目次
- ゴイアニア被曝事故が発生した場所「ブラジル国ゴイアニア」
- ゴイアニア被曝事故の経緯
- A・Bが廃病院に侵入、線源容器がはめ込まれている回転遮蔽装置を盗難
- Aの自宅に持ち帰る
- 13日2人に嘔吐の症状が見られる
- 14日Bに多くの症状が見られる
- 15日Bが病院を受診する
- 18日Aが線源容器に穴を開け解体やCに売却
- 18日夜、青白く光っていることを目撃
- Cは自宅に線源容器を運び数人の知人に見せる
- 21日Cの友人が中から顆粒状のセシウムを取り出す
- Cと友人はそれを持ち帰り親族に配る
- Cの妻に下痢の症状が現れる
- Cの従業員2名が回転遮蔽装置から鉛を抽出する
- 23日Aが皮膚症状で入院
- 24日Cの隣に住む弟がセシウムの粉末を貰う
- 25日Cは回転遮蔽装置と鉛を別の解体業者に転売
- 26日Cの従業員が再度施設に侵入し再び盗みを働く
- ゴイアニア被曝事故発覚までの経緯
- 28日同様の症状を訴える患者が急増
- Cの妻は「光る粉」が原因であると訴える
- 29日8時放射線医師が線量計で計測を行う
- 29日12時医師がCの解体工場に向かう
- 29日22時Aが発見され事件の経緯が発覚
- 周辺住民は隔離されることに
- 「セシウム137」とは
- ゴイアニア被曝事故の周囲・犯人のその後
- 249名に汚染が認められた
- 除染作業が行われる
- Aについて
- Bについて
- Cについて
- 10月23日Cの妻・Cの姪が死亡
- 10月27日・28日Cの従業員2名が死亡
- ゴイアニア被曝事故が発生した原因
- 放置された廃病院
- 流れた噂
- 遅すぎた発覚
- ゴイアニア被曝事故の風評被害
- 好奇の目に晒される
- 汚染していない産物が売れない
- ホテル・タクシーの利用を拒否される
- ゴイアニア被曝事故の再現ドラマは放送され続けている
ゴイアニア被曝事故が起きてから、これまでブラジル国外にはあまり知られていなかった都市にもかかわらず、世界中が注目するようになりました。知名度が上がった反面、放射線で汚染された街としてあらぬ噂も立てられていました。
また、ゴイアニア市民=被曝者であるという目で見られ、皮膚に異常がないか上から下までじっくり見られるなど、好奇の目にさらされることも多くありました。
「放射線は怖い」という偏った知識だけで解釈されることで、たまたま住んでいた地域がゴイアニアだったというだけで、ゴイアニア市民は苦しい思いをしました。
また、ゴイアニア市民=被曝者であるという目で見られ、皮膚に異常がないか上から下までじっくり見られるなど、好奇の目にさらされることも多くありました。
「放射線は怖い」という偏った知識だけで解釈されることで、たまたま住んでいた地域がゴイアニアだったというだけで、ゴイアニア市民は苦しい思いをしました。
汚染していない産物が売れない
via pixabay.com
ゴイアニア被曝事故の前年、ロシアのチェルノブイリでは原子力発電所の事故が起こっており、世界中が放射線に敏感になっていました。もちろん、放射線は怖いもので、知らないうちに被曝する恐れも十分あります。
汚染していない産物までもが放射線に汚染しているのではないか、それを摂取してしまうのではないかという恐怖から人々は買うのを控えるようになりました。
その結果、ゴイアニアだけではなくブラジル全土での風評被害が広まり、農産物は価格が50%に減少、工業製品も40%近くも減少したようです。たとえこれらが放射線検査を受けていても、恐怖心の方が勝り、購入を控えるケースは日本で起きた福島原子力発電所の事故でも起こりました。
汚染していない産物までもが放射線に汚染しているのではないか、それを摂取してしまうのではないかという恐怖から人々は買うのを控えるようになりました。
その結果、ゴイアニアだけではなくブラジル全土での風評被害が広まり、農産物は価格が50%に減少、工業製品も40%近くも減少したようです。たとえこれらが放射線検査を受けていても、恐怖心の方が勝り、購入を控えるケースは日本で起きた福島原子力発電所の事故でも起こりました。
ホテル・タクシーの利用を拒否される
via pixabay.com
ゴイアニア市民は、放射線に汚染されていない人でも他の地域の人からは放射線が移り自分も被曝するのではないかという先入観から、ホテルやタクシーの利用を制限されることも少なくありませんでした。
誰もが放射線に怯えるあまり、ゴイアニア市民というだけで被曝しているというレッテルを張られていたのです。この人たちがホテルやタクシーを利用するには、公的機関の「非汚染証明書」を持ち運んでいなくてはならないほどでした。
また、この扱いが不当であると憤慨したゴイアニア市民は、その後の除染活動や放射線測定作業を妨害することも度々起きたようです。
誰もが放射線に怯えるあまり、ゴイアニア市民というだけで被曝しているというレッテルを張られていたのです。この人たちがホテルやタクシーを利用するには、公的機関の「非汚染証明書」を持ち運んでいなくてはならないほどでした。
また、この扱いが不当であると憤慨したゴイアニア市民は、その後の除染活動や放射線測定作業を妨害することも度々起きたようです。
ゴイアニア被曝事故の再現ドラマは放送され続けている
via pixabay.com
ゴイアニア被曝事故は決して他人事ではありません。一般人ではたとえ傍に放射線を出している物質があったとしてもそれに気づくことはできません。と言う事は、放射装置の扱い方を間違えば、今回のような事故が起こる可能性はどこにでもあるのです。
そこで、ゴイアニアではこの事故を風化させないように、再現ドラマやドキュメンタリーが放送され続けています。また、事故の被害者や盗んだ犯人であるAも当時の様子をカメラの前で語っており、この事故を経験していない人でも、この事故を印象強く持っている人が多いです。
このような事故に遭わないように工夫することは難しいですが、放射線に関する正しい知識を付けることや、危険物の管理は徹底すること、おかしいと感じたらすぐに届け出ることなど各々ができることを実践しましょう。
そこで、ゴイアニアではこの事故を風化させないように、再現ドラマやドキュメンタリーが放送され続けています。また、事故の被害者や盗んだ犯人であるAも当時の様子をカメラの前で語っており、この事故を経験していない人でも、この事故を印象強く持っている人が多いです。
このような事故に遭わないように工夫することは難しいですが、放射線に関する正しい知識を付けることや、危険物の管理は徹底すること、おかしいと感じたらすぐに届け出ることなど各々ができることを実践しましょう。
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