があり、子供が産めない女性にたいして使われる言葉であり、結婚して子供を持たない女性や、不妊症の女性を指す言葉です。

数十年前は、結婚して子供を出産することが当たり前であり、それが女性としての役割だという認識が広く浸透していました。そのため、出産しない女性は、女性としての役割を果たせないといったネガティブな捉え方をされ、「石女」とは女性を蔑む言葉として使われていたのです。

石女の語源

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石女の語源には、諸説あります。語源の一つは、メソポタミアの習慣と関係があるというものです。メソポタミアでは、罪人や嫌な人にたいして、石を投げ追い払うといった習慣がありました。

日本では出産をしない女性は、離縁され自宅を追われるといったことが習慣としてあったのです。その様子と、メソポタミアの石を投げられ他所へ住まざるを得ない様が似ていることから、「石女」という言葉が誕生したと言われています。

また、他の語源としては、「石」という言葉の意味が関係していると言われているのです。「石」には、「役に立たない」といった意味があります。数十年前は、出産をしない女性は、女性として役に立たないと思われていたことから、石と女を使って、役に立たない女性を表したと言われているのです。

石女の同義語や類義語

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石女には、産めない女性といった意味だけではなく、そういった女性を蔑む意味も含まれています。石女のように、子供を産まない女性を蔑む意味を持つ言葉は、他にもあるのです。

例えば「カラオンナ」「キオンナ」などです。こちらの言葉も、不妊症の女性を示すだけではなく、女性として役割を果たせない蔑まれるべき対象といった意味を持つ言葉になります。他にも、「木女房」や「石婦」も、同様の意味を持つ言葉です。

不妊の原因が、女性だけにあると考えられていたことが、これらの言葉から想像できるでしょう。数十年前までは、女性としての役割は、子供を産み育てることだけであり、女性が差別されていた時代が非常に長かったということが想像できます。

石女の対義語

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石女の明確な対義語は、存在していません。つまり、産めないことは罪であり蔑まれるべき事案だが、産めることは当たり前であり、称賛されるべき事柄ではないといった、男性目線の考えが強く反映されていた時代だということがわかります。

石女は、産めない女性を表した言葉ですが、産ませることができない、男性に向けた言葉が存在しています。それが「種無し男」です。他にも「男性不妊」という言葉がありますが、どちらも石女のような強い差別的意味合いを持った印象はないでしょう。

石女が産めない状態を表していることから、産んだ「妊婦」「経産婦」などは、対義語として捉えられることがあります。しかし、石女が持つ産めない女性を蔑む意味の対義語ではなく、あくまでも産んだ女性を表す言葉であることから、明確な対義語とは言えないでしょう。

石女は差別的な表現?現在でも使われている?

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「石女」という言葉は、前項でもお伝えしたようにSNSやブログ等で、時々見かけることがあります。しかし、一般的に広く使われている言葉ではありませんし、聞いたことがない人も多いでしょう。

ここからは、「石女」という差別的表現が、現代ではどのような形として残っているのか、またどういった表現に変わっていったのかご紹介していきます。

差別用語との認識が広がり使われなくなってきた

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女性の社会進出が進み、人権が認められることが広く一般的となったことから、「石女」という言葉は、女性に対する差別であり、不適切な表現であるという認識が広がりました。

そのため、「石女」と発言し、産めない女性を蔑むことは、ほとんど見られなくなったのです。しかし、一部の地域や年代では、産めない女性が蔑まれるべき対象であるということが、当たり前として、「石女」などの言葉が使われいている場合もあります。

若い世代では意味を知らない人も多い

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若い世代では、石女の読み方が分からない人や、そもそもの意味を知らない人も少なくないでしょう。祖父母世代では、石女は頻繁に使用されていましたが、現代ではほとんど石女という言葉は使用されません。

そのため、祖父母と同居していたり、祖父母世代と頻繁に交流を持っていないような若い世代では、聞く機会もなく、知る機会もないのです。

現在でも年配者では使う人もいる

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残念ながら、「石女」という言葉が完全に消滅したわけではありません。子供を産まないという女性にたいして、蔑む感情も、役立たずだと思ってしまう思考も、現在でも根強く残っているのです。特に、年配者同士の会話では、聞く機会も少なくありません。

「隣の嫁は石女」「息子の嫁が石女」など、何気ない会話に使われている場合も、多々あるのです。自分たちが、そういった表現や思想が当たり前とされた時代で生きてきたことから、差別的な文言であり不適切な言葉であるという認識が持てないことが要因になります。

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