2019年9月4日 更新

虹の谷が物語る!エベレスト登頂の厳しさや近年の課題とは?

世界のヒマラヤ山脈の最高峰エベレスト。この山に挑む登山家は年々増える一方となっていますが、その中で虹の谷と呼ばれる場所が存在しているようです。素晴らしい景色であれば一度は見てみたいものですが、そのような場所ではないそうです。

目次

エベレストに慣れた方々でも、少しの過信から命を落とすことがあります。まして、エベレスト登頂未経験の方の慢心は死に直結するものとなっています。そのため、例え山頂を制しても、下山途中に死することは多いものとなっています。

また、エベレストの過酷な環境の中では、精神的に追い詰められる方も多く、エベレストの頂上を目指すということさえもプレッシャーとなり、それがもとで登頂を断念する方も多いようです。これは残念なことではありますが、生命としては懸命な判断と言えるでしょう。

虹の谷には多くの遺体が残されている

Mountaineering Climbers Storm - Free photo on Pixabay (603381)

これまでも述べましたが、エベレストには多くの遺体が何十年も残されたままとなっています。この遺体は通常であれば、回収されて然りですが、それが許されぬほどの環境のために、他の場所では有り得ない状況となっています。

エベレストの山頂を目指すことは、屍を越えていくことと同義であり、まるで過酷な戦場を連想させるような世界となっています。まして、亡骸が山頂を目指す上での指標となるほどであり、とても通常なモラルが存在しているとは言えません。

虹の谷に残された遺体の数

Mountain Alps Austria - Free photo on Pixabay (587875)

200は存在していると言われておりますが、この数は年々増加しており、またそれを調べるには困難な環境であることから、登山する人々の情報に頼らざるを得ないものとなっています。通常であれば、発見した方が、遺体回収を行うものではありますが、エベレストの環境ではそれが行われることはありません。

登頂の際に随所に横たわる亡骸を見たならば、慈愛の精神などではなく、自らもそうなるかもしれないという恐怖を味わうことしかできないのです。

遺体回収が進まない理由

Nepal Sunrise Mountains - Free photo on Pixabay (587874)

まず、8000メートル以上の世界では遺体回収そのものが不可能となっています。これまでも述べた通り、そのようなことが出来る余裕は登山者には存在しないのです。そして、それ以外の場所の遺体でも、200万から400万もの大金を使用してまで回収されることは殆どありません。

ですから、10人に1人は亡くなるというエベレストでの死者の数だけ、遺体が積み重なっていくのです。エベレストに挑むことは、そこを自らの墓とすることになるとも言えるのです。

遺体が亡くなったままの形を留める理由

Sunset Mountain Balance - Free photo on Pixabay (587873)

地上であれば、あらゆる生物によって分解される遺体でありますが、過酷なエベレスト山頂付近では、そのようなことはありません。加えて、凍結、あるいは乾燥によって、ミイラ化しているそうです。

このようなことから、亡くなった時の状況をそのままにして、遺体が何十年も残されているのです。登山する人々はその遺体を撮影しても、動かすことはなく、雪崩などの何かしらの出来事がない限り、そこに常にあり続けることとなります。

登山者の道標となる遺体も

Aoraki Mount Cook Mountain New - Free photo on Pixabay (587872)

インド人登山家のツワング・パルジャーさんの遺体は登山する人々の目印となっているようです。彼の遺体が身に付けている目立つ蛍光グリーンのブーツが、その場所をグリーンブーツ・ケーブといい占めるほどとなっています。

この他にも、それぞれ随所に並ぶ、遺体は登頂の困難さを示唆するものではありますが、同時に登頂の進み具合を把握する助けともなっており、登山者への助け、あるいは励ましとなっています。いつかこれらの遺体がなくなることがあるのでしょうか?

エベレストに潜む多くの危険

Hut Lake Oeschinen Bergsee - Free photo on Pixabay (587870)

エベレストの環境は時期によって大きく異なり、登山に適さない(元々人が登るようにはできていませんが)時期に登頂するなど自殺行為です。それでも、それを行う超人は存在しているようですが。

ただ、そのようなことを頭に入れて、最も適したときに、最善の装備を調えて登山すれば、頂きに至ることもできます。ですが、それとは別に、予期せぬ事態は起こり、熟練の登山家であろうとそれに巻き込まれれば命はありません。それらの危険をご紹介します。

雪崩

Nature Landscape Mountains - Free photo on Pixabay (587869)

雪崩。この現象がエベレストと言わず、多くの山において、登山家達の命を奪う原因となるものです。著名な日本人登山家の多くも、この雪崩が原因で命を落としています。ある程度は予期することもできるようですが、常にその可能性があることには変わりはありません。

それだけでなく雪崩は多くの人を一度に死に至らしめる可能性がある自然現象です。十数人がまとめて命を失うことも少なくはないのです。このことを考えると、登山する=死を覚悟するという気持ちは必要不可欠です。遺書なども残して置くべきでしょう。

滑落

Mountain Desert Landscape - Free photo on Pixabay (587868)

現代の装備を身に付け、細心の注意を払えば滑落することは少ないと言えるようですが、登山する中でのちょっとした気の緩みによるものや極限まで疲労した状態、あるいは体調不良などの判断能力が薄れるときに滑落というものは発生するようです。

中には既に死の間際で、死因は滑落ではあるものの、それがなくとも死していたであろう方も存在するようです。いずれんしても、雪崩のように全く予期できぬものではないとは言えるでしょう。

突然の天候悪化

Hintersee Bergsee Mountains - Free photo on Pixabay (587866)

天候悪化によって、その場を動くこともままならず、徐々に体力を奪われて死を迎える方もいらっしゃるようです。また、強風などの直接的な影響によって、滑落するということもあるようです。こちらもある程度予期できるもののようですが、そうもいかないことはあるようです。

ですから、運というものは少なからず、登山成功に影響を与えるものとなっています。また、登山をサポートして下さる現地の方々の推察などもしっかりと耳を傾ける必要があるでしょう。

低酸素状態による意識混濁

Utah Mountain Sky - Free photo on Pixabay (587865)

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