2022年4月4日 更新

指名手配犯が捕まらない理由とは?実際の統計データと一般市民ができること

定期的に特集される全国指名手配犯。何度も見るたび「なぜ指名手配犯は捕まらないのだろう」と感じたことはありませんか?全国放送で何度も写真が公開されているのですから、既に全員捕まっていてもいいようなものです。それなのに、日本には現在も多くの指名手配犯が潜伏しています。なぜ指名手配犯が捕まらないのか、その理由を詳しく解説していきましょう。指名手配犯を捕まえるため、私たち一般市民ができることについてもご紹介します。

指名手配犯は570人以上!

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現在、日本に何人の指名手配犯が存在するかご存じですか?実は、かなりの人数が未だに逮捕されず指名手配されている状態です。こうした現状から、警察の怠慢を批判したくなる人も多いことでしょう。

しかし、日本の警察は世界的に見ても非常に優秀です。そして、指名手配人数が減らない理由は、必ずしも警察の怠慢ではありません。

「軽犯罪は指名手配されない」はウソ

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指名手配とは、一定の基準以上の事件が発生した時、警察が被疑者情報を公開し、全国民から情報提供を受けるシステムです。指名手配は、大きく2つに分けられます。

オウム真理教や連合赤軍の事件のように、重要度・凶悪度の高い事件は”警察庁指定被疑者特別指名手配”と呼ばれ、警察内部ではより重要視される案件です。それ以外は、一般的な”指名手配”や”国際手配”と呼びます。

警察内部では取り扱いが少々異なるものの、一般社会では警察庁指定被疑者特別指名手配も通常の指名手配も同様に扱われていますね。また指名手配は、どんな事件でも発生するんです。
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「窃盗や詐欺など軽犯罪の場合は指名手配されない」なんて声も聞きますが、実はそうでもありません。犯罪捜査規範31条や犯罪捜査共助規則7条には、逮捕状が発せられている被疑者の逮捕を依頼し、引き渡しを要求する際指名手配すると記載されています。

被疑者の身柄を確実に担当警察に引き渡す際も指名手配されるので、比較的軽い犯罪行為であっても対象になりえるのです。一般人が指名手配=凶悪犯罪といったイメージを持つのは、特集される事件が凶悪事件ばかりだからでしょう。

2021年8月時点の指名手配人数

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2021年8月時点で、日本の指名手配人数は570人以上存在します。この数字は毎年前後し、多い時には1,000人に迫る勢いです。

なぜこんなにも人数が上下するのかというと、指名手配は私たち一般人が思っている以上に簡単に発行されることと、毎日凶悪事件が発生しているから。犯罪件数は毎年減少しているものの、1年間に74万件以上も発生しています。(2019年時点)

2カ月で343人逮捕

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指名手配犯が570人以上存在するからといって、日本の警察の能力が低いわけではありません。2019年10~11月の2カ月間で、警察は343人の指名手配犯を逮捕しました。数字だけ見ると、半数以上の手配犯を逮捕したことになります。

たったの2カ月間で指名手配犯を半数以上逮捕できるのですから、すぐにでも指名手配犯が0になりそうなものですね。しかし、そう簡単な話ではないのです。前項でも解説したように、日々新しい指名手配犯が追加されています。

逮捕人数が追いつかない程、日夜手配される犯罪者がいるということなのです。

5年以上はたったの2人

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2019年10~11月に逮捕された指名手配犯343人の特徴について、もう少し解説していきましょう。逮捕された指名手配犯の90%以上は、逃亡期間6カ月未満の被疑者です。また残りのほとんども、逃亡期間は3年未満でした。

つまり、ほとんどの指名手配犯が、手配後早期に逮捕されているのです。5年以上の逃亡期間を有していたのは、たったの2人でした。日本の警察が、決して怠惰ではないことがわかりますね。

しかし同時に、2019年11月にも新たな指名手配犯が追加されています。既に手配され逮捕に至っていない人数と合わせると939人にもなるのです。指名手配犯の減少がいかに難しいかが、よくわかりますね。

指名手配犯が捕まらない理由8つ

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いくら警察官が奮起しても、残念ながら指名手配犯の人数は0になっていません。大勢の指名手配犯が逮捕される一方、逮捕に至らず現在も逃げ切っている被疑者が存在するのです。

全国に写真が公開され、地上波メディアでも特集されているのに、なぜ逮捕されない被疑者が存在するのでしょうか。逮捕に至らないのは、警察官の行動ばかりが原因ではないんです。私たち一般人にも、原因が存在します。ここからは、指名手配犯が捕まらない理由8つを、詳しく解説していきましょう。

理由1:手配写真が古い

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指名手配犯が捕まらない理由の1つは、手配写真が古いからです。当然のことながら、手配写真は犯罪行為当時のもの。年月が経つにつれ、実物と特徴がかけ離れていきます。そのため、手配写真の人物がたとえ身近に存在したとしても、結びつけることが難しいのです。

大きな傷やタトゥーなど、年月が経っても変わらない特徴があれば、市民の協力も得られますが必ずしも被疑者にそういった特徴が存在するわけではありません。進歩する技術を活用し、被疑者の数年後の姿を制作することもありますが、それでも完全に似せることはできませんよね。

髪型や服装、体型などが違えば全く別人に見えますし、新型コロナウイルスの影響によるマスクの定着も逮捕に至らない要因だと考えられます。

理由2:顔を変えている

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指名手配犯が捕まりにくい2つ目の理由は、顔の意図的な変化です。指名手配犯は美容整形によって顔の特徴を大きく変え、被疑者と認識されにく状況を作っている可能性があります。

外国人女性を殺害し逃走していた指名手配犯、1982年に殺人を犯し15年以上も逃走を続けた指名手配犯も美容整形を施し潜伏していました。しかしここで疑問を感じるのは、犯罪者に美容整形を施すような医師が存在するのかということ。

整形前の顔を間近で見れる医師なら、指名手配犯だと気付き整形を施さないだろうと感じますよね。ところが、美容整形を請け負うのは、一般的な美容外科ばかりではありません。無免許で他人に美容整形を施す人、外国籍の闇医者と呼ばれる人々も少なからず存在しているのです。
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彼らにとって顧客が犯罪者だろうと、金銭が受け取れれば特段問題はありません。また、外国人女性を殺害し約2年半逃亡生活をおくっていた市橋容疑者は、自分で整形したと公表しているのです。

市橋容疑者自らが語った手記”逮捕されるまで 空白の二年七ヶ月”の中で、一重まぶたを二重にしたり、下唇の厚みを薄くしたなどと語っています。

市橋容疑者の両親は共に医者だったことから、医学の知識が豊富だったのではないかと考えられるでしょう。医療道具も揃えられない中、裁縫道具で顔を縫い合わせたり、唇やほくろをハサミ等で切除したと公表していました。

理由3:既に死亡している

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