目次
- カリギュラ効果とは
- カリギュラ効果の意味
- カリギュラ効果と呼ばれる理由
- 心理学用語では何と言う?
- カリギュラ効果のメカニズム
- 人には自分の意思で行動を決定したいという欲求がある
- 禁止により選択肢を奪われるとこの欲求が満たされない
- 欲求が満たされないことにより反発する気持ちが生じる
- 自分の意思や好みに関係なく禁止された選択肢を選びたくなる
- 日本の昔話にも見られるカリギュラ効果
- 鶴の恩返し
- 浦島太郎
- 舌切り雀
- うぐいす長者
- カリギュラ効果の活用例
- 行き先を隠したミステリーツアー
- バーゲンセール
- テレビ番組の予告で一部に伏字やモザイクを使う
- Webサイトのタイトルに【閲覧禁止】とつける
- 期間限定品や会員限定品であることを強調して商品を売る
- 「〇〇の人は買わないでください」というような広告を打つ
- 「限定〇〇個」などと販売個数に制限をつける
- 化粧品の紹介で「本当は誰にも教えたくない」と発言する
- カリギュラ効果を知らないと自分の思惑と逆の結果に!?
- 配偶者に「浮気は絶対禁止」と繰り返し伝える
- 子どもに「遊んでいないで勉強しなさい」としつこく要求する
- 友人に「絶対に言わないでね」と秘密を伝える
- 家族に「この引き出しは絶対に開けないで」とお願いする
- 恋愛におけるカリギュラ効果とは
- 手に入らないものほど欲しくなるという心理
- 不倫などの禁断の恋は盛り上がりやすい
- 振られた相手をなかなか諦められない
- モテる人が自分に興味を示さない異性に惹かれる
- 会える時間が限られているともっと一緒にいたいと感じる
- 異動や転勤で距離が離れる時になって相手が気になり出す
- 恋愛に使えるカリギュラ効果活用法は?
- 気になる相手にはクールに接する
- 門限や次の約束を理由に会える時間を制限する
- 「〇月から忙しくなる」などと今しか会えないことを匂わす
- 周囲に好きな人を伝え「絶対に秘密にして」と念を押す
- カリギュラ効果を知っていて損はない!
わたしたちの周りでも、知らない間に使用されているカリギュラ効果ですが、それは、子どものころに見た絵本の昔話の中でもよく見受けられます。では、昔話のどの部分がカリギュラ効果にあたるのか代表的な例を見てみましょう。
鶴の恩返し
via pixabay.com
おじいさんが山の中で罠にかかっている鶴を助けて、その鶴が女性に変身しおじいさんに恩返しにくるという物語です。鶴は自分の羽をむしり、その羽で機を織ってきれいな反物をおじいさんに捧げていました。
鶴は、自分の羽で反物を織っていることをおじいさんに知られたくないため、自分が機織りをしているところを「絶対に覗かないでほしい」と伝えます。ところがおじいさんは、気になって気になって仕方なくなり、ついには部屋を覗いてしまうのです。
正体が鶴であることがばれてしまった女性は、その後姿を消してしまったというお話でした。何も言わなければ、おじいさんも閉めた襖をわざわざ開けようとしなかったかもしれません。あえて何度も「絶対に覗かないで」と伝えたことにより、おじいさんは覗かずにいられなくなってしまったのでしょう。
鶴は、自分の羽で反物を織っていることをおじいさんに知られたくないため、自分が機織りをしているところを「絶対に覗かないでほしい」と伝えます。ところがおじいさんは、気になって気になって仕方なくなり、ついには部屋を覗いてしまうのです。
正体が鶴であることがばれてしまった女性は、その後姿を消してしまったというお話でした。何も言わなければ、おじいさんも閉めた襖をわざわざ開けようとしなかったかもしれません。あえて何度も「絶対に覗かないで」と伝えたことにより、おじいさんは覗かずにいられなくなってしまったのでしょう。
浦島太郎
via pixabay.com
砂浜で子供たちにいじめられている亀を助けてあげると、その亀がお礼にと浦島太郎を竜宮城に連れて行ってくれたお話です。浦島太郎は竜宮城を去るとき玉手箱をもらうのですが「絶対に開けてはいけない」と念を押されます。
いざ自分の家に戻ってみると、あたりの風景は様変わりし、浦島太郎は竜宮城で想像以上の年月を過ごしてしまったことに気づかされます。そこで、一人ぼっちでさみしくなった浦島太郎は、絶対に開けてはいけないと言われていた箱を開けてしまいます。すると一気にお年寄りになってしまいました。
もしも、「絶対開けてはいけない」と言われていなければ、様変わりした状況に直面し、箱の存在すら忘れてしまったかもしれません。開けてはいけないことを強調されたことにより、その状況においても開けずにいられなかったと考えられるでしょう。
いざ自分の家に戻ってみると、あたりの風景は様変わりし、浦島太郎は竜宮城で想像以上の年月を過ごしてしまったことに気づかされます。そこで、一人ぼっちでさみしくなった浦島太郎は、絶対に開けてはいけないと言われていた箱を開けてしまいます。すると一気にお年寄りになってしまいました。
もしも、「絶対開けてはいけない」と言われていなければ、様変わりした状況に直面し、箱の存在すら忘れてしまったかもしれません。開けてはいけないことを強調されたことにより、その状況においても開けずにいられなかったと考えられるでしょう。
舌切り雀
via pixabay.com
心優しいおじいさんは怪我をした雀を助けてあげて、なついた雀をお家で飼っていました。ところが、ある日意地悪なおばあさんがその雀の舌をハサミで切ってしまったという物語です。逃げた雀をおじいさんが探しに行くと、雀の宿があり、おじいさんはそこで、金銀、小判がたくさん入ったつづらをもらって帰りました。
それを聞いたおばあさんも雀を探しに行き、無理やり大きなすずらをもらいました。その時「家に着くまでは絶対に開けてはいけない」と言われるのですが、意地の汚いおばあさんは待ちきれず道中でつづらを開けてしまいます。そこで中から出てきた魑魅魍魎に襲われてしまうというお話でした。
つづらはちゃんともらうことができたので、家に帰ってから開ければよかったのです。ところが、絶対に開けてはいけないと言われたので、我慢できなくなってしまったのだと考えられます。
それを聞いたおばあさんも雀を探しに行き、無理やり大きなすずらをもらいました。その時「家に着くまでは絶対に開けてはいけない」と言われるのですが、意地の汚いおばあさんは待ちきれず道中でつづらを開けてしまいます。そこで中から出てきた魑魅魍魎に襲われてしまうというお話でした。
つづらはちゃんともらうことができたので、家に帰ってから開ければよかったのです。ところが、絶対に開けてはいけないと言われたので、我慢できなくなってしまったのだと考えられます。
うぐいす長者
via pixabay.com
ある商人は、道に迷ったとき美しい4人姉妹と出会い、その中の一人と結婚し姉妹の母親も含め6人で暮らすことになりました。姉妹と母親は出かける際、商人に留守番を頼みます。そこで「敷地にある蔵で遊んでも良いが、そのうち3つは開けても残りの1つは開けてはいけない」という条件を残していきました。
商人はひとつずつ蔵を開け、3つの蔵の中でとても楽しい出来事を体験しました。そのため、思わず4つ目の蔵も開けてしまい気がついたら娘との結婚も同居もなくなっていたというお話です。
この場合は、他の3つは開けても良く、またその3つがとても楽しかったという別のバイアスが、4つ目を開けたくなる心理に一役買っているとも言えます。このようにカリギュラ効果はただの「禁止、抑制」だけではなく、別の心理的作用を併せて使うことで、より効果的に人に影響を与えることも可能になります。
商人はひとつずつ蔵を開け、3つの蔵の中でとても楽しい出来事を体験しました。そのため、思わず4つ目の蔵も開けてしまい気がついたら娘との結婚も同居もなくなっていたというお話です。
この場合は、他の3つは開けても良く、またその3つがとても楽しかったという別のバイアスが、4つ目を開けたくなる心理に一役買っているとも言えます。このようにカリギュラ効果はただの「禁止、抑制」だけではなく、別の心理的作用を併せて使うことで、より効果的に人に影響を与えることも可能になります。
カリギュラ効果の活用例
via pixabay.com
昔話にも使用されているカリギュラ効果は、あえて戦略的に使用することでよりその効果を発揮させることができます。すでに様々なビジネスや広告宣伝の中でその効果は用いられていますので、その代表的な例を読み解いていきましょう。
行き先を隠したミステリーツアー
via pixabay.com
同じ代金で旅行する場合、行き先がわかっているよりも行き先が隠されている「ミステリーツアー」だと参加したい気持ちは強くないでしょうか?
自分の意思で目的を決めて旅行する方が、間違いなく堅実だとわかっているにもかかわらず、ミステリーツアーに魅力を感じてしまうことがあります。
その旅先での出来事も予測がつかないため、非常にわくわくします。あえてどこに行くかわからないからこそ楽しいはずだと根拠なく信じてしまうのです。
自分の意思で目的を決めて旅行する方が、間違いなく堅実だとわかっているにもかかわらず、ミステリーツアーに魅力を感じてしまうことがあります。
その旅先での出来事も予測がつかないため、非常にわくわくします。あえてどこに行くかわからないからこそ楽しいはずだと根拠なく信じてしまうのです。
バーゲンセール
via pixabay.com
「こんなに掘り出しものがあるなんて、周りの人には教えないで!」や「得したいと思っていない人は来ないでください!」など、あえて「~しないでくれ」と禁止させることで、そのバーゲンセールのお得感や割安感が強調されます。
「掘り出し物があるから来てください」や「得したい人はぜひ来てください!」と言われるよりも、強く興味が引かれるのではないでしょうか。タイムサービスなどの時間を限定しているセール方法も、カリギュラ効果を利用していると言えます。
「掘り出し物があるから来てください」や「得したい人はぜひ来てください!」と言われるよりも、強く興味が引かれるのではないでしょうか。タイムサービスなどの時間を限定しているセール方法も、カリギュラ効果を利用していると言えます。
テレビ番組の予告で一部に伏字やモザイクを使う
via pixabay.com
「なんとあのタレントが○○に!!」など、一部を伏字にすることで、伏字の部分に対する興味が喚起されます。そのタレントが特別好きなわけでもないのに、いったい何があったのか見ずにいられないでしょう。
また、たいした内容でなくても、モザイクを入れたり、言葉にピー音をかぶせることによって、非常に重要なことが発信されているような錯覚に陥ります。
CM前にわざとあおる演出も、カリギュラ効果を期待していると言えるでしょう。特に知りたかった情報でなくても、その情報が途中で遮断されることによって、強く執着してしまうのです。
また、たいした内容でなくても、モザイクを入れたり、言葉にピー音をかぶせることによって、非常に重要なことが発信されているような錯覚に陥ります。
CM前にわざとあおる演出も、カリギュラ効果を期待していると言えるでしょう。特に知りたかった情報でなくても、その情報が途中で遮断されることによって、強く執着してしまうのです。
Webサイトのタイトルに【閲覧禁止】とつける
via pixabay.com
カリギュラ効果の非常にわかりやすい使用例と言えます。ダメだと言われるとかえって気になってしまうのがこの効果の特徴です。
閲覧すると課金されてしまうため閲覧注意としているサイトもありますが、「禁止」にしているものは、閲覧しても問題のない場合がほとんどです。そもそも、Webサイトは不特定多数の人に一斉に閲覧してもらうために掲載するものです。その中でわざわざ「禁止」とすることは冷静に考えればおかしいことがわかります。
ところが、見てはいけない<見たらどうなるんだろう<どうして見たらだめなんだ、と次第に禁止されていることへの反発に変わり、見ずにいられなくなってしまうのです。
閲覧すると課金されてしまうため閲覧注意としているサイトもありますが、「禁止」にしているものは、閲覧しても問題のない場合がほとんどです。そもそも、Webサイトは不特定多数の人に一斉に閲覧してもらうために掲載するものです。その中でわざわざ「禁止」とすることは冷静に考えればおかしいことがわかります。
ところが、見てはいけない<見たらどうなるんだろう<どうして見たらだめなんだ、と次第に禁止されていることへの反発に変わり、見ずにいられなくなってしまうのです。
期間限定品や会員限定品であることを強調して商品を売る
via pixabay.com
2 / 5