2019年7月15日 更新

レッサーパンダ帽男殺人事件の概要と経緯!山口誠の生い立ちとその後

レッサーパンダの帽子を被った男が、浅草で女子短大生を刺殺したという衝撃の事件。男の異様な姿から、マスコミはセンセーショナルに騒ぎ立てようとしましたが、犯人が知的障害者だと判明すると報道は失速しました。今回は、犯人「山口誠」の生い立ちと、事件の概要を紹介します。

目次

2002年に痙攣発作で入院、25歳で死去

Candle Flame Water - Free photo on Pixabay (409552)

妹は、共生舎のスタッフに支えられながら、ようやく安らぎの時を得る事が出来ましたが、それはわずかな時間でした。2002年(平成14年)の7月と8月に、2度の痙攣発作を起こして入院。

2度目の入院の時に、妹は25歳という若さでこの世を去りました。父から離れ、兄もいない、やっと訪れた自由な時間は、1年もなかったのです。

しかし、もし病気にもならず、ずっと働き続けて、家から逃げ出すことも出来なかったなら、最後まで山口誠の面倒を見なくてはいけないという結末もあった訳です。山口誠は終身刑では無く、無期懲役です。身内がいるのであれば、確実に妹の元へ帰ってくるのです。それを考えた時、早過ぎる死ではありますが、山口誠からは逃れられたとも言えるでしょう。

レッサーパンダ帽男殺人事件についてネットの反応

Laptop Notebook Work - Free photo on Pixabay (409608)

レッサーパンダ帽男殺人事件は、何度か述べましたが、犯人が知的障害者だった為、報道があっさりと終息してしまいました。その為かあまり情報も無く、ネット世界では必ず反応するであろう、5ちゃんねる(当時2ちゃんねる)すら、現在は話題になっていません。

しかし、レッサーパンダ帽男殺人事件については、それぞれの立場からの反応は、ネットにはそれなりに存在しています。ここでは、そんなネットの反応を紹介していきます。

山口誠を庇う訳では無いが、無期懲役は厳しすぎるのではないか?

Hammer Horizontal Court - Free photo on Pixabay (409617)

レッサーパンダ帽男殺人事件のことを語る人達の1つは、弁護士や精神科医、心理学者などの立場から、知的障害者としての山口誠に対して、無期懲役は厳しすぎるのではないか?というような話です。裁判のあり方についても、問題を定義している人が多いです。

それと共に、自閉症スペクトラムや広汎性発達障害についての理解や、福祉制度などのあり方について述べている人もおり、人権問題などを訴える人もいますが、被害者側としては同情的にはなれないでしょう。

妹が悲惨過ぎる、うちも身内に障害者がいる

Desperate Sad Depressed - Free photo on Pixabay (409638)

ネットでの反応で多い話題のもう1つは、やはり家庭の犠牲となった妹に同情的な話と、それに付随して自分にも障害者の身内がいて辛いという意見です。妹を見ていると、毎日面倒を見なくてはいけない身内の辛さが分かると語っている人達も多いのです。

人権云々がまだうるさく無かった頃は、国のフォローも無い代わりに、しっかりと隔離や居場所の区別を付けることが出来、迷惑を掛けられる人は今より少なかったと言えます。更に現代は、我が子を障害者だと認めたくない親が、無理矢理普通学級を希望するエゴイストも増えており、益々互いの溝が深まりつつあります。

そして、福祉制度もこの国はまだまだ不備があることで、身内の負担も大きいという事実で悩む人達が、この事件を元に語っています。

障がい者の犯罪について考えなければならない

Art Thinker Sculpture - Free photo on Pixabay (409684)

現在の刑務所には、軽度の知的障害者と思われる受刑者が、全体の約20%程服役しているという現実があります。中には、労役を全うに行うことが出来ない者や、排尿排便すら上手く出来ず漏らす者もいます。それをまた介護要員のような受刑者が、面倒を見ているということも多いのです。あまりにひどい場合、医療刑務所などもあるのですが、現実には施設が足りていないという状況です。

更に、現代の行き過ぎた人権問題によって、普通の人達が逆に差別を受けている状態で、浅草で刺された被害者女性の遺族達ですら、声を大にして山口誠に対して、怒りをぶつけることが出来ません。互いに理解を求め、共生を目指すのであれば、いわゆる普通の人達の不満や恐怖心も、障がい者の家族たちは理解をする必要があるでしょう。

また、先程述べたように、我が子可愛さよりも自分のエゴの為に、子供の障害を認めず、無理矢理普通の生活を送らせるのは、子供の為にもよくありません。適切な教育を受ければ、その子なりに社会に溶け込むことも出来るということを忘れないことです。そして、互いが気持ち良く過ごせる社会を作り出していくことが大切です。

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