2019年7月13日 更新

ひかりごけ事件の詳細と判決は?なぜ船長は食人を行ったのか?

この記事では、日本で唯一裁かれた食人事件「ひかりごけ事件」は、なぜ起こってしまったのか、ひかりごけ事件の内容や実際に世界で起きた残忍な食人事件など、カニバリズム(共食い)に関する事件について、いくつかご紹介していきます。

目次

「サイカイ武田泰淳」は、2009年12月に出版された本で、小説家武田泰淳が制作した、ひかりごけの真相を追って、制作されたものになります。

1979年に著者武田泰淳作のひかりごけの真相を追って、北海道に出向いた伊藤博子が、30年経ってから論文と当時の回想などを交えて事件の本質を独自の目線で読み解いたものになります。

その他にも伊藤裕子は、「異形の者」や「審判」、「蝮のすえ」という武田泰淳の初期の名作に、俳句を論じた5つの作品論などもあるようだ。

映画「ひかりごけ」

Cinema Hall Film - Free photo on Pixabay (405875)

映画「ひかりごけ」は太平洋戦争中、北海道で実際に起った食人事件をモチーフに描かれた武田泰淳の同名小説を映画化したものになります。

1992年に制作された映画「ひかりごけ」は、「式部物語」で有名な熊井啓が監督を担当しており、この映画は共同脚本の為監督の熊井啓と池田太郎が脚本担当でした。撮影は、栃沢正夫がそれぞれ担当しています。

映画キャストも豪華なメンバーで、船長役に三國連太郎や船員役に奥田瑛二、田中邦衛、杉本哲太などが出演しています。

食人=カニバリズムとは?

Meat Butcher Display - Free photo on Pixabay (405986)

食人=カニバリズムとは、人間が人間の肉を食べるという行為、あるいは習慣を指している言葉であり、食人や人肉嗜食、食人俗などともいう。

一般的に飢餓によって、緊急的に人を食べてしまう場合や、精神異常により行った食人行為などは、カニバリズムに含まれません。

人間が人間の肉を食べるというカニバリズム(共食い)は、自然界では良く見られる現象で、多くの動物が共食いをしており、地球規模で考えるとそれほど珍しいものではありません。実際、昔から食人行為はいくつか発見されています。

人肉の味

Spices Flavorings Seasoning - Free photo on Pixabay (406080)

人肉の「味」について、実際に20年前ニューギニアの未開にいる、昔首刈りをして人肉を食べていた部族にインタビューした番組が放送されていた。

その放送の中で、インタビューを受けた人は人肉の味について聞かれると「ちょうど豚肉に近い味、脂の乗り具合も似ている」と答えており、今では政府が首刈りを禁止している為、20年近く人肉を食べていないと語っていたそうです。

他にも第一次世界大戦中にアメリカやドイツでソーセージの肉として、人間の肉を売りさばいていた事もあると言います。買った人は、味の変化に気づかず食べていたそうで、不味いという訳ではないようです。また、戦争に行った人の記録では、人間の肉は筋がとても多いので食べにくいものだが、牛と豚の中間くらいの味だったとも書かれていたそうです。

クールー病

Dna String Biology - Free image on Pixabay (406121)

クールー病とは、パプアニューギニアの風土病であり治療不能で、神経の変性をもたらす、伝達性海綿状脳症(別名プリオン病)の一種で人のプリオン(タンパク質からなる感染性因子)が原因で引き起こされる病です。

クールー病の感染源については、フォレ族(パプアニューギニアに住んでいる少数民族)には、葬儀の際に遺体を食す習慣があることが指摘されています。

この病気になると、症状は神経的なものと生理的なものが現れると言われており、潜伏期間は5年から20年とされ、治療不能な為に発症すると必ず死に至ってしまう病とされています。

エンドカニバリズム

Hipster Goth Grunge - Free photo on Pixabay (406145)

カニバリズムには、大きく分けると2つのカテゴリーに分かれ、1つがエンドカニバリズム(内食人)と呼ばれている食人行為です。

部族や家族内に死者が出ると、死者に敬意を表すために行う食人です。先程お話した、パプアニューギニアに住む少数民族のフォレ族もこれを行っており、死者を弔う為の儀式に、部族や家族内で亡くなった者の遺体を葬儀の際に食すことが、エンドカニバリズム(内食人)と言われている食人行為になります。

エクソカニバリズム

Still Life Wine Bottle - Free image on Pixabay (406177)

もう1つのカニバリズムは、エクソカニバリズム(外食人)と呼ばれています。殺人を犯したり、敵を威圧する目的に外部の人間を食す行為をエクソカニバリズムと言います。

世界の中では、現在も行われていて、シリアの反政府軍司令官が敵兵士の内蔵を食べた事件や2014年に、中央アフリカ共和国のマッド・ドッグという男が、殺された家族の復讐に犯人を殺害し、その足を食べたという事件も発生しています。
また、この男がいた地域には、「敵の肉を食べることで大きな力を授かる」という信仰があるそうです。

本当にあったカニバリズム事件

Forest Hack Blade - Free photo on Pixabay (406257)

地球上では、カニバリズム(共食い)は珍しい事ではありません。ただし、人間同士の中ではとても恐ろしい行為だとされています。

北海道のひかりごけ事件のように、極限状態に陥り人間の遺体を食べてしまうカニバリズム事件のように飢餓からくるものもあれば、ただ食べたいという欲求だけで人間を殺し食べる恐ろしい事件などもあります。

ここでは、過去に実際にあったカニバリズム事件について、いくつかご紹介していきます。

パリ人肉事件

Eiffel Tower Long Exposure Lights - Free photo on Pixabay (407200)

1977年にフランスの首都パリに留学していた日本人留学生の佐川一政(当時32歳)は、1981年6月11日にオランダ人の女性留学生(当時25歳)を自宅に呼び、背後からカービン銃で射殺しました。

佐川一政は、殺したオランダ人の女性の衣服を脱がせ、屍姦した後に遺体の一部を生で食べて、解体した遺体を撮影し、フライパンで調理して食べたのです。

そして、6月13日残った遺体をスーツケースに詰め、ブローニュ森にある池に遺棄しようとしたところを人に目撃され、逃亡しましたが、目撃者が遺体を見つけ、すぐに警察に通報したことにより2日後逮捕されました。
Doctor Tomograph I Am A Student - Free photo on Pixabay (407234)

ところが、取り調べの中で佐川一政は「昔に腹膜炎を起こしたことがある」と答えたのですが、通訳が間違えて「脳膜炎」と誤訳したことにより、精神鑑定の結果が心神喪失状態からの犯行だと不起訴処分となってしまいました。

日本の精神病院に入院し退院後、出版した書籍が大ヒットし、作家やコメンテーターとして公に姿を見せていたが佐川一正ですが、「また人肉を食べたい」と発言していたそうです。

2010年に脳梗塞で倒れてからは、歩行困難となり実弟に介護してもらいつつ、年金と生活保護で暮らしていると2015年に報じられていました。

小笠原事件

Soldier Uniform Army - Free photo on Pixabay (407252)

小笠原事件は、1945年2に小笠原諸島父島で、日本の陸海軍高級幹部達がアメリカ軍航空部隊捕虜8名を処刑して、5名の遺体を解体し、人肉を嗜食した事件です。

処刑した捕虜の遺体を、大隊附軍医に解剖させ摘出した肝臓等を嗜食していたといいます。そして、同月新しく捕虜となった2名の内1名を、処刑し嗜食したのです。その時の様子を後に証言している人によれば、米兵の人肉や内臓を食べた立花旅団長は「これは、美味いお代わりだ」と喜んで食べていたといいます。

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