2019年9月30日 更新

障害者の性の悩みとは?性処理の方法やホワイトハンズについても

障害者の「性」や「性欲」に関する話題はタブー視されてきた傾向があります。しかし障害の有無にかかわらず、一人の人間として愛する人と一緒にいたい、肌を重ねたいと願うのは当然のことです。表に見えにくい障碍者の性の悩み。ホワイトハンズの存在とも合わせてご紹介します。

障害者の性事情の現状とは

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障碍者に関する「性」の問題は、表立っては見えにくいのが実情です。障害のある人にとっては、「性」に関する情報が少なく、また自分の悩みを相談できる人もなかなかいないので、想像のなかや自分一人で抱え込むという人がほとんどです。

サポートにまわてくれる理学療法士や作業療法士は、機能的なことは教えてくれますが、実際にそのときどうすればよいかなどの具体例は教えてもらえまん。(その人たちも「療法士」という立場での職業なのですから、その対応を攻めることは出来ないのは当然です)。

また、生まれつきでなく大人にってから「障害」を患うようになった人は、もしパートナーがいたとしても「介助者にしてしまう」というためらいから、気持ちのモヤモヤを打ち明けることなく関係を断つということも少なくはありません。

法律上の「障害者」の定義とは

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私達は「障碍者」という言葉を聞くと、「大変そう」「助けてあげないと」という感情が起こることが多いでしょう。昔から小学校では「人権週間」というものが設けられているほど、生活する上で困難をもってる人に対しての理解を深めようと、学校現場でも教育方針を進めてきました。

一言で「障碍者」といっても、その種類は3つあるので、それぞれの定義をまず確認しておきましょう。

身体障害者

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28年に改訂された最新の身体障害者福祉法の定義第4条においては、「『身体障害者』とは、別表に掲げる身体上の障害がある18歳以上の者であって、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けたものをいう。」と記されています。

ここに記されている「別表」とは、身体障害者施行規則でいう「身体障害者障害程度等級表」のことです。視覚障害、聴覚又は平衡機能の障害など9つほどの障害程度を、等級別に明示したものです。

ただし、この表に該当しても、身体障害者手帳の交付を受けていなければ法的には「身体障害者」とは認められません。

知的障碍者

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一方、知的障害(者)についての定義規定はありません。身体障碍者とは異なり「身体障害者手帳」のように、手帳の所持について明文化された法律上の定めはなく、社会通念上知的障害と認められればよいという共通の了解があるようです。

似たような書面の証明書としては、知的障害のための「療育手帳」制度があります。療育手帳は児童相談所又は知的障害者更生相談所において知的障害であると判定された場合に交付されます。

手帳を所持することで社会にそのことを進んで表明することに抵抗をもっている人も少なくは無く、手帳の所持を拒否する人もいます。しかし実際的に公的or民間の支援サービスを受けるためには手帳の所持は必須となります。

精神障碍者

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『精神保健及び精神障害者福祉に関する法律』の第5条に精神障害者についても定義されています。しかし実際には「知的障碍者」の1部という考えもあり、そこをどう切り離すか、どこをひとまとめにするかは人の判断によるところが多いのが現状です。

第五条では『「精神障害者」とは統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者をいう。』と記されています。つまり、この精神保健福祉法の定義では、知的障害は精神障害ということになります。

確かに知的障害と精神障害が重複する場合はありますが、具体的な支援においては知的障害と精神障害は対応を分けて考えたほうがよいというのが、現在の一般的な考えのようです。

性に関する障害者の悩み

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人間の生理的な三大欲求は、食欲、睡眠欲、そして性欲です。性欲には男女の心や体の状態もさまざまなので(同性同士の場合も同様です。)、性行為の方法にも多様性が求められます。

しかし身体や知能、精神になんらかの障害を持っている人にとっては、その欲求を満たしたり抑制することも、健常者と同様にとは行きにくいものです。具体的にどのようなことに悩み、苦痛を感じやすいのか、決して興味本位ではなく、気持ちに寄り添いながら理解をしていきましょう。

性行為ができない

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身体障害者の場合、先天的な場合も後天的な場合も、 身体の不自由さから考えて自力でセックスを行うことは難しいです。脊髄損傷(せきずいそんしょう)の障害を持った人であれば、男女ともに性機能障害を引き起こすので、セックスの行為自体が不可能になることもあります。

また、知的障碍者の中でも男性は「性」に対する興味が増幅してしまい、看護師に対して強引な行為に及ぶこともあるので、性的欲求をどのようにコントロールさせるのか、その方法を適切に判断して伝授しなければなりません。

自慰行為ができない

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自慰行為の時に問題が出てくるのは、主に身体障碍者の場合です。車いすのイメージが強い人も多いようですが、セックスや自慰行為でネックとなるのが「手」の不自由さです。

手を思うように持ちあげられない。指を閉じたり開いたりできない。手の一部だけ自分の意図する動きが出来ない。いずれの場合も、自慰行為をするのは性器を自分の手や指先で刺激する必要がありますから、その手が不自由な身体障碍者の人達は「自慰」とありますが、その行為も他人のサポートが必要になります。

わずかに残っている手の感覚を頼りに自慰行為に努める人も多いようですが、なかなか射精までイケないもどかしさに、かえって自信を無くしてしまう人もいます。

オーガズムに達する事ができない

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まずは障害をもっている人でも自力でセックスが出来た場合についてです。この時、手足に障害があっても多少ならと自分の力で行おうと頑張る人が多いのですが、やはり一般の人に比べると支えられる力も時間も少なくなります。そうなると、挿入が上手くいっていたとしても、最後の最後で絶頂に行く前に体勢が壊れてしまうことが多いです。

一方、自分だけでセックスを完成させられない(パートナーに頼る、もしくはそのようなサービスに頼る)場合は、なおさら自分で精力をコントロールしたり感じる力は弱くなります。

精神障害の人は、達したいけれど相手を信じられなかったり、満足させてあげられないのではという不安からなかなか力を出し切れないなど、自分の中で葛藤が起こりオーガズムへの到達を阻まれることがあります。

性欲を制御できない

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