2019年3月13日 更新

電気椅子での死刑の仕組みは?「グリーンマイル」の失敗シーンも解説

映画「グリーンマイル」を知っていますか?電気椅子での死刑執行の方法や死刑を受ける被告人の心理描写が詳細に描かれている作品です。スポンジに水を含ませることなく行った死刑が衝撃を受けます。エジソンとの関係や電気椅子に流れる電圧や仕組みを紹介していきます。

Hand Faust Violent - Free photo on Pixabay (93391)

電気椅子を使った死刑執行の様子を見ることのできる映画「グリーンマイル」は知っていますか。意地悪な看守が取った行動で電気椅子での死刑の失敗の様子を詳細に表現されています。

映画だけの世界ではなく実際にも電気椅子での死刑で失敗がありました。衝撃的な内容ですが電気椅子での死刑について考えさせられる映画です。

映画「グリーンマイル」について

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1996年にスティーブンキングが発表した小説がもとに、1999年に映画化された「グリーンマイル」。1932年の大恐慌時代に刑務所の看守と黒人死刑囚のお話です。グリーンマイルとは監獄から電気椅子までの古ぼけた緑色の通路のことを指しています。

3時間超えととても長い作品ですが、無実の罪で捕まり死刑を受け入れる不思議な力をもつ黒人死刑囚。無実の人の命を処刑する、というとても重い題材ですが罪と死刑を考えさせられる映画です。

作中では処刑シーンが3つあります。中でもその1つが凄まじい残酷さを感じ目を背けたくなる場面で、怖くもなり苦しい気持ちになるでしょう。

スポンジの恐怖!死刑執行の衝撃的なシーン

Cleaning Washing Cleanup - Free photo on Pixabay (93420)

「グリーンマイル」で直視できない場面があります。それは一人の看守が面白がってわざと乾いたままのスポンジを使うシーンです。

通常、通電性をあげて死刑執行するために受刑者の頭の上には濡れたスポンジを置きます。乾いたスポンジを置いたがために一度電流を流すととめることはできず、絶命するまで苦しみ続けることになります。

なかなか死ぬこともできずもだえ苦しむという衝撃的な場面が描かれています。

電気椅子の死刑で失敗した例

Sad Man Depressed - Free photo on Pixabay (93422)

電気椅子での死刑の失敗は映画の中のお話だけではありません。実際電気椅子で失敗した事例を紹介します。

1983年のアラバマ州で電気椅子による死刑執行時にトラブルがおきました。死刑囚の足につけられた電極がショートしてしまい燃え上がるトラブルが起きました。左こめかみにつけた電極からも同じトラブルがおき、死亡させるには電圧が足らないトラブルでした。

Fire Flames Bonfire - Free photo on Pixabay (95020)

そのトラブルでは脳が焦げてしまい、においと煙はひどく顔を覆っていたフードの下からは白煙が舞い上がっていました。死刑をやり直すにも死刑囚の心臓がまだ動いていたため、電流を流すスイッチを3度押しています。

息絶えたのは3度目のスイッチが入って14分後のことでした。死刑執行前の点検ミスが原因で人為的な過失でした。

電気椅子で失敗するとどうなる?

Human Man Mourning - Free photo on Pixabay (93424)

1890年8月に執行された、エジソンが作成にかかわった史上初めての電気椅子での処刑も失敗になっています。動物実験では成功していましたが、人間には1000ボルトの電流ではまだ生きている状態でした。

2000ボルトにあげて電流を流し続けた結果、肉のこげる臭いが凄まじく、頭から煙が立ち上がり電流を止めると炎が立ち上がっています。電気椅子での感電死ではなく黒こげになって死んだ結果になっています。

電気椅子が衰退した理由

Urban Decay Grafiti Abandoned - Free photo on Pixabay (93427)

電気椅子は感電死により死刑執行ではなく、拷問道具と考えアメリカの州によっては電気椅子での死刑執行を禁止しています。

電気椅子での死刑は時代が進むにつれて非人道的な方法ではないかと声が上がりまじめました。1980年代に薬物での死刑執行が採用されるとさらに批判の声が高まっていきました。

現在電気椅子は衰退している

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電気椅子での死刑方法も絞首刑と同様に非人道的ではないかという声も挙がり始めました。1980年代に薬物による刑の執行が採用されると、その批判の声はさらに高まっていき、刑の執行の失敗がメディアで報道されたこともあり徐々に電気椅子での刑の執行は衰退して行きました。

2000年代には取り入れている州は減少して、現在では一部の州で囚人の希望などの例外を除いては電気椅子を使った死刑の執行が行なわれることはないと言われています。

死刑の方法を受刑者が選べる?

The Dependence Of Drug Women'S - Free photo on Pixabay (93430)

2018年の11月にアメリカのテネシー州で1960年以来の電気椅子での死刑執行がされました。アメリカ全土では5年ぶりの電気椅子での死刑執行でした。

テネシー州の州法では1999年1月1日以前に死刑の判決をうけた受刑者は薬物注射か電気椅子か選ぶ権利があります。執行日の2か月前までにはどちらで死刑をするかの選択を決断しなければならないことになっています。

電気椅子での死刑執行をされたエドモンド・ザゴースキー死刑囚は、当初電気椅子での死刑執行を求めましたが刑務所側が却下して薬物注射での死刑になっていました。これを不服とした、ザゴースキー死刑囚の弁護士は連邦裁に緊急の訴えを起こしました。

アメリカの電気椅子には州ごとのニックネームがある?

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非人道的手段といわれている電気椅子もニックネームがつけられています。

アラスカ、フロリダ、ジュージア、ケンタッキー、オハイオ、ニューヨーク、テキサス州ではオールドスパーキーと呼ばれています。

ルイジアナ州はグルーサムガーティーともニックネームが付いています。

アラバマ州がイエローママ、ニュージャージー州の博物館に展示されている電気椅子はオールドスモーキーと呼ばれています。

日本の死刑執行方法

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