2019年4月6日 更新

夜鷹の意味とは?夜鷹や花魁などの江戸時代の遊女たちの実情

江戸時代の風俗文化で有名なのが吉原の遊女たちですが、江戸には幕府の許可を得た“公娼”と呼ばれる吉原の遊女たち以外に許可を得ずに色を売る“私娼”と呼ばれる女性が数多く存在していました。この記事ではそんな“私娼”の中から“夜鷹”について詳しくご紹介していきます。

目次

“夜鷹”は安い料金にも関わらず多くの危険を伴う仕事でした。当時、江戸の街で蔓延していた梅毒などの性病。又、暗い夜道で色を売っているが故の客とのトラブルや犯罪など。

用心棒を付けることも出来ましたが、中にはそんな余裕も無い“夜鷹”も居たという事は前述してきたことを見ていただければ分かる事でしょう。しかし、それでも彼女たちは生きる為に“夜鷹”になるしかありませんでした。

次は、そんな常に危険と隣り合わせだった“夜鷹”のリスクについて、更に詳しく解説していきましょう。

梅毒に感染する可能性が高かった

Flowers Plum Blossom Zierpflaume - Free photo on Pixabay (140437)

江戸時代にも避妊具や方法はありましたが、現代のような効果的なものは無かった為、色を売る女性達の間では性病が蔓延していました。最下等の私娼である“夜鷹”も勿論、梅毒に感染している女性が沢山居たそうです。

当時は痛みを和らげることは出来ても病を完治させるまでには至りません。又、不快な症状が無くなったら治ったと事にしておくのが当時の病気との付き合い方でもあったので、感染する人が多かったと考えられます。

それ故に梅毒に罹り鼻の欠けてしまった顔を隠すようにほっかむりをして客を引く“夜鷹”も多かったそうです。

料金を踏み倒されるなどのトラブルも

Avenue Road Plane Trees - Free photo on Pixabay (140432)

又料金の踏み倒しも“夜鷹”達を悩ませたものの一つにあります。前述にもありましたが、江戸の末期になると気前よく多くお金をくれる客も居たそうですが、中には料金を踏み倒し所謂「買い逃げ」をする悪質な客も居ました。

行為が行われる場所が野外ですからやはり逃げられるという事が多々あったのでしょう。その為“夜鷹”の中では牛(妓夫)と呼ばれる用心棒に守ってもらう兼、客が料金を踏み倒して逃げないように見張ってもらっていたそうです。

客層が悪く犯罪に巻き込まれることも

Hand Blood Smeared - Free image on Pixabay (140449)

現代社会の問題でよく「価格と客層は比例していて、安値の店には質の悪い客が寄り付きやすい」と言われていますが、これは江戸時代でも共通していました。

“夜鷹”は最下等の私娼で、料金も他の娼婦と比べ最も安かったことから質の悪い客が多く、その為に犯罪に巻き込まれる“夜鷹”も多かったそうです。夜の路上で色を売るわけですから常に危険と隣り合わせであった事は間違いなかったでしょう。

しかし、それでも生活に困った女性たちは生きる為に“夜鷹”になるしかなかったのです。

なぜ?危険な夜鷹をやる理由

Question Mark Hand Drawn Solution - Free photo on Pixabay (145287)

では、料金も少なく危険と隣り合わせなのに女性達はこぞって“夜鷹”になったのでしょうか。それには、選択する猶予も無い程にお金が必要な状況であったり、又女性が仕事を手にするのが難しく色を売るのが当たり前だった時代の背景が存在しておりました。

次は、そんな危険であっても彼女達が“夜鷹”をやる理由について、歴史的な時代背景も踏まえて詳しくご紹介していきます。

お金がなく緊急を要する状況だったから

Hourglass Clock Time - Free photo on Pixabay (145293)

前述してきた様に、夫の稼ぎが少なかったり未亡人である女性や、生活に困っている高齢女性などが多く居た“夜鷹”。危険であってもやらねばいけなかったのには、お金が無く緊急を要する状況であったということも理由の一つにあります。

その日の生活の為や借金の返済、病人の薬代など。その中の理由も様々ですが、多くの女性がお金がないけれど緊急を要していた為にやむを得なく“夜鷹”になる状況であったことには間違いありません。

女性が仕事を見つけるのが困難な時代だったから

Kid Child Portrait - Free photo on Pixabay (145296)

江戸時代は共働きが当たり前でしたが、女性の社会進出が憚られる時代でもありました。勿論女性が働ける場はありましたが、取り柄のない女性には就ける仕事はごく僅かしかありませんでした。

大きい商家や武家屋敷の女中としての仕事に就く為にはコネクションが必要とされ、髪結いや三味線、茶道などもありますが専門的な知識とスキルが必要とされました。

残された職種と言えば遊女の他、水茶屋や料理屋の仲居でしたが、実はこれらの多くは色を売る仕事でもあったのです。

売春は女性が稼ぐ手段として一般的だったから

Rose Blue Flower - Free photo on Pixabay (145302)

江戸時代、一部の職業を除いたほとんどの仕事には売春が当たり前で付いてきました。表向きは奉公人でありながら色を売る仕事や、元々はその名の通りの仕事だったものが次第に売春まで行われる様になり、結果的に色を売る仕事の名称になった職種もありました。

飯盛女や湯女、綿摘みなどと呼ばれる職種の女性達もその様な色を売る職業の一つでした。又、裕福な男の妾になることも立派な仕事とされており、江戸時代は売春が女性の仕事として当たり前の時代だったのです。

夜鷹以外にも?過酷な状況で性を売る女性たち

Doors Choices Choose - Free photo on Pixabay (145306)

江戸の街には、“夜鷹”以外にも沢山の業種の娼婦が居ました。“夜鷹”からなる人が多かった船饅頭をはじめ、美しい女性が多かった提重や「旅人の給仕」という表向きで宿場に居る旅人に色を売っていた飯盛女、そして吉原をも脅かす程に勢力のあった湯女など種類も様々。

多くが“夜鷹”の様に幕府の許可を得ない私娼でした。次は“夜鷹”以外にも居た私娼の他、有名で唯一公娼でもあった遊郭の遊女などについて、詳しく解説していくと共にご紹介していきます。

提重

Japan Japanese Style Food - Free photo on Pixabay (145311)

提重(さげじゅう)とは、江戸後期頃に流行った私娼のことを言います。女商人の成りで餅や饅頭を提げ重箱にさげて売り歩きながら色を売って言いました。

提重には若くて美しい女性が多く、料金も500文〜700文と“夜鷹”に比べて遥かに高い相場だったことが分かります。彼女らも又、夫の稼ぎが少なかったり未亡人であったりと、いずれにせよ貧困し生活に困っていたということは“夜鷹”となんら変わりなかったと言えるでしょう。

船饅頭

Boat Sailing Rest - Free photo on Pixabay (145314)

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