目次
- ジョンドゥの意味とは
- ジョンドゥ=名無しの権兵衛?
- ジョンドゥの由来
- 女性の場合の呼び方
- 他の呼び方
- ジョンドゥはどういう時に使われる?
- 身元不明の遺体を指す時
- ジョン・ドゥ起訴をする時
- 裁判で訴える相手の名前が不明な時
- ネットで本名を名乗りたくない時
- 日本ではジョンドゥ=名無しの権兵衛?その由来は?
- 遊女の偽名説
- 手毬唄説
- 日本では「名無し」では済ませられない!ジョンドゥとの扱いの違い
- 身元が不明の遺体に名前は付けず番号や特徴などで管理
- 性犯罪で証拠があっても犯人の身元不明では起訴できない
- 訴える相手の名前と住所が分からないと裁判は起こせない
- ネット掲示板などでは無記名が「名無し」の表記になることも
- 名無しの権兵衛とは違う?行旅死亡人とは何か?
- 行旅死亡人の定義
- 行旅死亡人は法律用語
- 行旅死亡人は市町村が管理
- 行旅死亡人は減っている?
- どんな人が多い?行旅死亡人となるケースとは
- 所持品を持たずに自殺した場合
- 孤独死で身元を確認する手段がない場合
- 大災害などの犠牲者で身元を確認する人がいない場合
- 密入国者が遺体で見つかった場合
- 意外と知らない!行旅死亡人に関する事実
- 行旅死亡人は全国で2万人以上
- 行旅死亡人のデータはWeb上でも公開されている
- 身分証があっても本人と確認できない場合は行旅死亡人となる
- 「富士の樹海」で発見された行旅死亡人は多い
- 行旅死亡人はどうなるの?市町村が取る手続きとは
- 死亡推定日時や発見場所、外見の特徴などを官報で公表する
- 遺体は市町村が火葬し遺骨を保管する
- 一定期間経過後に遺留品は売却される
- 費用-遺留品の差額は市町村から都道府県へ請求できる
- 行旅死亡人ではないけれど...こんなケースも社会問題に
- 孤独死の発見の遅れ
- 遺族による遺体引き取り拒否の増加
- 悲しいことばかりではない!ジョンドゥにはいろいろな側面が
日本ではジョンドゥ=名無しの権兵衛?その由来は?
via pixabay.com
海外では身元の分からない人のことを「ジョンドゥ」と名付けますが、日本においては「名無しの権兵衛」と呼ばれます。この名無しの権兵衛には、いくつかの由来が今に伝えられています。
遊女の偽名説
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吉原といえば江戸時代の遊郭として有名ですが、幕府に認められていた吉原とは違い、非公認の遊郭がありました。そのうちの一つが、深川です。深川は現在の東京都江東区西部に位置していて、一時は吉原よりも人気があったそうです。
人気があったとはいえ非公認の遊郭だったため、公に遊女を雇うことができませんでした。幕府の取り締まりも厳しいものであったことから、雇い入れた遊女を男性名、つまり権兵衛名で呼ぶことで、幕府の目を欺くことにしました。
このように遊女に付けられた権兵衛名ですが、雇われたばかりの遊女にまだ客がいないときは、名付けられませんでした。まだ名付けられていない遊女のことを「名無しの権兵衛」と呼んだというのが、その始まりといわれています。
人気があったとはいえ非公認の遊郭だったため、公に遊女を雇うことができませんでした。幕府の取り締まりも厳しいものであったことから、雇い入れた遊女を男性名、つまり権兵衛名で呼ぶことで、幕府の目を欺くことにしました。
このように遊女に付けられた権兵衛名ですが、雇われたばかりの遊女にまだ客がいないときは、名付けられませんでした。まだ名付けられていない遊女のことを「名無しの権兵衛」と呼んだというのが、その始まりといわれています。
手毬唄説
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手毬唄とは、子どもが毬で遊ぶときの唄です。毬をつきながら唄うもので、全国各地にいろいろな歌詞が伝えられています。その手毬唄の一節に「名主の権兵衛さん」というものがあります。
手毬唄を唄うのは主に子どもだったので、歌詞を間違えたり、アレンジすることも多かったでしょう。本来は「名主の」権兵衛さんだったものが、読み方が似ている「名無しの」権兵衛さんに変わってしまい、これが「名無しの権兵衛」の由来といわれています。
この手毬唄は「山王のお猿様~」で始まりますが、この山王は江戸三大祭りの一つ「山王祭」から来ているようです。江戸三大祭りは東京都内の大きなお祭りで、山王祭は日枝神社で行われていることから、日枝神社にまつわる手毬唄が「名無しの権兵衛」の由来である、と一説にはあります。
手毬唄を唄うのは主に子どもだったので、歌詞を間違えたり、アレンジすることも多かったでしょう。本来は「名主の」権兵衛さんだったものが、読み方が似ている「名無しの」権兵衛さんに変わってしまい、これが「名無しの権兵衛」の由来といわれています。
この手毬唄は「山王のお猿様~」で始まりますが、この山王は江戸三大祭りの一つ「山王祭」から来ているようです。江戸三大祭りは東京都内の大きなお祭りで、山王祭は日枝神社で行われていることから、日枝神社にまつわる手毬唄が「名無しの権兵衛」の由来である、と一説にはあります。
日本では「名無し」では済ませられない!ジョンドゥとの扱いの違い
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身元が分からない人物の取り扱いは、日本と海外で大きく異なります。日本でのジョンドゥは、どのように扱われているのでしょうか。
身元が不明の遺体に名前は付けず番号や特徴などで管理
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約2万人。日本で発見された、身元が分からない遺体の数です。その膨大な人数の身元不明遺体を管理する方法は、海外とは異なります。
一番の大きな違いは、海外では「ジョンドゥ」など共通の名前を付けますが、日本では名前ではなく、番号が付けられます。番号の他に、性別、年齢(推定)、身長、身体的特徴、服装、所持品などをデータベース化して、管理しています。
警察庁のHPには、身元が分からない遺体の情報が掲載されていて、心当たりのある人が探しやすいようにしています。身元不明の遺体を名前ではなく番号で管理していると聞くと、冷たいイメージを受けるかもしれませんが、インターネットが普及している現在に適した、管理・検索がしやすいシステムといえます。
一番の大きな違いは、海外では「ジョンドゥ」など共通の名前を付けますが、日本では名前ではなく、番号が付けられます。番号の他に、性別、年齢(推定)、身長、身体的特徴、服装、所持品などをデータベース化して、管理しています。
警察庁のHPには、身元が分からない遺体の情報が掲載されていて、心当たりのある人が探しやすいようにしています。身元不明の遺体を名前ではなく番号で管理していると聞くと、冷たいイメージを受けるかもしれませんが、インターネットが普及している現在に適した、管理・検索がしやすいシステムといえます。
性犯罪で証拠があっても犯人の身元不明では起訴できない
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性犯罪が起きたとき、犯人のDNAなどの確かな証拠は、他の犯罪よりも集まりやすい状況です。DNAはその人物を特定する確実な情報なので、この点だけを見れば、犯人は見つかりやすいかもしれません。
しかし、いくら犯人につながる確かな証拠が見つかったとしても、犯人が捕まっていない場合、日本では起訴することはできません。犯人とされる人物が実際にその場にいて初めて、起訴することができるのです。
アメリカでは犯人と特定できる証拠があれば、その身元が分からなくても起訴できるのとは違い、日本では証拠があっても、容疑者不在の場合は起訴できないことになっています。
しかし、いくら犯人につながる確かな証拠が見つかったとしても、犯人が捕まっていない場合、日本では起訴することはできません。犯人とされる人物が実際にその場にいて初めて、起訴することができるのです。
アメリカでは犯人と特定できる証拠があれば、その身元が分からなくても起訴できるのとは違い、日本では証拠があっても、容疑者不在の場合は起訴できないことになっています。
訴える相手の名前と住所が分からないと裁判は起こせない
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インターネットの世界は、誰でも気軽に発信できる場所です。その便利さもあって、他人を傷つけたり、貶めたりする発言が多いのも事実です。
もし誰かがあなたに対して、SNSなどインターネット上で誹謗中傷したとします。その相手は匿名のため、誰なのか全く分かりません。この場合、名誉棄損などで訴えたいと思ったとしても、その人の情報が何も分からなければ、裁判を起こすことができないのです。
このように日本では、相手の名前と住所が分からない「身元不明者」のときは、訴えることは不可能となっています。しかし前述した例では、インターネットのIPアドレスから名前と住所が分かることがほとんどで、その情報は必要があれば開示されるので、加害者の逃げ得にはなりません。
もし誰かがあなたに対して、SNSなどインターネット上で誹謗中傷したとします。その相手は匿名のため、誰なのか全く分かりません。この場合、名誉棄損などで訴えたいと思ったとしても、その人の情報が何も分からなければ、裁判を起こすことができないのです。
このように日本では、相手の名前と住所が分からない「身元不明者」のときは、訴えることは不可能となっています。しかし前述した例では、インターネットのIPアドレスから名前と住所が分かることがほとんどで、その情報は必要があれば開示されるので、加害者の逃げ得にはなりません。
ネット掲示板などでは無記名が「名無し」の表記になることも
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2ちゃんねるなどのインターネットの掲示板には、社会で起きているニュースや雑学など、様々なカテゴリのスレッドがあります。掲示板には誰でも、学校や職場などのどんな場所からでも、簡単に書き込むことができます。
スレッドに書き込むときに投稿者名を空白にすると、そこには「名無しさん」と表示されます。今は「名無しさん」だけではなく、掲示板ごとにいろいろと変化しているようです。
日本に昔からある「名無しの権兵衛」は、インターネットという現代のツールにも便利に使われています。技術が進歩した今でも、まだ廃れてはいないようです。
スレッドに書き込むときに投稿者名を空白にすると、そこには「名無しさん」と表示されます。今は「名無しさん」だけではなく、掲示板ごとにいろいろと変化しているようです。
日本に昔からある「名無しの権兵衛」は、インターネットという現代のツールにも便利に使われています。技術が進歩した今でも、まだ廃れてはいないようです。
名無しの権兵衛とは違う?行旅死亡人とは何か?
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日本には昔から「行旅死亡人」という言葉があります。名無しの権兵衛と似たような意味を持ちますが、詳しく見てみるといろいろな違いがあります。
行旅死亡人の定義
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行旅死亡人(こうりょしぼうにん)とは、名前・住所が不明で、引き取る人がいない遺体のことをいいます。「行旅」の意味は「旅をすること、または旅人」となっています。
この言葉の意味するところから、行旅死亡人は旅行などの外出中に亡くなった人という印象を受けますが、室内で見つかった場合でも、このような呼び方をします。
そして、亡くなった人がすぐ発見されるとは限りません。発見されたのがその人の遺骨の一部分だけだったときでも、行旅死亡人の一人として扱われます。また、遺体が明らかに日本人ではなく、海外の人だとしても、同じように行旅死亡人となります。
この言葉の意味するところから、行旅死亡人は旅行などの外出中に亡くなった人という印象を受けますが、室内で見つかった場合でも、このような呼び方をします。
そして、亡くなった人がすぐ発見されるとは限りません。発見されたのがその人の遺骨の一部分だけだったときでも、行旅死亡人の一人として扱われます。また、遺体が明らかに日本人ではなく、海外の人だとしても、同じように行旅死亡人となります。
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