2019年7月14日 更新

乃という漢字の意味とは?漢字の成り立ちや名前に入れた時の意味

赤ちゃんがこの世に誕生し、パパとママから初めてプレゼントが「名前」。名前はその子にとって、一生の大切な物。そのため両親は姓名判断や由来を考えて呼び名や漢字を決めてます。女の子の名前で「乃」の漢字を目にするのですが、成り立ちや由来をご存じですか?

目次

昔のことを指す言葉でもある

 (385639)

さまざまな意味を含み、使われ方をする「乃」ですが、まだまだ他にもたくさんの使い方によって色々な意味を成しています。

その中の一つに、時の振り返りを表します単語「むかしやあの頃、当時。」がありました。

書物にも昔を表現する言葉として記されているのが、歴史文学である『栄花物語』にある、楚王の夢の一説にありました。

歴史の時間で必ず習ったであろう藤原道長の六女になります嬉子の死を嘆き悲しんだ様子がこちらには書かれていました。

「なんじ」など相手に対して用いられる

 (385971)

上記に記しました読み仮名としての「なんじ」ですが、歴史をたどれば象形文字から表現されるようになりました。

文字の象形を確認してみると、胎児の姿が表現されているとし、「乃」は妊娠するという意味を持つようになりました。

それより借りてと言い、同じ読みの部分に当て字として使うことになった結果が、
「なんじ」と読む漢字が成り立ちました。

「なんじ」とはつまり「おまえやそち」をさすため、目上の人が目下の者に使う言葉とされています。

悪い意味として使われることも

 (386144)

「乃」自体には深い意味はないと記しましたが、組み合わせる漢字によれば悪い意味になってしまう場合があります。

それはどんな漢字でどのような悪い意味をもつものなのか?もし、我が子の名前に使おうと思うのであれば気になる所です。

ですので、ここで少し「乃」に使われる悪い意味について調べてみました。

乃翁や乃公という言葉がある

 (386165)

乃には、漢字の組み合わせ方により人名を表す言葉にかわります。その表現はさまざまのため、例を挙げ詳しくみてみました。

①乃翁
ないおう、ダイオウ。
漢詩や漢文にも用いられ、歳をとった男性が子や目下のものに対して言う自身の事。

②乃公
ダイコウ。
こちらと①同様で、男性が仲間や目下の者と話す時に用いられる言葉。共に一人称になります。

勿論これらの単語は、昔ながら使われており、豊臣秀吉の半生が描かれております新書太閤記にも掲載されています。

目下の人に自分は尊大であると示す言葉

 (397842)

上記に記しました乃を用いた語彙は他にもたくさんありますが、「乃翁や乃公」は代名詞として活用されています。

現代語訳で言い換えますと「俺、俺様や我が輩など」自身が目上の立場となる場合に用いられているように見受けられます。

また二人称の場合ですと、自分より身分の低い者。つまり目下に対して罵る時に用いられ、その際は「おまえ」と読みます。

他にも乃父や乃祖とあり、今でこそ女の子の名前にて使われる事の多い「乃」も昔は男の人をさす言葉だったのです。

乃が含まれている漢字

 (399139)

上記に書かせていただいた通り、「乃」は原字として複数の意味をもち、新たな漢字を追加することで別の漢字を成します。

では「乃」を含む漢字はどのようなものがあり、どんな意味をもつのか?ここでいくつか上げてみることにしました。

孕む

 (399141)

「孕」の起源は遡ると、約四千年前の甲骨文字にあります。甲文から金文、小篆そして現代で使用する文字になりました。

由来は「身」で同じ構造、由来、意味を持つ身重や懐妊が挙げられ、女性が子供をお腹に宿す妊娠のことをさします。

甲文での絵が姿、形を変えて形象化され、字形が整えられたことにより「孕」の文字が誕生しました。

小篆の「孕」見ましたところ「乃」が表している母親の体とその中にいる「子」から構成されたものだとわかります。

秀でる

 (399160)

秀でるにも乃が下に表記されています。漢字での由来は垂れた稲穂から花が咲いているさまから最も花が美しい状態からです。

花の状態より秀でた状態から、美しいや麗しい、また優れているという意味になりました。

その使い方として眉目秀麗や秀外恵中など美しく、優れているといった意味である四文字熟語にも用いられています。

そのためか、秀でるのイメージは才能に溢れた優秀で美しいといったプラスのイメージがとても強い印象にあります。

 (399183)

辶(辵)と秀が合わさった会意兼形声文字と言われています。辶は立ち止まる足に十字路の象形で行くという意味を表します。

また秀は上記に書きました様に、穂先が茎の先端にたれかかる稲の象形と伸びた弓の象形で長く伸びるの意味を持ちます。

その二つより「つきぬける」「すける」を意味した「透」の漢字が成り立ちました。透明の単語の由来もここで理解できます。

四文字熟語の見処透徹であるように、判断、意見などに筋道がはっきり通っていること。が挙げられます。

躱す

 (400293)

会意形声文字といい、身に朶が合わさった漢字になります。朶は木の枝がたれた様子、うごかす、花の数を数えるひとふさなどがあります。

会意形成文字とは漢字の造字法のひとつで、会意文字と形声文字の特徴を併せ持つものとされています。

読み方は「かわす」となり、意味としては交わすや避けると同様で、素早く動いて身を危険より避ける、回避するがあります。

文字を形成見てみますと左に身、右に朶となっており、成り立ちとしては身を横に木の枝がたらしかわすをあらわします。

3 / 5

関連する記事 こんな記事も人気です♪