2019年8月8日 更新

後妻業の女と呼ばれた筧千佐子とは?生い立ちや現在の様子も

後妻業の女と呼ばれた筧千佐子は関西青酸連続死事件を起こした人物です。結婚して子供を産んだ後に夫が亡くなったことで人生が狂い始めました。多くの男性を誘惑する程のテクニックを持ち、遺産を相続させた筧千佐子の生い立ちや判決、現在の様子について解説します。

目次

Freedom Prison Jail - Free photo on Pixabay (545437)

逮捕された当初は犯行を否認していましたが後に筧勇夫さんについて「結婚した後、金が自由にならなかったので殺した」と供述して犯行を認めています。筧千佐子は第一審で死刑が求刑された後、関西テレビ放送に「今は生きていくことがしんどいが自殺する勇気もない」などと心情を綴った手紙を送りました。

記者が面会に訪れ被害者についての気持ちを訪ねると「申し訳ない気持ちはある」と答えましたが動機や理由については述べていません。しかし「死刑になったら、目を移植してほしいって弁護士に伝えている。昔から目だけはいいから」と話して人の役に立ちたい気持ちがあることを滲ませました。

「死刑になったら、せっかく親からもらった体が消えてしまう。消えるのはもったいないやん」とも話しています。

後妻業の女と呼ばれた筧千佐子

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筧千佐子は後妻業の女と呼ばれました。「後妻業」とは小説のタイトルで、内容が事件と似ているとして話題になったものです。事件の発覚よりも作品の方が先に世に出ていることから関西青酸連続死事件をモデルにしたものではありません。

小説には別にモデルがいて筧千佐子と同じような行動をしていますが逮捕はされていません。世の中には後妻業を生業とする女が実在することが明らかになりました。

「後妻業」はドラマ化や映画化もされていて、それぞれで結末が違うため人気を博した作品です。後妻業と筧千佐子の関係について見ていきましょう。

後妻業は小説のタイトル

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後妻業は「別冊文藝春秋」で2012年3月から2013年11月まで連載されていた黒川博行の小説です。後妻業とは資産家の独身男性と内縁関係になり男性の財産を奪うことを言います。

内縁の妻が遺産を相続するためには相手の男性に公正証書を書いてもらう必要があります。筧千佐子も交際相手や結婚相手には必ず公正証書を書かせていました。

書かせていた内容は男性の死亡後遺産はすべて自分に譲ることと葬儀や納骨もすべて自分が取り仕切るというものです。遺体から青酸化合物が検出されるのを恐れての行動でしたが、葬儀では遺族に対してすぐに遺産の話を始めるなどトラブルが多かったそうです。

小説のあらすじ

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主人公の竹内小夜子は結婚相談所を経営している柏木と組み、資産家の男性を狙って遺産を手に入れていました。結婚をしなくても公正証書を書かせれば遺産を相続できるため高齢の資産家と入籍を繰り返し、入籍した男性の数は9人にもなりました。

9人とも小夜子と関係を持った途端に事故や病気で亡くなっていて、事件のキーとなる22歳年上の中瀬耕造も脳梗塞で倒れたのちに死亡しています。すでに公正証書は手に入れていましたが耕造の娘の朋美と尚子が遺産を取り戻すために弁護士に相談したことで小夜子と柏木の計画が狂い始めます。

弁護士に雇われた探偵が身辺調査をしたところ男性たちの不審な死が明らかになります。探偵は小夜子と柏木を脅迫してお金を要求しますが2人はお金を渡さずに探偵を殺そうとする、というのが小説の内容です。

筧千佐子の事件と内容が酷似していて話題に

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後妻業の主人公である竹内小夜子と筧千佐子の行動には共通点が多く、いずれも資産家の男性に狙いを定めて必ず公正証書を手に入れています。

男性を病気に見せかけて殺しているところも同じであり事件がモデルだと勘違いされるのも無理はありません。筧千佐子について、犯罪に対して良心の呵責がなくサイコパス的資質があると精神科医は述べています。

小説の中では探偵を殺すことに失敗して柏木は警察に逮捕され、小夜子は弟に殺されてしまいます。事件との違いはありますが小夜子も筧千佐子も強欲であることは確かです。

小説にはモデルがいる

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小説のモデルは関西に住んでいた当時91歳の男性と当時78歳の女です。男性は妻に先立たれたため結婚相談所に登録をして女と知り合います。

同棲を始めた半年後、2人の散歩中に男性が公園で倒れましたが女は救急車を呼ぼうとせずに男性を家へ連れて帰りました。様子を目撃していた近所の人が心配して自宅を訪れたため女はしぶしぶ救急車を呼びましたが、病院へ入院した後も女は執拗に男性を殺そうとしました。

女が病院を訪れる度に点滴が外れるといった不審な出来事が続いたのです。男性が公園で倒れてから半年後に死亡した後、女は男性の娘に対して全財産を相続するとした公正証書を突きつけました。娘は弁護士に相談したものの警察が動かなかったことから遺産はほとんど奪われてしまい女には何の罰もありませんでした。

小説はドラマ化や映画化もされている

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小説は2016年に「後妻業の女」というタイトルで映画化しています。小夜子を演じたのは大竹しのぶで豊川悦司が柏木を演じました。

映画では最終的に、脳梗塞で死亡した耕造が遺言書を用意していたことから遺産は無事に娘へ相続されています。2019年1月に放送されたドラマの「後妻業」では結末が異なるものとなっています。

小夜子を演じたのは木村佳乃で柏木は高橋克典が演じました。ドラマでは小説や映画とはストーリーが異なり小夜子と柏木、探偵、耕造の娘が手を組んでお金を手に入れるという終わり方でした。恋愛要素も織り交ぜていてまったく違う作品と感じる視聴者も多かったようです。

現在は死刑判決を受け入れて大阪拘置所に収監されている

Prison Cell Jail - Free photo on Pixabay (545447)

筧千佐子は現在、死刑判決を受け入れて大阪拘置所に収監されています。認知症の症状は進んでいるそうですが記者との面会では「理由はどうあれ、殺したら“負け”の世界やから。だから潔く死刑を受け入れ、潔く死ぬ。『助けて』なんて言うつもりはない」と話しました。

お金目当てで高齢の男性に近づき命を奪うことは許されることではありません。死刑が執行されるまでしっかりと罪を償ってもらいたいものです。

結婚相談所は後妻業の女からするとカモだらけだと言われています。高齢の資産家が結婚相談所を利用する際は十分注意が必要です。

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