2019年3月12日 更新

日本人にもアルビノが?アルビノの人の特徴と割合は?

今回はアルビノに関する概要や症状、アルビノが置かれている状況に関してご紹介します。アニメキャラクターや映画・漫画などから、アルビノに興味を持ち概要を知りたい人、アルビノという神秘的な存在に魅かれ詳しく知りたい人も必見です。

死の病ではない

Worried Girl Woman Waiting - Free photo on Pixabay (98804)

メラニン色素が生まれつき少ない、あるいは全くないことで紫外線に弱いということはありますが、それがすぐに死につながるわけではありません。日常生活の中で紫外線の蓄積により、皮膚がんになりやすいという傾向はありますが、アルビノの人に限らず皮膚がんになる人は日本人で年間100万人当たり約10~20人いるそうです。アルビノ=死の病ではありません。

ただし、チェディアック・東症候群(CHS)などで免疫不全があるアルビノの場合は、呼吸器感染症などに感染し死亡するリスクが高いとされています。

後天性白皮症

Dove Winter Hungry - Free photo on Pixabay (98806)

後天性白皮症(尋常性白斑)とは、皮膚の基底層に散らばっているメラニンを生成する細胞(メラノサイト)が何らかの理由で減少・消失する後天性の病気のことをいいます。症状としては、皮膚の色が白く抜けていき、白い部分と黒い部分がまだら状態になります。これは、紫外線から皮膚を守るためにメラニン色素を生成するメラノサイトが減少・消失するためと言われています。

白斑は顔や手など、発生する場所によっては社会生活の妨げになる場合もあるため、見た目で悩みを抱える人も多く白斑を目立たなくするメイクなどが日々進化しているそうです。

日本人の尋常性白斑の患者数は約100万人と言われ、決して少なくはなく、男女関係なく発症する病気と言われています。

子供への遺伝

Newborn Kid Newburn - Free photo on Pixabay (98809)

アルビノの遺伝子の変異は基本的には先祖代々受け継がれてきたものと言われています。しかもこの変異ははるか昔から受け継がれてきたもので、人類全体が共有しているものであるため、特定の家系の問題ではありません。

そのため遺伝子の変異を片方受け継いでいる人というのは日本人の中でも決して少なくはありません。また、遺伝子の突然変異もありえるので、自分の家族や親戚にアルビノの人がいなくても、遺伝子の変異を片方受け継いでいる人同士が結婚することで子供へ遺伝したり、突然変異でアルビノとして生まれてくることは誰にでもありえるのです。

モデルとして活躍

Blond Blonde Girl - Free photo on Pixabay (98822)

アルビノとしての外見を生かしモデルとして活躍する人もいます。ロシアのモスクワ出身でナスチャ・クロマヴァという名前で活動するアルビノの女性もその1人です。エルフの女王と呼ばれる彼女の美しさは雪のように白く儚げで神秘的、17歳から雑誌VOGUのモデルとして注目を集めています。

そんな、ナスチャさんは日本のアニメやコスプレが大好きで、彼女がモデルになったきっかけは、元カレが彼女の写真をモデル事務所に見せたことだそうです。

彼女自身は人と話すことが大好きで、いろいろな所に出かけるきっかけにもなるため、モデルの仕事をしているとのことで前向きで魅力的な女性です。子供のころは他人より目立ったため、いじめを受けたこともあったそうですが、その分周囲の人があまり好きではなかったコスプレやアニメにも親しみを持てたと話しています。

2,000人に1人

Face Black Child - Free photo on Pixabay (98830)

アルビノはどの人種にも起こりえる遺伝子の疾患で、世界では2万人に1人の割合で存在するとされています。しかし、タンザニアなどのアフリカ東部ではアルビノの発症率が高く、その割合は2000人に1人と言われています。

これは、もともとアフリカが部族社会であったこと、それにより外部との交流が少なく、またアルビノに対する正しい知識がないことからアルビノを迫害し、迫害を受け孤立したアルビノ同士での結婚が多いことが理由とされています。

人身売買

Businessman Crisis Rain - Free photo on Pixabay (98835)

アルビノの発症率が高いタンザニアでは「アルビノの体の一部を手に入れると幸せになれる」という言い伝えがあります。

タンザニアを含むアフリカ各地では呪術師による伝統的な占いやアドバイスなどを心の拠り所にする人がいて、その呪術師たちの中にはいまだにアルビノの体は幸運や奇跡を招いたり、繁栄をもたらす薬と考える者がいるのです。

そして、権力や富のある富裕層はそういった迷信を信じて呪術にお金をかけるため、呪術師が人を雇ってアルビノを襲撃させ人身売買するブラックマーケットまで存在するのです。

襲撃事件

Knife Stabbing Stab - Free photo on Pixabay (98837)

アフリカ28か国では、過去10年間にアルビノの襲撃事件が約700件報告されています。その中でも、タンザニアでは2008年以降62人のアルビノが殺害され、16人が襲撃され手足を切断され、12人の遺体が掘り出され解体されるという痛ましい事件が起きています。

アルビノの骨や体毛、皮膚などから薬を調合したり、お守りにするためにブラックマーケットで売買されるケースが後を絶ちません。さらにアルビノにとって恐怖なのは、アルビノとの性交渉でエイズが治るという迷信です。アフリカのアルビノ達はこうした暴力や危険に常に身をさらされながら、生活しているのです。

アルビノの苦労

Girl Sadness Loneliness - Free photo on Pixabay (98839)

アルビノであるがゆえの苦労もあります。

日焼け

Hat Straw Sun Protection - Free photo on Pixabay (98845)

アルビノによってはメラニン色素が少ない人もいればまったくない人もいます。個人差があるので、日焼けするとすぐに火傷になってしまう人もいればすぐにはならない人もいるようです。

学生時代は屋外での体育やプールの授業はほとんど見学だったり、夏休みにみんなと一緒に海やプールに行けなかったり、帽子や長袖を身に着けてなるべく日陰を歩いて屋内施設で過ごすなど、日常生活のなかで日焼けに注意しなければならない場面が多いようです。

アルビノ=美しい

Beautiful Woman Magnolias Magnolia - Free photo on Pixabay (98848)

「美しい」という評価をされることに対して、アルビノの人の中にはいろいろな捉え方があり、当然ですが嬉しい人もいれば、嫌な人もいるようです。

透き通るような白い肌に、白や銀色の髪の毛と、日本人の中でも白人に対する憧れや美意識を持つ人達にとってアルビノは羨ましい存在なのかもしれませんが、アルビノの中にはその外見的特徴から差別を受けた経験がある人もいるため、そういった人達が複雑な気持ちになるのも理解できる話です。

3 / 5

関連する記事 こんな記事も人気です♪