2019年9月21日 更新

ブラジル史上最悪と呼ばれるバスジャック事件とは?事件のその後は?

ブラジルの首都リオデジャネイロで、銃で脅かしてお金を奪おうとしていただけの若い男が「バスジャック」を起こすことになってしまい。乗客が開放されるまでのショッキングな一部始終が、地元メディアで4時間も完全生中継で流されるという事件が起こりました。

ブラジル南東部に位置するリオデジャネイロ州の州都で、国内最大の観光都市『リオデジャネイロ』は、長年のインフレなどで国家的な経済不安定を起こしており、路上生活し犯罪行為に走る少年たちがあとを断たず、地域や社会から問題視されていました。

リオには「死の部隊」と呼ばれるグループまであり、ますます治安が悪化し、観光客は減り続けていました。売上に悩む商店主が、給料の安い警官や元警官などに依頼し、路上生活者に言葉巧みに近づき、車内や人気のない場所で暴行や殺人を行われていたのです。

『カンデラリア協会虐殺事件』は国際社会から非難され、子どもたちに発砲したグループは起訴され、リオ地裁は、元警官『マルクス・ビニシウス・エマヌエル』被告ら2人に、禁錮309年の有罪判決を言い渡しました。

その生存者がサンドロ・ド・ナシメント

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母1人子1人の貧しいい家庭で育てられ、10歳で、母親が3人の強盗に刺殺されるのを目撃し、リオデジャネイロで生きていくために乞食や金持ちに対して泥棒などをして何とか生計を立て、路上で暮らすストリートチルドレンとなり、カンデラリア教会で『イボーネ』を慕い。

売上に悩む商店主に雇われた給料の安い警官や元警官などから暴行されることを避けていたところを『カンデラリア教会虐殺事件』により、仲間の8人が警察関係者に殺されたのです。この時サンドロは14歳でした。

バスジャック事件の驚くべき真実

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事件は収束に向かいます。全てサンドロが脚本した台本通りに客は動いていただけです。女性を人質にバスからおりますが、警察によって2人とも死亡します。

警察に対する恐怖感

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サンドロは『カンデラリア教会虐殺事件』で生き残った後、麻薬や強盗などで少年鑑別所へ何度も出入りするようになっていました。少年鑑別所は、8人用の部屋に30人を無理やり詰め込むような劣悪な環境で、看守からの日常的な暴力や賄賂などもありました。

サンドロが警察を一切信じず恐れるようになるのには十分の根拠があったのです。それから何年か経過してサンドロは21歳の青年へ成長していましたが、貧しさから抜け出してはいませんでした。

バスジャックをする気はなかった

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2006年6月12日、サンドロはリオデジャネイロの174路線を走るバスに乗車していましたが、いつものように拳銃を所持していたのです。しかし、それを見た乗客が驚いて警察に通報してしまいました。

自分が通報されたことに気づいたサンドロは、焦ってバスジャックを試み、バスを停止させ乗客を人質にして立てこもりました。バスの周囲は警察、メディア、やじ馬であっという間に埋め尽くされ、パニックになったサンドロは「自分はカンデラリア教会事件の生き残りだ!」と叫び散らしたのです。

何としても警察から逃げたい。もう刑務所には入りたくないという感情から出てしまった「カンデラリア教会事件」のことは、ブラジルでは知らない者がいないほど有名だったために、さらにメディアが騒ぎ始めました。

撃ち殺されたハズの女子大生は生存

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警察の交渉人がサンドロの要求を聞いてきますが、警察を一切信じていないサンドロとの話が噛み合うはずもなく、時間だけが過ぎていきました。

痺れを切らしたサンドロは、頭に布をかぶせて撃ち殺したはずの1人の人質の女子大生を盾にしてバスの外に出ることにしました。人で埋め尽くされたバスの周りに逃走経路を作ろうとしたのです。

やじ馬やメディアは「あの女子大生は生きている!殺害されていなかったの!?」「どういうこと!?」と驚きました。

「全員俺は殺さない」全て演技であった

Waiting Appointment Schedule - Free photo on Pixabay (643441)

サンドロは、銃でバスの乗客を脅して金をゆすり取ろうとしていただけだったのです。外野に向けて威嚇の発砲をし、人質の頭に銃を突き付けていましたが、人質たちには「誰も殺さないし、傷つけない」と告げていました。

それどころか「警察に捕まればきっと殺される」と、警察に強い不信感を抱くサンドロは、自分が引き起こしてしまった事態の恐怖におびえていたのです。 

タイムリミットの午後6時前に撃ち殺されていたはずの女子大学生には「100まで数えてから撃つが、お前を殺しはしない」と指示し、人質たちには「俺が撃ったら、みんなで悲鳴をあげるんだ。いいな?」と指示していました。人質たちは絶叫し、みんなで迫真の演技をしていたのです。

警察によりサンドロと女子大生は死亡

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サンドロが女子大生を盾にしてバスの外に出てきた頃、サンドロの後ろでは、警察の特殊部隊員が彼を取り押さえようとして、音を立てずにゆっくりと近づいていました。

確保まであと1mというところで、サンドロが隊員の存在に気付きます。すると、特殊部隊員は2発の銃を発砲しました。1発目ははずれ、2発目はなんと!人質の女性の顔に当たってしまったのです。

サンドロも、持っていた拳銃で3発発砲しましたが、女性の背中へ命中してしまい、その場で息を引き取ることになってしまいました。大勢の警察に取り押さえられたサンドロは、パトカーへ押し込まれ首を絞められ、刑務所に到着する前に窒息死してしまいました。

警察の過失

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サンドロは、たしかに劣悪な環境で生まれ育ち、そのまま変わらずに大人になり、まさかのバスジャックを起こしてしまうことになってしまいました。

1人の無関係な女子大生を巻き込んで殺害してしまい、あんなに忌み嫌い信用せず恐怖で怯えきっていた警察に捕まり、やっぱり殺害されてしまいました。

しかし、サンドロは「凶悪殺人者」などではなく、警察の方が粗野で凶悪にしか思われませんでした。しかも、この事件の一部始終はブラジルで生中継され、全世界に放送されることになってしまったのです。

女子大生への発砲

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犯人と至近距離だったとはいえ、やみくもに銃を発砲するのは「人質ごと犯人を殺害してしまってもかまわない」という指示があったか、そう思っていたからのこうとしか思われませんでした。

もし「自分の子供や身内が人質になっていたなら?」と考えると、発砲する人などいるはずはないでしょう。警察は「どちらもマレ地区の人間だ」という思いから「殺してしまってもかまわない」という判断で、確実に犯人に当てるヒットマンではない隊員が発砲することを許したのでしょう。

窒息死するほどの拘束

Suspects Criminals People - Free vector graphic on Pixabay (643449)

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