2019年10月2日 更新

世界最大の電波ジャック!マックスヘッドルーム事件の真相は?

1987年、ニュース番組の生放送中に突如出現した架空のキャラクター、マックスヘッドルームに扮した男。この正体不明な男によるテレビの電波ジャック事件は当時マスコミを騒がせました。未だ犯人不明である、この「マックスヘッドルーム事件」について詳しく紹介します!

目次

マックスヘッドルーム姿の男はペプシ缶を片手に「Catch the wave」と発言しました。マックスヘッドルームは、1986年にコカ・コーラの100周年記念に製造された飲料「ニューヨーク」のCMキャラクターに採用されていました。そしてその時に用いられたキャッチコピーが「Catch the wave」だったのです。

コカ・コーラ社が宣伝に用いているキャッチコピーを、別の同系飲料ペプシを持ちつつ口にしたマックスヘッドルーム姿の男の行動には、皮肉が含まれていることが分かります。

楽曲「アイム・ルージング・ユー」

Piano Music Score Sheet - Free photo on Pixabay (661973)

ペプシ缶を片手に「Caatch the wave」と言った後、男は缶を投げ捨て、今度は歌い出しました。その歌とは、1989年にロックの殿堂入りを果たしたアメリカの人気ソウル・コーラス・グループ、テンプテーションズの「I'm losing you」という曲でした。

1966年に発売され当時ナンバーワンにもなった大ヒット曲を、マックスヘッドルーム姿の男は手を使って踊ったり、終始ふざけた口調で歌いました。

その声は機械で変えられていている為、本当の声は判別不能です。

「クラッチ・カーゴ」(テレビアニメ)のテーマソング

Microphone Boy Studio - Free photo on Pixabay (661975)

テンプテーションズの曲を歌った後、マックスヘッドルームに扮した犯人は鼻歌を歌い出しました。その曲は、1959年9月から放送されているアメリカの人気アニメシリーズ「クラッチ・カーゴ」のテーマソングでした。

アニメ「クラッチ・カーゴ」は、1960年代には世界の65局で放送されるほど大人気な世界的に有名なアニメでした。

コカ・コーラのキャッチコピー「Catch the wave」、当時の大ヒット曲「I'm losing you」、そして国民的人気アニメのテーマソングと、ここまでマックスヘッドルーム姿の男は当時のアメリカで誰もが親しんでいたエンターテイメントに関するキーワードを、ふざけながら再現しています。

「俺にはまだXが見える(”I still see the X")」

Eye Color Face - Free photo on Pixabay (661976)

テレビアニメ、「クラッチ・カーゴ」のテーマソングを歌った後、マックスヘッドルーム姿の電波ジャック犯は「I still see the X」と呟きました。この言葉は「クラッチ・カーゴ」の最終話「BIG X」に出てくる台詞で、「クラッチ・カーゴ」の最終話を意味します。

また、このフレーズはしばしば「I stole CBS(アメリカ最大のテレビ・ラジオネットワークを持つ放送局)」と聞き間違えられています。

すべてのマヌケにとって最大の傑作

Ducklings Squeaking Follow - Free vector graphic on Pixabay (662045)

その後犯人は、「Oh I just made a giant masterpiece for all the greatest world newspaper nerds(俺は世界の偉大な新聞の全てのマヌケなファン達へ最大の傑作を作ったぞ)」と発言します。

この「greatest world newspaper」とは、電波ジャックされたWGN -TVとその系列局WGNーAMのことを意味し、これら放送局はシカゴを拠点とするトリビュート・コーポレーション及びシカゴ・トリビュー(アメリカ西部の主要な新聞社)の傘下にあります。

指につけた性具

Art Fingers Heart - Free photo on Pixabay (662046)

この2回目の電波ジャックは犯人の発言や様子が異様であったのは間違い無いですが、犯人が指に性具であるコンドームを装着していたことで、映像の不気味さは更に増していました。

マックスヘッドルーム姿の犯人は電波ジャック開始直後にペプシ缶を持ち、その後投げ捨てましたが、その際右手の中指にコンドームが付けられていました。

また、犯人は画面に寄って中指を立てるという人を嘲笑うかのような奇妙な行動を取りましたが、その映像は犯人が前のめりになりすぎたため見切れていました。

マイケル・ジャクソンの手袋

People Man Wristwatch - Free photo on Pixabay (662047)

次に犯人の男は、当時大人気で今でも世界的に有名なアーティスト、マイケル・ジャクソンのトレードマークである手袋を模倣したものを「My brother is wearing other one(俺の兄弟は違うやつを着けてるんだけどね)」と言いながら嵌め、すぐに脱ぎ捨てました。

その間も終始機械的なノイズ音は聞こえたまま、背景のストライプの壁は上下左右に揺れ続けていました。そしてこの手袋のシーンを最後に画面が切り替わります。

メイド服の女性

Sundress Summer Dress Girl - Free photo on Pixabay (662050)

手袋のシーンが終わり一旦画面が真っ暗になった後マックスヘッドルームのマスクを外した犯人は、マスクを画面にかざしつつお尻を出して四つん這いになります。マックスヘッドルームのマスクには先ほどのコンドームが着けられ、マスクを外した犯人の男の顔はカメラから見切れ、見えないようになっていました。

このシーンではメイド姿の女性が登場しますが、画面からは見切れているため顔は見えません。その女性は「Bend over bitch(腰を屈めなさい、この売女)」と言いながら、ハエ叩きのような棒で犯人の男のお尻を軽く叩きます。叩かれた男は唸りますが、女性も犯人も明らかにふざけてやっているという雰囲気でした。

この奇妙なシーンの後、画面は再び真っ暗になり、ドラマ「ドクター・フー」の映像に戻ります。

マックスヘッドルーム事件についての世間の反応

Urban People Crowd - Free photo on Pixabay (662052)

1回目の電波ジャックが約15秒間だったのに対し、2回目は約90秒間にも及びました。電波ジャックの最中はWTTW局に視聴者からの問い合わせが殺到したと言われています。

アメリカではマックスヘッドルーム事件の19ヶ月前にも「キャプテン・ミッドナイト事件」という電波ジャック事件がHBO局で起こっていたこともあり、今回の電波ジャック事件はアメリカのマスコミと視聴者を大いに騒がせました。

その証拠に、事件翌日にはアメリカ3大ネットワークの一つ、CBS局の朝のニュースでマックスヘッドルーム姿の男が起こした一連の電波ジャック事件について放送されています。

事件の捜査について

Hand Magnifying Glass Earth - Free image on Pixabay (662055)

今回の2度に渡る電波ジャック事件に対する世間の大きな反響を受け、捜査当局は犯人逮捕に向け捜査を開始しました。

連邦通信委員会と連邦捜査局の捜査

Seal Shaded Usa - Free vector graphic on Pixabay (662054)

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