2019年7月26日 更新

タサダイ族とは?世界十大詐欺事件と言われた真相と騙した理由!

世界には詐欺事件によって巨額の富を得た人もいます。フィリピンの少数民族、タサダイ族は20世紀になって発見された文明を持っていない原始人として世界の注目を集めました。しかしこれは後に資金目的の詐欺であったと明らかになります。今回は事件の真相や経緯を紹介します。

目次

タサダイ族が発見された当時、彼らは腰みのを纏っているのみでした。女性たちもイヤリングをしているくらいでお洒落や化粧は全くしておらず、私達が想像するような「原始人」の格好をしていました。

しかし、ジャーナリストが発見し写真に収めた彼らの姿は、Tシャツにジーンズというごく一般的なフィリピン人の格好をしていました。

数千年もの間文明が発達せず、狩猟採集のみで暮らしていた彼らが、外部との接触があったことを考えても、たった数年でTシャツとジーンズを着るまで変化するのはあまりに不自然で辻褄が合いません。

スクーターに乗っていた

Motorbike Bike Motorcycle - Free photo on Pixabay (506032)

タサダイ族の居住地域までの交通手段はヘリコプターのみとされていましたが、実際は保護区の中でスクーターに乗っていました。これは明らかに文明が発達している証拠であり、普通のフィリピン人の生活レベルに達していることがうかがえます。

彼らの存在を信じて疑わなかった人には、彼らがスクーターにのって道を颯爽と走り抜ける写真はとても衝撃的だったでしょう。また、この時撮られた写真は紛れもなくタサダイ族は原始人ではないという証拠であり、彼らへの信頼が失われるきっかけともなりました。

葉巻きタバコを吸っていた

Cigarette Smoking Ash - Free photo on Pixabay (506031)

たばこは、植物としてはアンデス地方が原産地であり、7世紀ごろにはマヤ文明で現代と同じように嗜好品として喫煙の文化が始まっていたと見られています。その後アメリカ大陸に渡ったヨーロッパ人に伝わり、ヨーロッパでも喫煙が開始されました。

アジアに渡ったのは1575年にスペイン人によってフィリピンに伝えられたようです。しかし、外部との交流を持たず、スペイン統治時代にも支配の手が及んでいないタサダイ族にとって、タバコの存在は知らないほうが自然です。

日常のようにタバコを吸っていたことから、やらせではないかと囁かれるきっかけにもなりました。

「モルタル」「屋根」などの単語が存在する

Dictionary Reference Book Learning - Free photo on Pixabay (506029)

言語は人々が使っていく中で変化し、発展していきます。日本語でも、古典で使われるような昔の言葉を現代人が理解できないようなものです。しかしどちらも日本語であり、違う言語を使っているわけではありません。時代の流れで話される言語も変化していくのです。

しかし、いくら発展しても民族に必要のない言葉は新しく入ってきません。タサダイ族は外部との交流を行っていなかったので、その傾向はかなり強いと考えられます。

彼らは洞窟に生活し、原始人のような生活をしていたのにもかかわらず、「モルタル」や「屋根」という語彙を表す言葉が存在するのです。それは彼らの生活にそれらがあることを示しています。この点においても、文明が発達していないという説明とは矛盾しています。

ミンダナオ島は古くから外部との接触が盛んな地域

New York Manhattan - Free photo on Pixabay (506028)

ミンダナオ島はフィリピンで2番目に大きい島であり、キリスト教徒が大半を占めるフィリピンですが、人口の5%を占めるイスラム教徒はほとんどがミンダナオ島で暮らしています。これには歴史が大きく関係しています。

ミンダナオ島は地理的関係から古くから中国と東南アジアの貿易の拠点となっていました。その影響でフィリピンの他の地域と比べ、海外との交流も盛んに行われてました。

タサダイ族は熱帯雨林の中に暮らしていますが、何千年もの間誰の侵入もなく接触がゼロだったとは考えにくいです。他国からの接触があった方が自然な流れと言えます。

ヘリコプターの着地点付近でしか彼らに会えない

Fly Helicopter - Free photo on Pixabay (506023)

タサダイ族の生活について様々なことが取り上げられていましたが、実は記者たちがタサダイ族に会えるのはヘリコプターの発着点付近に限られており、彼らの生活区までたどり着けた人はほとんどいませんでした。

これは、タサダイ族が実際には存在していないことが明らかになることを恐れてのことでしょう。しかしフィリピン政府はタサダイ族がこれまで外部との交流を避けてきたことから、生活区域まで侵入されると文化を壊す恐れがある、保護したいと言って納得させたのでした。

読み書きができる

Writing Pen Man - Free photo on Pixabay (506019)

日本人からすると文字の読み書きができるというのは当たり前のことで、読み書きができない=ずっと昔の時代というイメージを持っている人も多いでしょう。しかし、市民階級が読み書きができるようになったのは19世紀になってからのことです。

今でもアフリカを始めとした教育サービスが充実していない国では、国民の半分が読み書きできない国もあります。タサダイ族は当初、タサダイ語のみを話し他の民族とは意思疎通ができないと思われていました。

しかし調査が進むにつれて、彼らの語彙はミンダナオの言語と共通するものが多いことが分かってきました。また、すらすらとミンダナオ島民と話している様子が目撃され、読み書きもできていたようです。

タサダイ族の真相

Open Doors Exit - Free vector graphic on Pixabay (506015)

エリザルデ元環境大臣は亡くなる直前までタサダイ族の存在を主張しており、タサダイ族がいないという明確な証拠も残っていません。資金集めのための詐欺事件と言われていますが、真実は闇に葬られたままです。

ここでは、タサダイ族の真相と言われている事柄を紹介します。

黒幕はエリザルデ

Alien Reptilian Portrait - Free photo on Pixabay (506011)

マルコス政権が崩壊しそうになった混乱期に国外に基金に集まった寄付金を持ち出して国外逃亡したことから分かるように、やはりエリザルデ元環境大臣が書いたシナリオだとする説が最も濃厚です。

タサダイ族がやらせだとスクープされてから取材陣の数は多くなり、タサダイ族とされる人々へのインタビューを積極的に行うようになりました。そこから分かる真相は世界の人々を驚かすものばかりでした。

今までは彼らが保護の対象であったため控えていたようですが、政権崩壊で混乱していた時期であるため規制が緩やかになったようです。

地元民がタサダイ族を演じていた

Acting Actor Adjusting - Free photo on Pixabay (506010)

タサダイ族と言われていた27人の少数民族は、その地域の近くに住んでいるミンダナオ島の地元民であることが分かりました。ジャーナリスト達が彼らに取材し、身元を聞いたところ、あっさりとタサダイ族ではなくただの地元民であると自供しました。

これが引き金となってタサダイ族はほぼ100%存在しないという見方に変わっていったのです。地元民はエリザルデの指示に従って演じ、お金を受け取っていたとも語りました。

周りを信用させるためにあたかも原始人のような生活をしているよう振る舞い、言語も変えていたというから驚きです。

取材が来る時だけ洞窟で過ごしていた

Girl Woman Female - Free photo on Pixabay (506009)

3 / 4

関連する記事 こんな記事も人気です♪