2019年7月19日 更新

口噛み酒は実在する?「君の名は。」で話題になった口噛み酒の作り方

太鼓の日本に実在していたと言われる口噛み酒。映画「君の名の。」の中の重要なシーンにも口噛み酒が使われていたのをきっかけに、再び注目をされました。この記事では口噛み酒の作り方から、その由来まで徹底的に深掘りしてお伝えします。

目次

口噛み酒は、現在販売及び製造はしていません。また醸造には、発酵作用に唾液を活用していることから、今後も販売はされることはないでしょう。

映画の風景描写で描かれて風景は、主に岐阜県飛騨市とされています。
その地域には、映画人気による聖地巡礼を行うファンなどがたくさん訪れることから、アニメとワンシーンで使われた、口噛み酒を溜めて奉納する「とっくり」をモチーフにした、商品が発売されていて人気があります。ですが中身はもちろん、日本酒を使用しています。

現在でも南米アマゾンなどで造られている

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日本国内では、口噛み酒を造酒しているところはありませんが、世界には口噛み酒を現在でも造酒方法として活用しています。

南米アマゾンでは、今でも口噛み酒が伝統的に続いています。そんな貴重な体験談を語っているのは、辺境探検家の高野秀行さんです。

日本人が立ち寄らなような国や辺境に足を運んで、実体験を元にしたエッセは人気があり、そこには口噛み酒を探しに、南米アマゾンまでいってきたという内容のものがあります。

果たしたどんな口噛み酒とは、どんな味だったのでしょうか......

製造してしまうと摘発される可能性

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映画のワンシーンで、妹の四葉が姉の三葉に東京行きの資金を貯めるために、口噛み酒を売ってみたらいいのでは?という軽いジョーダン言います。これに対して三葉は一度思い浮かべた後に「酒税法違反!」といって話を終わらせます。四葉から「そういう問題なの......」と最後にツッコミを入れられる面白いシーンでした。

そこで口噛み酒を製造すると酒税法違反として摘発されるかどうかですが、個人で造って楽しむのであれば問題はありませんが、それを製造して販売するとなれば酒類の販売や造酒の免許を持っていない場合は、酒税法違反していることになります。

しかし衛生上許可は販売の許可が降りることはないでしょう。

個人で楽しむ為の製造は可能

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もし口噛み酒を製造した場合は、密造酒になるのでしょうか?結論からいうと、個人で興味心で造る程度なら問題はないとされています。
ですがそれを他人のために製造したり、販売目的で口噛み酒を造酒すると、酒税法に引っかかります。

アニメのワンシーンにあるように、妹の四葉に、口噛み酒を売ってみてはの提案に、「酒税法違反!」とたしなめたシーンあるように、販売目的で造ってはいけません。もちろん衛生面を考えても、商品化は難しいでしょう。

君の名は。の口噛み酒が通販で購入可能

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口噛み酒は、物語の中でも大事な伏線として使われており、この映画をきっかけに「口噛み酒とは何?」と、お米を口に入れてかんでから、吐いて造酒する方法が話題になりました。

実際そんな方法で口噛み酒を販売しているところがあるのか、グーグルで検索してみるとヒットする商品があります。

ですが口噛み酒は現在の日本では販売されていないので、ほとんどがアニメ人気に便乗した商品で中身はただの日本酒などの普通お酒です。ただパッケージだけが、劇中のとっくりに似ているといったものです。

口噛み酒の作り方

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日本最古のお酒といわれる口噛み酒は、造酒方法に特別な道具などは必要ありません。
でんぷん質の穀物類と、それを吐き出して発酵させるためのビンがあればいいでしょう。

君の名は。物語の中で、神社の御神体に奉納するために口噛み酒が造られていました。
大ヒットした人気から、口噛み酒を作って飲んでみたいという人もいるのではないでしょうか。

でんぷん質を多く含む穀物などを炊く

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口噛み酒はでんぷん質を多く含む穀物を口の中に入れてかみ続けることで、唾液中のアミラーゼがでんぷん質を糖化させます。それを口の中から吐き出して溜めておくことで、野生酵母が糖を発酵させてアルコールに変わります。

手順は芋などのでんぷん質を含む穀物をお湯で煮て、芋をホカホカの状態にします、その後に口の中に含むのですが、口の中をきれいにするために、サトウキビをかむ習慣があるところが多いようです。沖縄地方でも、穀物を口の中に含む前に、サトウキビが実をかじると言い伝えられています。

口に含みよく噛んで唾液と混ぜる

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でんぷん質を糖化させるには、唾液腺から出る唾液アミラーゼという酵素が必要になります。
膵臓から分泌されるアミラーゼと違い、唾液アミラーゼは消化能力が低く、その働きはでんぷん質を消化させて、その甘みの味覚を楽しむためのものになります。

唾液アミラーゼは、よくかむことで分泌されるので、口噛み酒を造る場合は、口に含み何度もよくかまないといけません。

唾液アミラーゼ酵素だけでは、口の中ペースト状になるまでが限界らしく、映画のワンシーンの様に、三葉が吐き出した口噛み酒のように、サラサラの液体状にはならないといいます。

10分ほど噛み続けて液体状態にする

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口噛み酒として発酵させるまで必要な唾液アミラーゼを出すには、10分ほどはかみ続ける事が必要です。

口から何度も出してもいいので、根気よく繰り返す必要があります。次第にサラサラの液体状まではいかなくてもある程度の、液体状態にするまでかみ続けるのが好ましいといわれています。

一人の人間が口噛み酒を造れる量は、多くはありません。実際に口噛み酒を造るときは、かみすぎであごを痛めないように、無理をしないよいうにしましょう。

壷や容器に吐き出す

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かみ終わったらそのまま、壺や容器に吐き出します。実際に口から吐き出すのを見るのは、グロテクスな光景です。気分が悪くなりそうだと思う場合は、実際に口から吐き出すときは、目を背けた方がいいでしょう。

ある程度の量が溜まったら、後は野生酵母が糖を自然発酵してアルコールが生成されるのを待つのみです。

映画では、口噛み酒の原料として炊いた米が使われていました、原料を煮炊きにしたりすることで、糖化がしやすくなります。
また地域によっては酸敗させた後で、口に入れて噛む製法もあるといいます。

壷や容器を吐き出したものでいっぱいにする

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