2019年5月25日 更新

SOS遭難事件の概要と真相!発見された死体の身元と事件の不思議も

この事件は1989年に北海道大雪山系で起こった謎の多い遭難事件です。ただの遭難事件で終わるはずの事件が一変、二変していきます。発見された遺体の身元は分かりましたが、遭難者が残したSOSの文字やカセットテープには謎も多く、いまだに真相は解明されていません。

Sense Question Anatomy - Free image on Pixabay (328298)

SOS遭難事件で発見された人骨の身元についてまとめてみました。SOSの文字を作り出し、カセットテープに声を残した男性はどのような人物だったのでしょうか。

遺留品からこの男性はアニメファンだったと言われています。彼をアニメファンだと特定するような何かが発見されたのでしょうか?もしそうなら、それはいったい何だったのでしょうか。

また、手塚治虫によって描かれたマンガ「鉄腕アトム」の中に、月に遭難したアトムが月面に漂流した倒木でSOSを作るシーンが出てきます。もしこの男性がアニメが好きだったならこれを知っていた可能性はあります。そのため、SOSの文字を作るという発想は、この鉄腕アトムからヒントを得たのではないかと言われています。

1984年7月に遭難した愛知県出身の男性

Man Standing Looking - Free photo on Pixabay (328385)

SOSの文字から北に100メートルほど離れた地点で男性が所持していたナップザックが見つかっており、その中にはカセットテープの他にも身元特定につながる遺留品が入っていました。

男物のバスケットシューズ、洗面用具が入ったビニール製の袋、交通安全の朱色の御守り、カメラの三脚。これらの遺留品から、北海道警察は人骨の身元を1984年に遭難したまま行方不明となっていた愛知県出身の男性と特定しました。

当時の年齢は25歳で血液型はA型と判明

Blood Hepatitis Scientist - Free image on Pixabay (328386)

遭難した当時の年齢は25歳でした。血液型はA型であり、人骨の鑑定結果も一致しています。A型の男性は危機管理能力が非常に強く、とても慎重です。本能ではなく理性で行動するため、何事も考えすぎてしまう傾向があります。

考えて、考えて、考え抜いた結果、リスクを犯してまで行動することは滅多にありません。慎重に行動することを石橋を叩いて渡ると言いますが、A型の男性の中には慎重になりすぎてしまい、石橋を叩いた結果、渡らないという結論を出してしまう人もいます。

山で遭難した時は動かないことが鉄則ですが、こういった性格も手伝い、遭難した男性はリスクを犯して下山するよりも、SOSの文字を作って救助隊がそれに気づくのを辛抱強く待ったのではないでしょうか。

アニメファンと思われる

Fantasy Fairy Tale Girl - Free image on Pixabay (328390)

見つかったカセットテープには男性の肉声以外にはすべてアニメソングが録音されていました。このことから、男性はアニメが大好きだったのではないかと言われています。

また、録音されていたのが1982年から1983年にかけて毎日放送で放映されていた「超時空要塞マクロス」の主題歌や挿入歌であったことから、遭難した時期を割り出すこともできました。

男性の肉声が入っていたカセットテープのB面には、1982年に放映された「魔法のプリンセス・ミンキーモモ」のアニメソングが収録されていたそうです。

SOS遭難事件の不思議

Question Mark Important Sign - Free image on Pixabay (331482)

ここからはいまだに解明されていないSOS遭難事件の謎に迫ります。SOS遭難事件がミステリアスな事件として世間の注目を浴びたのは、最初の鑑定で発見された人骨が女性のものであるとされたことで混乱が生じたことが主な原因です。

ただ、いまだに説明できない謎が残っているのも事実であり、この謎が解けない限り、本当の意味でこの事件が解決したとは言えないのではないでしょうか。

しかしながら、答えを知っているのは亡くなった男性のみです。そのため、どんなに謎を解こうと努力しても、結局は推測の域を越えることはできません。そのことを踏まえつつ、SOS遭難事件の謎を見ていきましょう。

衰退しているはずの体でSOSの文字を作れたのはなぜか

Forest Mist Nature - Free photo on Pixabay (331483)

この事件の謎として取り上げられているのが、衰退している体でSOSの文字が作れたのはなぜかということです。発見された人骨から男性が骨折していたことが分かっています。

男性がどれぐらいの食料を持っていたのかは分かっていませんが、遭難が長引けば食べ物や飲み物もなくなり、体も衰退していきます。怪我をしていれば、なおさらです。そのような体でなぜ文字が作れたのか疑問視されています。

ただ、これに関しては、怪我をする前や遭難してすぐのまだ体力があるうちに作ったのではないかと言われています。もし、それが本当だったと仮定した場合、今度は別の疑問が頭をよぎります。

SOS文字を作る重労働をしながら脱出しなかったのはなぜか

Climbing Rock Climber - Free photo on Pixabay (331486)

遭難した男性が怪我をする前か、まだ体力があるうちにSOSの文字を作ったとします。そうするとどうしても、SOSの文字を作るという重労働をする体力があるのなら、なぜ脱出を試みなかったのかという疑問が生じます。

文字を作っていた白樺の倒木は2~3メートルほどの長さがあり、文字はこれを積み重ねて作られていました。たとえ若い男性だったとしても、これを一人で作るのは相当骨が折れる作業です。

文字を作るだけで体力を消耗しかねません。それなのに男性が脱出することよりもSOSの文字を作ることを決めたのはなぜなのでしょうか。やはり、地形が問題だったのでしょうか。それとも、動き回るのは得策ではないと判断したのでしょうか。

SOS文字の発見が遅れたのはなぜか

Helicopter Flying Medical - Free photo on Pixabay (331488)

SOSの文字が発見されるまでに5年もの年月がかかってしまったのはなぜなのでしょうか?男性が遭難した当時、ヘリコプターが遭難場所の近くまで来ていたことはテープに残された内容からも推測できます。

それなのに男性は発見されることなく死亡してしまいました。おそらくこの時はまだ文字は作られておらず、その時、気づいてもらえなかった男性が、次にヘリコプターが来た時に気づいてもらえるようにSOSの文字を作ったのではないでしょうか。

SOSの文字を作るのにどれぐらいの時間がかかったのかは分かりませんが、文字が完成した後に、男性がいた場所は捜索範囲から外されてしまったのか、ヘリコプターが現場付近に来ることはありませんでした。

そこで、男性は文字の存在を知らせるために、カセットテープに大きな声で「エースーオーエースー。場所は初めにヘリに会ったところー」と録音して流したのではないでしょうか。

音声テープに残された内容と死体の場所に違いがあるのはなぜか

Cassette Recorder Player - Free photo on Pixabay (328303)

カセットテープに残された内容と人骨が発見された場所に違いがあることもこの事件の謎の一つです。男性はテープの中で「崖の上」と言っています。しかし、男性の人骨が発見されたのは崖の上ではなく湿原でした。

このテープが録音された時、男性はどこにいたのでしょうか。SOSの文字を作った場所とは違う場所で録音したのでしょうか。それとも、現場の下部が崖状になっており、下りるのが困難だったために、そこを崖と見なしてその上にある湿原を崖の上と定義したのでしょうか。

このように、この事件にはいまだに解明されていない謎がたくさんあります。一つの謎を解くと、また一つの謎が浮かび上がってしまったり、つじつまの合わないことが出てきてしまいます。いつか、すべての点が結びついて線になる日が来るのでしょうか。

SOS遭難事件と似ている事件

Mountaineering Climbers Storm - Free photo on Pixabay (331785)

SOS遭難事件に似ている事件について調べてみました。この事件とは似ていませんが、日本の遭難事件としてもっとも有名なのが、八甲田雪中行軍遭難事件です。

この事件は1902年1月に雪の中を行軍する訓練をしていた日本陸軍の兵士210名が、青森市街から八甲田山の田代新湯に向かう途中で遭難した事件です。199名が死亡するという最悪の結果となり、これは近代の登山史における世界最大級の山岳遭難事故と言われています。

その他にも日本だけではなく世界中で登山客が遭難する事件がたくさん起こっていますが、ここでは、SOS遭難事件のように、遭難した際にSOSという文字を作って救助された事件について詳しくまとめてみました。それでは、見ていきましょう。

2012年にロシアで起きた遭難事件

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