2019年10月2日 更新

つくば母子殺人事件とは?事件発生の経緯や犯人についても

1994年、母親と2人の子供が殺害され遺体が遺棄されるという凄惨な事件が起きました。犯人は誰だったのか、目的は何だったのか、単独犯なのか複数犯なのか、残された俵結びの謎とは…。当時の報道の問題点も含めて解説していきます。

目次

口論の中で映子さんは離婚の条件を提示しています。それはとても非現実的な内容でした。多額の借金を抱えている野本に慰謝料を1億円、養育費を月100万円請求すると言ったのです。

それに加えて、映子さんが働いて返済している野本の借金も、当然ですが自分で返済するよう要求しました。これは野本にとって実現不可能な内容に思えたことでしょう。

この無理な要求が野本を精神的に追い詰めたのかもしれません。この後野本は映子さんを殺害しています。

子供を哀れに思い殺害した

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映子さんを口論の末に殺害した野本ですが、眠っている子供たちを手に掛けたことについては次のように供述しています。

「母親が殺害され、父親が殺人犯ではかわいそうだと思い殺害した」と同情し、殺害に至ったとのことです。子供たちにはしばらく添い寝をしていたとも言っています。

1歳と2歳という、まだまだ楽しいことも嬉しいこともたくさん知っていける年齢の子供たちを殺害するには、あまりにも身勝手な理由と言わざるを得ません。

最初は自首を考えていた

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野本は殺害直後、自首か自殺することを考えていたと語っています。しかし出勤時間が迫っていたことなどから、遺体をそのままの状態で自宅に放置し仕事に向かいました。

時間が経過して冷静になると、自首することよりも他に犯人がいるように見せかける方が良いと判断したのでしょう。10月31日に、3人の遺体を運河に遺棄するのです。

このように自分の犯行ではないと偽装した野本でしたが、証拠がそろい逃げられない状態になると捜査に協力的になったということです。

被害者・野本映子さんが綴っていた日記の内容

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映子さんは殺害されるまでの2年以上、結婚生活を日記に綴っていました。おそらくその日記を書き始めたころはお腹に長女の愛美ちゃんがいて、幸せな気持ちで書き始めたのでしょう。

女性にだらしないとわかっていて結婚したとはいえ、結婚し子供が生まれれば野本も変わってくれるかもしれないと夢を描いていたのかもしれません。

しかし日記の内容は、月日がたつごとに悲惨な内容になっていきます。これは警察でも重要な証拠として扱われたに違いありません。

入籍当時は幸せな内容だった

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入籍当初は野本も浮気を公にすることなく家庭を築いていたのでしょう、日記の内容も幸せそのものでした。長女の愛美ちゃんが誕生し、家族3人で暮らしていることに満ち足りた気持ちでいたようです。

翌年に長男の優作ちゃんが誕生していることから考えても入籍して1年程度は夫婦関係は崩壊しておらず、借金問題や女性問題に映子さんが精神的に追い詰められるということもなかったと考えられます。しかし優作ちゃん誕生後は、夫婦関係は破たんの一途を辿るのです。

夫婦の暮らしぶりについて

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野本との生活が破たんしてきたのは、やはり借金と女性問題のせいでした。野本はただでさえ多忙な医師という職業につきながら常に映子さん以外の女性と関係を持っていて、自宅にいる時間は普通の夫よりもだいぶ少なかったことでしょう。

また年収1300~1500万という高収入ながら、投資の失敗や女性への貢ぐ生活で借金は膨らみ、利子の返済で精一杯の野本は家庭にお金を入れていませんでした。

映子さんは野本に文句を言いながらも、家計を支えるために昼は事務員、夜はランジェリーパブで働くというハードな生活を送っていたのです。

浮気について

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結婚前に映子さんと交際している時も別に交際している女性がいた野本ですが、その習慣は結婚しても変わることはありませんでした。

入籍直後は一時自粛していたようですが、1ヶ月後には浮気を再開しています。映子さんはそんな野本の常習的な浮気に、とても苦しんでいたようです。

苦しんでいたのは、映子さんの中に野本を愛する気持ちが残っていたからでしょう。離婚の条件を難しいものにしたのも、本当は自分だけを見てほしいという気持ちが強かったのかもしれません。

偏向報道を行うマスコミに対しての声

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この「つくば母子殺人事件」は犯人である野本の身勝手な生き様が原因となった事件ですが、当時のマスコミは真実を捻じ曲げて報道していました。

被害者である妻・映子さんが借金返済のために勤めていたランジェリーパブの情報だけを前面に押し出し、「性に自由な女」という印象操作を行っていたと言っても過言ではありません。

このような偏った報道に対し、世間の人たちはどのような印象を抱いたのでしょうか。いくつか例を紹介します。

1、奥さんもガラクタの中古品

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妻・映子さんが2度目の結婚であったこと、最終学歴が高卒であったことも繰り返し報道されていたため「ガラクタ」「中古品」という印象を持った人もいたようです。

本来医者であれば、医者の娘やいいところのお嬢さんと結婚できたであろうに、バツイチの平凡な事務員と結婚したことでこのような事件を引き起こすことになってしまったのではないかという見方です。

しかしどのような相手と結婚しても野本の浪費癖は変わらないでしょうし、結婚歴も学歴も殺害される理由にはなりません。

2、写真の公開はやりすぎ

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映子さんがランジェリーパブで働いていたことばかりがフューチャーされていたことは紹介しましたが、当時はランジェリーパブでの写真も公開されていたそうです。

パブに行ったことのあるお客さんはもちろん、映子さんに関わりがあった人たちのほぼ全員がその写真を目にしたことでしょう。それは映子さんの望むところではなかったはずです。

プライバシーの侵害以外のなにものでもないこの報道は、見ている人たちも「やりすぎ」と思ったに違いありません。

3、弱いものいじめ

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