2019年7月26日 更新

タサダイ族とは?世界十大詐欺事件と言われた真相と騙した理由!

世界には詐欺事件によって巨額の富を得た人もいます。フィリピンの少数民族、タサダイ族は20世紀になって発見された文明を持っていない原始人として世界の注目を集めました。しかしこれは後に資金目的の詐欺であったと明らかになります。今回は事件の真相や経緯を紹介します。

目次

世界が騙された!タサダイ族

Sunset Beach Walk On The - Free photo on Pixabay (506104)

タサダイ族は、20世紀になってから発見され、現代でも狩猟採集のような原始人的生活をしている民族として世界から注目を浴びました。全世界の民族学者たちが彼らに会いたいと願い、今もその文化を保護している民族を保護したいと巨額の基金が集まりました。

しかし、真実は闇の中に消え、このタサダイ族は存在していない全くの偽りであったという見方が強まっています。彼らの普段の生活がスクープされてからは、全世界を巻き込んだ詐欺事件として大きく取り上げられました。

発見され注目を集めてから、嘘がばれるまでの間に何が起こったのでしょうか。今回は、その経緯や理由を含め、タサダイ族について詳しく紹介します。

タサダイ族とは?

Village Asian People - Free photo on Pixabay (506100)

タサダイ族の話題が全盛期で取り上げられていた頃、日本のテレビも現地に足を運び、取材に行っていました。そのため、1978年当時の番組を見ていた人はミンダナオ島の「タサダイ族」という名前にピンと来る人もいるでしょう。

そもそも、タサダイ族とはどのような民族なのでしょうか。

20世紀になってもなお原始人の生活をしている

Clouds Barn Sky Blue - Free photo on Pixabay (506098)

タサダイ族が発見されたのは、フィリピンのミンダナオ島、南コタバト州の熱帯雨林地域の中です。世界は20世紀になり、どんどん近代技術が発達していく中で、発見されたタサダイ族は今も原始人のような生活を続けていることで話題になりました。

今や人里離れた地域に住んでいる民族でも携帯電話を使って連絡を取っている時代です。その時代に他の民族と交流を持たないまま、少数民族が何千年も同じ生活をし続けていたことに衝撃を受けた人も多くいました。

食べるものも熱帯雨林の中で獲れるもののみで、調理法はごく初期のもの、火起こしも道具を使って人力で起こしていたのでした。

愛の民族と呼ばれた

Rose Flower Love - Free photo on Pixabay (506090)

様々な研究分野がある中で、言語学は人々の生活に密着しているため研究対象となりやすいことから、多くの人によって研究されてきました。言語はその民族を形作るものであり、価値観や生活を鑑みることができます。

タサダイ族も例外ではありません。発見された当時、タサダイ族が独自の言語を話すことから言語学の面から研究する人もいました。すると、タサダイ語の中には「敵」や「武器」といった言葉がないことが分かったのです。

それは、彼らの中に争うという概念がなく、少数民族の中で協力して暮らしていることを示しています。このことから人々は彼らを「愛の民族」と呼ぶようになりました。

狩猟採集で暮らしている

Adler Bird Of Prey Raptor - Free photo on Pixabay (506087)

まだ文明が発達する前の新石器時代の頃まで、人々は狩猟採集で生き永らえてきました。それはどの民族にも共通する生活形態であり、人々は農耕文化が出て来て初めて自分たちで食べるものを育てるという考え方にシフトしていったのです。

そして時代が進むにつれて人々は機械を開発し、より楽に効率よく食糧が得られるように工夫し続けました。足りないものは他の地域と交換し、お互いに助け合ったり時には争い合ったりしてきました。

しかしタサダイ族は孤立した民族であったため、狩猟採集の生活から何千年も抜け出せなかったのではないかと当時言われていました。

文明は発達していない

Machu Picchu Peru Inca - Free photo on Pixabay (506084)

文明とは人間が作り出した高度な文化のことを指します。しかし、文明は人がいるところに必ずしも発生するものではありません。前提条件として、農耕が発生しなければ人々は自身の食料を確保するために躍起になり、文明を発生させる余裕がないと見られています。

農耕を起点に、人口が多くなることで他の職業が生まれ、政治体型が徐々に作られていきます。しかしタサダイ族は農耕文化が発達せず、少数民族であるため政治も必要ありませんでした。

文明が発達する条件が全くそろわず、彼らにとっては必要のないものであったという見方をした人もいます。彼らにとっての世界はタサダイ族のみであり、自身がフィリピンという国に属していることすら把握していなかったのです。

タサダイ族の集落へはヘリコプターのみのアクセス

Action Air Aircraft - Free photo on Pixabay (506080)

タサダイ族の住んでいる地域に行くには、大規模な熱帯雨林を正しく進む必要があります。もちろん地図もなく、勘だけで辿り着くのは不可能でしょう。

当時取材が殺到したことで、タサダイ族の住んでいる地域の開けた場所にヘリコプターの発着場を設けていました。これが唯一の交通手段であり、それ以外で訪れることはできなかったようです。

彼らにとって狩猟採集で生活できたらいいため、行動範囲が狭く、交通手段を作るほどの文明も発達しなかったことから、この点に疑問を持つ人はいませんでした。

独自の言語を話す

Lion Animal Savannah - Free photo on Pixabay (506078)

タサダイ族は民族独特の言語を話し、それは周辺の民族と意志疎通ができないほどのユニークなものであると思われていました。これは「タサダイ語」と呼ばれ、タサダイ族の人のみが話せる言語です。

周辺の地域と言語でコミュニケーションを取れなかったことから、周りとの交流がなかったことを裏付ける証拠であるという見方をした人もいました。発見した人もジェスチャーのみで会話をしていたようです。

少数民族が独自の言語を話すことは珍しいことではありません。しかし、周りとの交流手段を持っていない点が、他の民族と大きく異なっていたのです。

わずか27人の民族が洞窟で暮らす

Cave Pit Waterfall - Free photo on Pixabay (506075)

タサダイ族はわずか6家族27人で構成された少数民族であり、彼らは洞窟内に暮らしていました。20世紀に家すらもたず、自然の洞窟で暮らしていたことが人々の関心をさらに高めたのです。

日本でも洞窟で暮らしていた記録があります。旧石器時代から縄文時代にかけて洞窟で暮らしていた遺跡が残されており、人々は洞窟に届く光を利用したり、壁に絵を描いたりして過ごしていました。

タサダイ族に限らず、洞窟は文明ができる前の人間の住処として利用されていたのです。今現在でも洞窟を拠点にして生活している民族はごく少数であり、どの民族も注目を浴びています。

タサダイ族の発見から終わりまで

Vaulted Cellar Tunnel Arches - Free photo on Pixabay (506071)

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