目次
- 冤罪事件の袴田事件の概要
- 1966年静岡県で強盗殺人放火事件が発生
- 容疑者として袴田巌が逮捕される
- 1968年死刑判決が下る
- 袴田巌は無罪を主張し控訴
- 1980年最高裁が上告を棄却したことから死刑が確定
- 弁護側が徹底抵抗
- 2011年遺留品の再鑑定が決定
- 2014年3月27日袴田巌の死刑及び拘留が停止となり保釈
- 2014年8月警察が「存在しない」と主張し続けていた証拠品の保管が判明
- 2018年6月さまざまな冤罪の証拠が見つかるも再審請求を棄却
- 冤罪が考えられるさまざまな証拠品
- 有罪の決め手となった当時のDNA鑑定の誤り
- 証拠品への捏造が発覚
- 証拠品の1つであるズボンのサイズ
- 静岡県警察の嘘
- 再審請求が却下された理由
- 日本での再審請求は「開かずの扉」とも呼ばれている
- 重大な証拠の発見を認め静岡地裁は再審を認めるも最高裁で棄却
- 合理的な理由が明確にされていない
- 保釈後の元被告人の様子
- 30歳で逮捕され45年以上収監
- 精神に異常をきたし糖尿病を発症
- 静岡の病院で入院
- 2018年1月元裁判官の熊本典道と対面
- 現在も死刑判決は覆らず
- 裁判後異例の暴露
- 元裁判官の熊本典道
- 警察の異常な取り調べによって強要された自供
- 有罪にしえる証拠品以外の提出を無効
- 裁判所・警察・検察がグルになり犯人として仕立て上げた
- 真犯人説1：長女
- 事件の唯一の生き残り
- 家族と折り合いが悪かった
- 袴田巌保釈後突然の自殺
- 母親・次女の遺体の損傷が激しい
- 真犯人説2：警察関係者・有力者
- 証拠品の捏造が頻繁に行われたため
- 裁判所・警察・検事局がグルとなった点
- 現在も死刑判決が覆らない点
- 真犯人説3：暴力団
- 被害者が暴力団と揉めていたという噂
- 父親は女遊びが激しかった
- 犯行が狡猾で素人作業ではないという点
- 真犯人説4：共闘
- 暴力団と警察の癒着
- 有力者と暴力団の癒着
- 人生を狂わせた司法の在り方について考える必要がある
東京高裁は、4年の年月をかけ再審請求が妥当か否かを話し合いました。再審請求は棄却されたものの、その理由が曖昧過ぎるということで、大きな批判を集めます。東京高裁で話し合われていたのは、袴田巌の無罪か否かでした。
しかし、東京高裁は「証拠品の信ぴょう性に欠ける」という理由のみを発表し、袴田巌の無罪に関しては触れず、さらに再審請求を棄却したのです。また、再審請求を棄却したのであれば、袴田巌は死刑囚のままであり、再び拘置する必要がありました。
健康面や生活面の理由から、死刑囚が塀の外で生活をするという事態は、非常であり在りえないことなのです。
しかし、東京高裁は「証拠品の信ぴょう性に欠ける」という理由のみを発表し、袴田巌の無罪に関しては触れず、さらに再審請求を棄却したのです。また、再審請求を棄却したのであれば、袴田巌は死刑囚のままであり、再び拘置する必要がありました。
健康面や生活面の理由から、死刑囚が塀の外で生活をするという事態は、非常であり在りえないことなのです。
保釈後の元被告人の様子
via pixabay.com
多くの疑問が残される中逮捕され、長い年月拘束された袴田巌は現在、塀の外で生活しています。しかし、48年間という長い拘置、死刑執行という日々は、袴田巌の精神にも大きな影響を与えました。
ここからは、袴田巌の保釈後の様子についてご紹介していきましょう。
ここからは、袴田巌の保釈後の様子についてご紹介していきましょう。
30歳で逮捕され45年以上収監
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加害者に仕立て上げられた袴田巌は、30歳という年齢で逮捕され、45年以上を塀の中で過ごすこととなりました。不当逮捕されてからしばらくすると、精神に異常をきたすようになり、親族や弁護士との会話も難しくなります。
ある日突然、覚えのない罪で逮捕され、死刑判決が下された場合、誰でも同じ状態になり得ると言えるでしょう。精神が落ち着いている時は、親族や弁護士と面会することはできましたが、それでも意思疎通は難しかったと言われています。その状態が、保釈後も続きました。
ある日突然、覚えのない罪で逮捕され、死刑判決が下された場合、誰でも同じ状態になり得ると言えるでしょう。精神が落ち着いている時は、親族や弁護士と面会することはできましたが、それでも意思疎通は難しかったと言われています。その状態が、保釈後も続きました。
精神に異常をきたし糖尿病を発症
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強制収容所や監禁施設、刑務所などの閉鎖的で強制的な場所に置かれると、拘禁反応と呼ばれる症状が表れ始めます。閉鎖的で強制的な場所に1年間置かれただけでも、拘禁反応は表れると言われているため、45年以上このような場所に置かれた袴田巌の状態は、非常に深刻だと言えるでしょう。
さらに、獄中で糖尿病も発症しています。糖尿病は日々の食生活だけが原因ではなく、過剰なストレスでも発症するのです。不当逮捕によって、袴田巌には複数の病までもたらされました。
さらに、獄中で糖尿病も発症しています。糖尿病は日々の食生活だけが原因ではなく、過剰なストレスでも発症するのです。不当逮捕によって、袴田巌には複数の病までもたらされました。
静岡の病院で入院
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袴田巌は保釈直後、都内の病院に入院しました。理由は、長期間の拘置による拘禁反応と、糖尿病治療のためです。拘禁反応の回復が見られ、糖尿病も深刻な状態から脱出すると、地元静岡県の病院に転院します。
袴田巌が、地元静岡県に足を踏み入れるのは、48年ぶりの事でした。現在は病状も回復に向かい、姉と2人静岡県内で暮らしています。自宅付近を散歩できるほどに回復したものの、時折不可思議な発言などが見られるようです。
袴田巌が、地元静岡県に足を踏み入れるのは、48年ぶりの事でした。現在は病状も回復に向かい、姉と2人静岡県内で暮らしています。自宅付近を散歩できるほどに回復したものの、時折不可思議な発言などが見られるようです。
2018年1月元裁判官の熊本典道と対面
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元裁判官の熊本典道も、袴田事件によって人生が大きく変わりました。熊本典道は、静岡地裁に務めていた裁判官で、死刑判決を下した3人のうちの1人です。裁判当時から、熊本典道は袴田巌にたいして無罪を確信していました。しかし、他2人が有罪だったため、多数決によって死刑判決となります。
2018年1月、袴田巌と熊本典道は対面することができ、当時の心情や謝罪を行いました。熊本典道は、良心の呵責に堪えられず、死刑判決を下した約半年後に裁判官を辞職し、弁護士に転身します。その後は、死刑判決を下したことに苦しみもがきながら、袴田巌を支援する会に参加するなどしていました。
2018年1月、袴田巌と熊本典道は対面することができ、当時の心情や謝罪を行いました。熊本典道は、良心の呵責に堪えられず、死刑判決を下した約半年後に裁判官を辞職し、弁護士に転身します。その後は、死刑判決を下したことに苦しみもがきながら、袴田巌を支援する会に参加するなどしていました。
現在も死刑判決は覆らず
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袴田巌には、多くの支援者が集まりました。日本ボクシングコミッションは、ボクシングをやっていた袴田巌に、名誉ライセンスを贈呈します。さらに、キリスト教系人権団体や、前項でご紹介した元裁判官、再審請求に関する署名に参加した一般市民など、大勢の人々が袴田巌の無罪を願って活動しました。
しかし、2019年現在も袴田巌の死刑判決は覆っていません。現在、日弁連が行っている最高裁への特別抗告が退けられれば、再び死刑囚として拘置される恐れもあるのです。事件から半世紀以上たっても、袴田巌は自由になれていません。
しかし、2019年現在も袴田巌の死刑判決は覆っていません。現在、日弁連が行っている最高裁への特別抗告が退けられれば、再び死刑囚として拘置される恐れもあるのです。事件から半世紀以上たっても、袴田巌は自由になれていません。
裁判後異例の暴露
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袴田事件は、不可解な点が残されていながら、最高裁まで争われ、最終的に死刑という判決が下された事件です。また、死刑囚でありながら、塀の外で生活するという異例な状況も作り出した事件となります。
この事件には、さらに異例な事態が起こりました。それは、裁判後の暴露です。裁判が終わり、判決が下された直後、本来明かされないはずの情報が次々に暴露されました。ここからは、裁判後に行われた異例の暴露内容についてご紹介していきます。
この事件には、さらに異例な事態が起こりました。それは、裁判後の暴露です。裁判が終わり、判決が下された直後、本来明かされないはずの情報が次々に暴露されました。ここからは、裁判後に行われた異例の暴露内容についてご紹介していきます。
元裁判官の熊本典道
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元裁判官であり、自身の人生を大きく狂わされた熊本典道は、裁判後当時の心境を告白します。袴田巌を当初から無罪だと思っていたこと、そして他2人が裁判官として信じられない判決を下したことなどです。
判決文を書くことを拒否し、他裁判官と口論になったことや、良心の呵責によって裁判官を辞職したことなども語られました。しかし、裁判官を辞職したのは妻の療養のため、といった話や、他2人の裁判官が死亡した後にこれらの話を持ち出したなどの理由から、発言を不審がる人々も存在します。
判決文を書くことを拒否し、他裁判官と口論になったことや、良心の呵責によって裁判官を辞職したことなども語られました。しかし、裁判官を辞職したのは妻の療養のため、といった話や、他2人の裁判官が死亡した後にこれらの話を持ち出したなどの理由から、発言を不審がる人々も存在します。
警察の異常な取り調べによって強要された自供
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警察関係者によって、袴田巌に行われた異常な取り調べについても明らかとなります。袴田巌を取り調べた警察官たちは、長時間取り調べを行っていたばかりか、トイレを使用させず、取調室内で垂れ流しにさせるという非道な扱いを行いました。
さらに、暴力行為や長時間立たせる、家族への暴言など、聞くに堪えない内容が暴露されます。事件から数十年経ち、当時の担当警察官に話を聞くと、「覚えていない」「他の事件と同じ」などと発言し、罪の意識も間違いだったという認識もない事が証明されました。
さらに、暴力行為や長時間立たせる、家族への暴言など、聞くに堪えない内容が暴露されます。事件から数十年経ち、当時の担当警察官に話を聞くと、「覚えていない」「他の事件と同じ」などと発言し、罪の意識も間違いだったという認識もない事が証明されました。
有罪にしえる証拠品以外の提出を無効
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