2019年6月12日 更新

アメリカの有名ギャング「アル・カポネ」の生涯!逮捕された理由とその後も

アル・カポネは、20世紀のアメリカを代表するギャングです。アメリカで禁酒法が施行された時代に犯罪組織の近代化に成功し、絶大な権力を誇りました。その影響は現在まで続いています。今回は、アメリカ史上最も有名なギャング、アル・カポネの生涯に迫ります。

目次

アルカトラズでの囚人生活

Alcatraz Prison In Maximum - Free photo on Pixabay (352626)

アルカトラズ刑務所でも、アトランタ刑務所と同じくカポネはあくまで1人の囚人であり、特別扱いされることはありませんでした。刑務所では風呂場の掃除を担当しており、仕事ぶりは真面目であったと言われています。

他の囚人からは、イタリア系であることと風呂場の掃除係であることから「wop with the mop(モップ持ちのイタリア野郎)」と呼ばれていました。

アルカトラズでの生活は、当初は平穏なものでした。週末になると囚人仲間とバンジョーを演奏して楽しむなど、刑務所生活をそれなりに謳歌していたと言われています。しかし、後に病に体を蝕まれてから、カポネの刑務所生活は大きく変化することになります。

梅毒による痴呆症状が出ていた

Virus Microscope Infection - Free image on Pixabay (352632)

実は、カポネは若い頃に梅毒に罹患しており、その症状が刑務所生活中に現れ始めました。1936年に囚人が大規模なストライキを行いましたが、カポネは参加しませんでした。

そのことを他の囚人に責められると、カポネは独房に閉じこもり、布団にもぐりこんで子どものように泣きじゃくったと言われています。とてもマフィアのボスとは思えない幼稚な行動は、梅毒による痴呆症状の一種でした。

しかし、カポネの梅毒は見過ごされてしまし、症状は悪化していく一方でした。

ジミー・ルーカスに刺される

Bloodbath Bath Crime - Free photo on Pixabay (352633)

1936年6月、カポネが別の囚人に刃物で刺され、危うく殺されかけるという事件が起こります。犯人は、ジェームス・C・ルーカス(James C. Lucas、愛称はジミー)という人物です。

もともとは刑事でしたが、銀行強盗の罪でアルカトラズに収監されていました。ルーカスがカポネを刺した理由は、ルーカスがカポネから金をゆすろうとして断られたことや、カポネがストに参加しなかったことが原因と言われています。

カポネを刺したルーカスは、後に他の囚人仲間と共にアルカトラズからの脱獄を企て、1938年に実行に移しています。しかし、脱獄は失敗し、一部の囚人仲間は撃たれて死亡、ルーカスは隔離されることになりました。

梅毒の発覚と釈放

Despair Alone Being - Free photo on Pixabay (352636)

カポネの梅毒は悪化の一途をたどっていましたが、なかなか発見されませんでした。1938年に行われた検査でようやく梅毒が発覚して治療がほどこされましたが、すでに病気が進みすぎていため、効果はありませんでした。

1939年1月、アルカトラズ刑務所からロサンゼルスの連邦矯正施設に移送され、そこで梅毒の治療を受けながら残りの刑期を消化します。この頃のカポネは、かつてシカゴを支配したマフィアのボスとしての面影はほとんどなく、別人のようになっていました。

1939年11月、カポネは仮釈放されました。

出所後の生活

Man Person Sleep Park - Free photo on Pixabay (352658)

自由の身となったカポネですが、梅毒の症状が深刻であり、残り少ない人生になっていることは明らかでした。出所後のカポネの生活を見ていきましょう。

ユニオン記念病院で治療

Hospital Bed Doctor - Free photo on Pixabay (352664)

出所後のカポネは、梅毒の治療を行うべくボルチモアに向かいます。当初は、ボルチモアのジョンズ・ホプキンス病院に入院する予定でした。しかし、病院側がカポネの経歴を嫌って受け入れを拒否したため、同じボルチモアのユニオン記念病院で治療を受けることになります。

カポネの梅毒は、ほとんど末期の状態であり、治療が意味をなすような状態ではありませんでしたが、ユニオン記念病院はカポネを献身的に治療しました。

後にカポネはユニオン記念病院に感謝し、日本のしだれ桜を病院に寄贈しています。しかし、病院の治療もむなしく、カポネの病状は良くならなかったため、4カ月の入院をへて、フロリダのパームアイランド島に移されました。

フロリダのパームアイランド島での生活

Beach Paradise Island Palm - Free photo on Pixabay (352667)

パームアイランド島では、家族と共に穏やかな生活を送り、ときおり訪れるかつての仲間や兄弟と会話をすることもありました。しかし、梅毒の症状は着実に進んでおり、良くなる気配はありませんでした。

1945年には、民間人初となるペニシリンの投与が試みられます。ペニシリンは、1928年にアレクサンダー・フレミングによって発見され、1942年に実用されたばかりの抗生物質です。

しかし、梅毒に体中を蝕まれていたカポネには焼け石に水であり、大した効果はありませんした。

1947年病死「悪夢の終わり」

Candle Light Candlelight - Free photo on Pixabay (352672)

1947年1月25日、カポネは脳卒中と肺炎の合併症により48歳で亡くなりました。出所後は、訪ねてきたかつての部下と会話することはありましたが、シカゴに戻ることはとうとうありませんでした。

死の翌日には、アメリカ中の新聞がカポネの死を大きく報じました。特にニューヨーク・タイムズは、政治にまで影響を及ぼしてシカゴを支配したマフィアのボスの死を「悪夢の終わり」と表現し、大々的に報じています。
Cemetery Grave Graves - Free photo on Pixabay (352676)

1947年2月に葬儀が行われ、かつてのカポネの側近であるジェイク・"グリージー・サム"・グージック(Jake "Greasy Thumb" Guzik)や、後にシカゴで名を馳せることになる"マレー"・ルウェリン・モリス・ハンフリーズ("Murray" Llewellyn Morris Humphreys)などが参列しました。

カポネの遺骨は、亡くなった父や兄と一緒にイリノイ州のカルメル山墓地に埋葬されています。

アル・カポネとニューヨークマフィアとの関係

Skyscraper Glass Facade - Free photo on Pixabay (352704)

カポネはニューヨークでギャングとしてのキャリアをスタートさせましたが、程なくしてシカゴに移ったため、ニューヨークでは成功を収めることはできませんでした。

しかし、ニューヨークマフィアと関係がなかったわけではありません。カポネとニューヨークマフィアの微妙な関係について解説します。

カステランマレーゼ戦争

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