2019年3月13日 更新

電気椅子での死刑の仕組みは?「グリーンマイル」の失敗シーンも解説

映画「グリーンマイル」を知っていますか?電気椅子での死刑執行の方法や死刑を受ける被告人の心理描写が詳細に描かれている作品です。スポンジに水を含ませることなく行った死刑が衝撃を受けます。エジソンとの関係や電気椅子に流れる電圧や仕組みを紹介していきます。

日本は刑法11条で絞首刑の方法で執行されます。絞首刑の設備を持つ刑場は全国で7か所です。札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡拘置所にあります。

日本の死刑「絞首刑」とは

Hanging Rope Hangman - Free vector graphic on Pixabay (93439)

刑法11条1項で「死刑は、刑事施設内において、絞首して執行する。」と定めた規定があります。

絞首刑は、首を絞めて死をもたらす執行方法です。首に縄をかけ足元の板が開き落下します。自身の体重で首が締まり医官が確認し、心音が停止するまで吊るし続けられます。

絞首刑は一瞬で意識を失い最も苦痛の少ない方法と言われています。

絞首刑の流れ

Gallows Hang Penalty Capital - Free photo on Pixabay (93444)

死刑執行日は誰にも伝えられません。死刑執行日は土日には行われなず死刑囚に面会が許される人はいますが、死刑囚に会いに来る人は少ないです。

死刑執行日当日、独居房から出たら所長が待つ取調室へ向かいます。所長の言葉とともに刑場へ向かい,刑場へ向かう廊下には5mおきに刑務官がならんでいます。

刑場は会議室なような場所です。刑場の前に教誨室といわれる祭壇のある部屋で、お別れの間とも言います。遺書を書くこともでき、テーブルにはお菓子がおいていて食べ終わると前室へ移動します。その隣に執行室がありアイマスクと手錠をかけられロームを首に巻き付けられます。最後にいい残すことがないか聞かれ死刑が執行されます。
Cross Church Faith - Free photo on Pixabay (96455)

死刑執行の時には3人の執行官がボタンを押し、執行官の精神的負担を軽減するため3つのボタンの1つで刑壇が開き死刑囚は地下に落ちます。死刑囚の体の回転を防ぎ、顔が見届け人の方向へ向けるために、上でロープを押さえる係と、下で死刑囚の体を押さえる係に分かれています。

アメリカの死刑執行方法

Statue Of Liberty New York Ny - Free photo on Pixabay (93445)

アメリカの死刑執行方法は全州に共通しているのは薬物注射の執行方法です。そのほかの方法は各州によって死刑方法は変わります。ガス、電気、銃撃、絞首が選択肢にあります。

アメリカは民主主義国家で世界最大の死刑判決と執行が多い国です。50州のうち死刑を廃止した州は2019年1月の時点で20州あります。

薬物注射

Syringe Pill Capsule - Free image on Pixabay (93446)

アメリカでは州によっては死刑の方法を選ぶことができますが、現在のほとんどが薬物注射を打つ薬殺刑になっています。

薬殺刑は受刑者が薬殺刑の執行台に固定された後2本の静脈カテーテルを挿入されます。3種類の薬物が使われています。最初に鎮静剤のチオペンタールナトリウムが注射されます。囚人をリラックスさせ意識を低下させます。

次に筋肉を麻痺させる臭化ベクロニウムが投与され囚人の呼吸を止めます。最後に心臓を止める塩化カリウムが投与されます。薬物による処刑方法は安楽死のように速やかに死を迎えられるように感じられますがまれに失敗することがあります。

ガス室

Konzentrationslager Dachau - Free photo on Pixabay (93447)

窒素ガスでの死刑執行です。窒素ガスを吸い込むと一瞬で酸欠状態になり意識が失われます。

窒素は空気中の約8割を占める無味無臭の気体です。毒性は低いですが高純度の窒素ガスの中で呼吸すると脳が酸欠状態になり死に直結されます。

アメリカのオクラホマ州は2014年以来死刑執行を停止していましたが「窒素ガス」を使った死刑執行を再開しました。それはオクラホマ州で2014年に薬殺刑の際、死刑囚に薬物を注射しましたが血管が破裂するトラブルが起き、40分ほどもだえ苦しんで死ぬといった事態を受け死刑執行が停止されていました。

絞首

Gallows Blue Sky Wooden Frame - Free photo on Pixabay (93449)

現在ある絞首台はイギリスで使われていた絞首台が原型になっています。現在アメリカで絞首刑が選択ができる州はニューハンプシャー州のみです。ワシントン州も絞首刑がありましたが現在は死刑制度が廃止になっています。

アメリカと日本では少し違っていて、日本では死刑囚が立った足元の床が開き地下へ落ちる形式ですが、アメリカでは階段を上って絞首台へと行きます。死の恐怖から自力で上れない死刑囚もいて、体を支えられ絞首台を上ることもあります。

絞首台に上がると黒い覆面をかぶりロープを首にかけ、ハンドルが引かれると床が開き死刑囚は落ちて行き地上近くでぶら下がり死刑執行となります。

死刑の失敗は珍しくない?

Depression Sadness Autism - Free photo on Pixabay (93453)

死刑をするにあたり、苦痛がないようにが基本とされてます。しかし予想外のことが起こり、どの処刑方法も失敗することがあります。絞首刑にしても電気椅子にしても一瞬にして命を落とさない場合もあります。

何度も失敗してやり直しがあることは無用な苦痛を与えることになります。失敗したときはどうなるのでしょうか。

薬物投与の失敗例

The Syringe Glove Medical - Free photo on Pixabay (93459)

速やかに死を迎えられるイメージがある薬物注射での処刑方法。失敗した場合薬の効き目が十分にいきわたらず、死ぬまでにかなりの時間がかかる場合があります。いくつかある失敗事例を紹介していきます。

2006年で内臓疾患があった死刑囚は薬物が効かず34分間苦しんだ事例があります。2007年は死刑囚が肥満体のため医師がなかなか静脈を見つけることができず完了まで2時間以上かかりました。

2009年に執行された死刑囚は特に肥満体形ではありませんでしたが、針を刺すべきに適した血管がなかなか見つけられなかったため約2時間にわたって18か所以上の注射針を刺され結局この日の死刑執行は中止になりました。

2014年のオクラホマ州で薬物注射での死刑囚の場合、新しい薬の組み合わせで薬が十分に効かず約40分苦しみ最後は心臓発作で死亡しています。

ガス室の失敗例

Gas Mask - Free image on Pixabay (93463)

ガス室と聞くとナチスドイツの処刑を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。ガス室は密閉された部屋で行われる処刑方法です。

絞首刑や電気椅子での死刑よりは「まし」といわれていますが、ガス室での死刑執行はほとんどだれも見ていない密室で行われます。

ガス室を使った失敗ではアリゾナ州で行われたガス室での処刑の場合、死刑囚が何らかの呼吸疾患を持っていたためか死に至る効果まで10分以上のたうちまわり苦しんだといわれています。

3 / 5

関連する記事 こんな記事も人気です♪