2019年3月12日 更新

日本人にもアルビノが?アルビノの人の特徴と割合は?

今回はアルビノに関する概要や症状、アルビノが置かれている状況に関してご紹介します。アニメキャラクターや映画・漫画などから、アルビノに興味を持ち概要を知りたい人、アルビノという神秘的な存在に魅かれ詳しく知りたい人も必見です。

視覚障害

Cat Glasses Eyewear - Free photo on Pixabay (98742)

アルビノは目の構造上に問題を抱えており、眼球内部の脈絡膜・網膜色素上皮にメラニン色素が欠乏しているため、網膜上で光の受容が十分に行えず、視力が弱い(弱視)人が多いと言われています。

また、虹彩に色素が少ない(全くない)ため遮光性が不十分で、光を浴びた時非常にまぶしく感じる(羞明=シュウメイ)ということもあるそうです。

一般に、メラニン色素の多い人ほど視覚症状は軽いと言われていますが、アルビノによっては弱視や羞明に併せて眼振(自分の意志とは関係なく眼球が動く現象)、斜視(片方の目は視線が正しい方向に向いているが、もう片方の目は内側や外側、あるいは上下に向いている)、乱視、近視、遠視などを抱えている人もいるようです。

紫外線に弱い

Sunglasses Hat Coneflower Sun - Free photo on Pixabay (98743)

アルビノの人にはメラニン色素が全くないタイプとある程度あるタイプの人がいます。そのため、頻繁に日焼けを起こすような屋外活動でなければ、外出などを楽しむことができます。

ただし、紫外線に弱いことに変わりはないので、メラニンの量や紫外線の強さを考慮して、日焼け止めを外用したり、帽子やサングラス、洋服などで紫外線対策を行う必要があります。   

長年紫外線を浴び続けると、日光角化症(有きょく細胞ガンという皮膚ガンのごく早期の病変)を生じやすいと言われているので、注意が必要なのです。

日本人のアルビノへの偏見

Mystical Portrait Of A Girl Eyes - Free photo on Pixabay (98745)

アルビノが苦しむ偏見について見ていきたいと思います。

移る病気

Woman Desperate Sad - Free photo on Pixabay (98748)

アメリカの哲学者エマーソンは『恐怖は常に、無知から生まれる。知識は恐怖の解毒剤である。』と言っています。その言葉の通り、人は自分が知らない物事に対して偏見を持ち恐怖から遠ざけようとするところがあります。

昔の日本ではアルビノのことを白子などと呼び、移る病気という偏見を持って、人の目に触れないよう座敷牢などに閉じ込めてしまうこともあったようです。

寿命が短い

Hands Open Candle - Free photo on Pixabay (98751)

アルビノの人は生まれつき紫外線に弱いという特徴はありますが、生まれ持った体自体が病弱というわけではありません。ただし、血が止まりにくいヘルマンスキー・プドラック症候群(HPS)、免疫不全を引き起こすチェディアック・東症候群(CHS)、免疫不全や筋力低下・運動神経発達障害・精神発達障害を引き起こすグリシェ症候群(GS)の合併症として白皮症(アルビニズム)を伴う人もいます。

そのため、血が止まりにくいHPSのアルビノは、40歳以上になると間質性肺炎や肉芽腫性大腸炎などを発症しやすくなると言われています。とくに間質性肺炎は、肺胞の壁に炎症が起こって線維化が進み、ガス交換が上手に出来なくなるため予後に大きくかかわる疾患とされています。またCHSで免疫不全があるアルビノの場合は、感染症を起こしやすいため、子供の頃に骨髄移植をして免疫機能の改善をする場合もあるそうです。

このようにアルビノが個々に抱えている症状によっては予後不良の場合もありますが、必ずしも寿命が短いというわけではありません。

知的障害

Baby Boy Smiling - Free photo on Pixabay (98752)

アルビノになる原因はメラニン色素に関する遺伝子(常染色体)の異常と言われています。一方、知的障害にも遺伝子異常が原因のものがありますが、今のところ因果関係は解明されていないようです。

弱視によって目が見えずらいことから、コミュニケーションをスムーズにとりづらかったり、斜視であったり、視線が一定の方向に定まらない眼振という状態から知的障害があると勘違いされることもあるのかもしれません。いずれにせよ、アルビノ=知的障害があるというのは根拠のない偏見です。

ただし、先ほど寿命の部分で説明しましたが、グリシェ症候群を伴うアルビノの場合には精神発達障害を引き起こす場合があるそうです。

女性のアルビノは遺伝する

Young Girl Rose Woman - Free photo on Pixabay (98755)

アルビノの原因は常染色体劣性遺伝と言われています。つまり原因となる遺伝子の変異を受け継いでいる人が両親で、しかもその両方から遺伝子の変異を受け継いでいないとアルビノにはならないのです。

ですから、両親のうち片方がこの変異を遺伝子に持っていて、片方が持っていない場合はアルビノにはならないということですね。なので女性のアルビノ特有に遺伝するのではなく、常染色体の異常を両親から受け継ぐと男女関係なくアルビノになるということです。

就職に不利

Conference Room Table Office - Free photo on Pixabay (98769)

アルビノの人はメラニン色素が少ない、あるいはまったくないことから髪の毛の色が白から茶褐色、銀色などになります。

最近では髪を染める人も増えたため、こういった色に対して日本人の中でも抵抗は薄れてきてはいるものの、就職活動の場では依然として髪の毛の色に関して問題になることが多いようです。

企業側も髪が地毛であることに理解は示しても入社したら「染めろ」という風潮は未だに強く、日本人社会全体にアルビノの存在が認知されているわけではないため、取引先などで先天性の病気であることをいちいち説明するのが面倒だからというのが理由だそうです。

アルビノの実情

Winters Woman Look - Free photo on Pixabay (98785)

次はアルビノが置かれている実情について見て行きましょう。

移る病気ではない

Vintage 1950S Pretty Woman - Free photo on Pixabay (98803)

アルビノは遺伝子の異常や変異が原因ですから移る病気ではありません。紫外線に気を付ける必要はありますが、友達と食事をしたり、家族と出かけたり、仕事をしたりと、私たちと同じように日常生活を営んでいます。

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