2019年6月12日 更新

石狩沼田幌新事件の詳細!熊襲撃事件全容や被害状況と事件の原因とは

石狩沼田幌新事件をご存知ですか?この事件は日本三大獣害事件の一つです。この記事では事件の詳細や事件の原因、射殺されたヒグマについて解説しています。日本三大獣害事件やその他の熊襲撃事件についてもまとめてみました。熊に遭遇した場合の対処法も紹介しています。

討伐隊の一斉射撃により絶命したヒグマについて情報をまとめてみました。ヒグマはどれぐらいの大きさだったのでしょうか。また、このヒグマが取った行動をもとにヒグマの性質や習性なども探ってみました。

ヒグマの大きさ

Measurement Millimeter Centimeter - Free photo on Pixabay (366577)

射殺されたヒグマは、オスの成獣で、体長が2メートルあり、体重は340キロでした。このヒグマを解剖した結果、胃の中からはザル一杯分の人骨と、消化しきれていない人間の指が一本出てきたと言われています。

ヒグマはホッキョクグマと並んでクマ科の中では最大の体長を誇ります。オスの成獣は体長2.5~3メートル、体重は250~500キロに達すると言われています。

この事件を起こしたヒグマも体重が340キロもあったので、非常に大きかったことが分かります。

ヒグマの性質

European Brown Bear Wild Animal - Free photo on Pixabay (366468)

この事件を起こしたヒグマが保存食として隠しておいた馬の死体を奪われると勘違いして人間を襲ったことから、ヒグマは一度手に入れた獲物に対する執着心がとても強いのが伺えます。

その他にも、撲殺した幸次郎の肉を食べたこのヒグマが、その後も執拗に人間を狙って農家に侵入し、ウメを攫って食べていたことから、ヒグマは一度人間を食べてその味を覚えてしまうと、それからも食べることを目的として人間を襲うようになることが分かりました。

石狩沼田幌新事件のその後と現在

Wintertime Clock Time Conversion - Free photo on Pixabay (366637)

この事件は加害ヒグマが射殺されたことにより幕を閉じましたが、射殺されたヒグマがその後どうなったのか、気になるのではないでしょうか。また、事件現場が開拓地だったことから、その後どのような発展を見せたのか気になる人もいるのではないでしょうか。

北海道の開拓はとても厳しいものでした。昭和時代の開拓民でさえ、縄文時代さながらの暮らしを強いられていましたから、大正時代の開拓民の暮らしは相当厳しかったのではないでしょうか。

悠然と広がる原生林とそこに生息するヒグマとの闘いに明け暮れながら、沼田町はどのような発展を見せたのでしょうか。そして、事件現場の幌新地区は現在どうなっているのでしょうか。

ヒグマの毛皮が展示される

Bear Grizzly - Free photo on Pixabay (366634)

事件の後、解剖されたヒグマの皮はなめされて保存処置が行われました。幌新小学校でずっと保存されていましたが、昭和42年に幌新小学校が廃校になったために、幌新会館に移されました。

その後は沼田町ふるさと資料館で展示されていましたが、資料館の老朽化が進み、休館状態となったため、現在はふるさと資料館分館に移されて展示されています。説明文には体重が340キロと書かれており、毛皮は体表の毛が剥がれ落ちている部分もあり、少し傷んでいるようです。

北海道の苫前町にある苫前町郷土資料館には、日本最大と言われるヒグマ「北海太郎」の剥製が展示されています。オスの成獣で、体重は500キロ、後ろ足の長さは27センチです。日本最大と言われるだけあって、とんでもない大きさです。

幌新の現在

Maple Wood The Leaves - Free photo on Pixabay (366641)

沼田町は現在、北海道の米所と言われていますが、事件の後には炭鉱の町としても栄えました。事件の現場となった幌新太刀別川上流部で、炭鉱が開発され、それに伴い、山中に人口2000人以上の小都市が生まれたのです。

恵比島駅を基点とする留萠本線の支線・留萠鉄道も開通しました。しかし、昭和40年代の炭鉱の閉山により、炭鉱によって栄えた小都市はゴーストタウンと化してしまいます。

留萠鉄道もまた1969年に鉄道路線を休止し、1971年に正式に廃止されました。現在では幌新ダム貯水池になっています。

日本三大獣害事件

Bear Mountain Hokkaido Sahoro - Free photo on Pixabay (366475)

石狩沼田幌新事件は、三毛別羆事件と十和利山熊襲撃事件とともに日本三大獣害事件と呼ばれています。クマによる獣害事件はたくさん起こっていますが、その中でも特に被害の大きかった三つの事件です。

日本史上最悪の獣害事件である「三毛別羆事件」は、日本三大獣害事件の中でも別格扱いされています。その残忍で恐ろしい被害は、映画やドラマや小説など、さまざまな作品の題材にもなりました。

十和利山熊襲撃事件は比較的最近起こった事件です。この事件が起こるまでは、札幌丘珠事件が日本三大獣害事件の一つとされていました。日本中を震撼させた日本三大獣害事件はどのような事件だったのでしょうか。まとめてみましたので、見ていきましょう。

石狩沼田幌新事件

Bear Brown Animal - Free photo on Pixabay (366644)

すでに紹介した石狩沼田幌新事件は、日本で起こったクマによる獣害事件の中で、二番目に大きな被害を出した事件です。村田兄弟、兄弟の母のウメ、長江政太郎、上野由松の5名が死亡し、林謙三郎、村田三太郎、折笠徳治の3名が重傷を負いました。

この事件の被害について、死者4名、重傷者4名とされることがありますが、それは、ヒグマが討ち取られた時、村田兄弟の兄・由郎がまだ生きていたからです。由郎は後日亡くなりましたが、由郎の死をクマが原因とするか否かで意見が分かれているようです。

三毛別羆事件

Bear Brown Animal - Free photo on Pixabay (366651)

日本史上最大の被害を出した三毛別羆事件は、石狩沼田幌新事件の8年前の大正4年12月に、幌新地区より北に30キロほど行ったところにある苫前村三毛別六線沢で起こりました。

この事件を起こしたエゾヒグマは11月から何度も姿を現しており、仕留めようとした猟師(マタギ)の銃弾を一度受けていますが、致命傷には至りませんでした。この後に起こった惨劇を思えば、もしこの時点で討ち取ることができていればと誰もが考えたことでしょう。

この後、エゾヒグマは数度にわたり民家を襲いました。その結果、開拓民7名が死亡し、3名が重傷を負いました。死亡した者の中には妊婦もいましたが、胎児の命乞いをするもその声は届かず、上半身から食べられたと言われています。

十和利山熊襲撃事件

Bear Bruno Nature - Free photo on Pixabay (366649)

平成28年5月から6月にかけて起こった十和利山熊襲撃事件は、日本史上3番目となる大きな被害を出しました。事件は秋田県鹿角市で起こっており、本州で起こった事件としては史上最悪の獣害事件と言われています。

襲われたのはいずれも十和利山でタケノコ採りをしていた人でした。5月20日に地元の男性が行方不明となり、翌日遺体で発見されました。同じ日に60代の女性もツキノワグマに腕を噛まれ、爪傷を受けています。

5月22日には秋田市在住の夫婦が襲われ、妻は助かりましたが、夫は数時間後に遺体で発見されました。5月25日には十和田市の男性が行方不明になり、30日に遺体で発見されています。

5月29日にはタケノコ採りをしていた親子が襲われ、母親がお尻を嚙まれて負傷しました。6月7日には十和田市の女性が行方不明になり、10日に遺体で発見されています。見つかった遺体にはいずれも咬み傷や爪傷がありました。

日本や海外の熊襲撃事件

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