目次
- アウティングとは
- アウティングの意味
- アウティングと見なされる情報の種類
- アウティングの歴史
- カミングアウトとの違い
- 一橋大学アウティング事件の概要
- 一橋大学のロースクールの男子学生が自殺
- 同級生によるアウティングを苦に自殺したとされる
- 事件の経緯
- 事件前の大学の対応
- 両親が同級生と大学を相手に裁判を起こす
- 両親の主張
- 同級生の主張
- 大学側の主張
- 裁判の結果
- アウティングの問題点
- 当事者の意思を無視している
- 当事者が不利益を被る
- アウティングした相手がどう出るかわからない
- 当事者の信頼を裏切り傷つける
- 当事者が精神的に追い詰められる
- アウティング加害者の心理
- 漏らす内容がさほど重要だと思っていない
- 被害者に与える打撃が想像できない
- 自分だけでは抱えきれない問題だと感じている
- 被害者との人間関係に悩んでいる
- 性的マイノリティはカミングアウトを望んでいる？
- LGBT活動家にはカミングアウトできる世の中を理想とする人も
- カミングアウトを望まない性的マイノリティも多い
- カミングアウトはタイミングや対象も重要
- 「アウティング＝第三者によるカミングアウト」ではない
- アウティングは罪になる？
- 民事で訴えられる可能性あり
- 職場でアウティングがあった場合は会社も責任を問われることも
- もし性的マイノリティからカミングアウトを受けたら？
- 打ち明けてくれたことに感謝する
- 支える姿勢を見せる
- 下手に気遣いせず率直な気持ちを伝える
- 性的マイノリティについて学ぶ
- 聞いた内容を誰にも漏らさない
- アウティングは誰も幸せにしない
カミングアウトはタイミングや対象も重要
カミングアウトはすればそれでいいというものではありません。タイミングや誰にするかということがとても重要です。
まず、カミングアウトをする本人が自分の性的指向を受容し、理解している必要があります。性的指向を自認したからと言ってすぐに受け入れられるわけではありませんし、時間の経過とともに変化する部分もあります。
自分の受容が完了し、自分のことを理解してほしい相手に必要と思われるタイミングでカミングアウトすることが大切です。
まず、カミングアウトをする本人が自分の性的指向を受容し、理解している必要があります。性的指向を自認したからと言ってすぐに受け入れられるわけではありませんし、時間の経過とともに変化する部分もあります。
自分の受容が完了し、自分のことを理解してほしい相手に必要と思われるタイミングでカミングアウトすることが大切です。
「アウティング＝第三者によるカミングアウト」ではない
「ＬＧＢＴはカミングアウトするのが良いこと」という間違った認識が広まってしまっている現在、アウティングは性的マイノリティの人のカミングアウトを手助けしているという恐ろしい誤解が起きる可能性があります。
先述した通り、性的マイノリティの中には「カミングアウトしたくない」「ほっておいてほしい」「プライバシーを守りたい」と思っている人がたくさんいます。
そんな人たちにとって、アウティングは単なる「第三者によるカミングアウト」ではありません。ハラスメントであり、暴力なのです。
先述した通り、性的マイノリティの中には「カミングアウトしたくない」「ほっておいてほしい」「プライバシーを守りたい」と思っている人がたくさんいます。
そんな人たちにとって、アウティングは単なる「第三者によるカミングアウト」ではありません。ハラスメントであり、暴力なのです。
アウティングは罪になる？
アウティングが当事者に多大な被害を与え、人権を侵害する行為であるでのは解説してきたとおりですが、法的な責任は発生するのかそれも気になるところでしょう。
今回紹介した一橋大学アウティング事件では刑事上の罪には問われていませんが、アウティングの仕方によっては名誉棄損罪にあたる場合もあります。またアウティングをちらつかせて金品を要求した場合は恐喝罪、命令などをした場合は強要罪にあたります。これは未遂であった場合も処罰の対象になります。
今回紹介した一橋大学アウティング事件では刑事上の罪には問われていませんが、アウティングの仕方によっては名誉棄損罪にあたる場合もあります。またアウティングをちらつかせて金品を要求した場合は恐喝罪、命令などをした場合は強要罪にあたります。これは未遂であった場合も処罰の対象になります。
民事で訴えられる可能性あり
刑事責任を問われなければ、罪にならないのかというとそうとも限りません。アウティングの当事者や、代理人によって損害賠償請求など民事で訴えられる可能性は十分にあります。
プライバシーの侵害、名誉棄損、セクハラなどアウティングの状況により罪の名目は変わりますが、民事上の責任を問われるでしょう。
ただ名誉棄損に関しては「性的マイノリティであることが名誉を棄損する」と原告側が主張することになりますので、成立させるのは抵抗がある人が多いようです。
プライバシーの侵害、名誉棄損、セクハラなどアウティングの状況により罪の名目は変わりますが、民事上の責任を問われるでしょう。
ただ名誉棄損に関しては「性的マイノリティであることが名誉を棄損する」と原告側が主張することになりますので、成立させるのは抵抗がある人が多いようです。
職場でアウティングがあった場合は会社も責任を問われることも
職場でアウティングがあった場合、職場の危機管理の不備によりアウティングが起こったのではないかという管理責任を問われることが考えられます。
実際「一橋大学アウティング事件」でも、棄却されたとはいえ大学側が損害賠償請求をされています。アウティングされた当事者からすれば、所属するコミュニティにセクハラの被害を訴えれば対応してもらえるものと考えるのが自然ですので責任を問われるのは当然のことでしょう。
会社側は、セクハラやパワハラと同様にアウティングにも真摯に対応する必要があります。
実際「一橋大学アウティング事件」でも、棄却されたとはいえ大学側が損害賠償請求をされています。アウティングされた当事者からすれば、所属するコミュニティにセクハラの被害を訴えれば対応してもらえるものと考えるのが自然ですので責任を問われるのは当然のことでしょう。
会社側は、セクハラやパワハラと同様にアウティングにも真摯に対応する必要があります。
もし性的マイノリティからカミングアウトを受けたら？
アウティングしてしまう加害者の中には、カミングアウトされてキャパシティーを超えてしまった、どうすればよいのかわからなくなってしまったという人が少なからずいます。
突然のことで戸惑ってしまうのは仕方のないことです。経験がないことに人間は恐怖を覚えてしまうものですから、精神的に追い詰められることもあるかもしれません。
性的マイノリティの人があなたを信頼してカミングアウトしてくれたら、どのように対応するのが適切なのか考えてみましょう。
突然のことで戸惑ってしまうのは仕方のないことです。経験がないことに人間は恐怖を覚えてしまうものですから、精神的に追い詰められることもあるかもしれません。
性的マイノリティの人があなたを信頼してカミングアウトしてくれたら、どのように対応するのが適切なのか考えてみましょう。
打ち明けてくれたことに感謝する
まずは当事者が打ち明けてくれたことに感謝をしましょう。カミングアウトに至るまで、悩み、タイミング計っていたに違いありません。あなたに信頼をよせて、カミングアウトしてくれたのです。
「打ち明けてくれてありがとう」「よく話してくれたね」と一言添えるだけで、当事者の気持ちはほぐれることでしょう。最低でもそれさえ伝われば、あなたに打ち明けてよかったと思ってくれるかもしれません。
あなたが信頼に足る人物であると、一人の人間に選ばれたことを誇りに思いましょう。
「打ち明けてくれてありがとう」「よく話してくれたね」と一言添えるだけで、当事者の気持ちはほぐれることでしょう。最低でもそれさえ伝われば、あなたに打ち明けてよかったと思ってくれるかもしれません。
あなたが信頼に足る人物であると、一人の人間に選ばれたことを誇りに思いましょう。
支える姿勢を見せる
ただ知っていて欲しかった、悩みを共有してほしかったなど当事者がカミングアウトしてくれた理由は人それぞれです。どのような理由にせよ、否定的な立場を取らず支える姿勢を見せましょう。
性的マイノリティに関する話ではなくても、ずっと人に話すことができなかったことを打ち明けた時に、否定されたり叱咤されるととてもつらい気持ちになります。
これからもあなたの相談にのります、という態度をみせれば当事者も安心してあなたに話をすることができるでしょう。
性的マイノリティに関する話ではなくても、ずっと人に話すことができなかったことを打ち明けた時に、否定されたり叱咤されるととてもつらい気持ちになります。
これからもあなたの相談にのります、という態度をみせれば当事者も安心してあなたに話をすることができるでしょう。
下手に気遣いせず率直な気持ちを伝える
性的マイノリティであるからといって特別な気遣いは必要でしょうか。きっと多くの性的マイノリティの人は、「必要ない」と答えるでしょう。
特別な気遣いはある意味「差別」です。異性愛者の友人に、恋愛相談をされて気遣いをしますか？失恋をして深く傷ついているなら話は別ですが、率直な意見のやり取りをしましょう。
カミングアウトをしたとたん特別扱いをされて喜ぶひとはそう多くありません。今まで築いてきた関係のままで、自然に性的マイノリティの話をするのがベストです。
特別な気遣いはある意味「差別」です。異性愛者の友人に、恋愛相談をされて気遣いをしますか？失恋をして深く傷ついているなら話は別ですが、率直な意見のやり取りをしましょう。
カミングアウトをしたとたん特別扱いをされて喜ぶひとはそう多くありません。今まで築いてきた関係のままで、自然に性的マイノリティの話をするのがベストです。
性的マイノリティについて学ぶ
差別の根本にあるのは、先入観と無知です。あなたが性的マイノリティの人にカミングアウトされてどうしていいかわからない、怖い、と感じるのは性的マイノリティに関して無知だからです。
まずは性的マイノリティについて知識を付けましょう。わからないことがあったら、調べるのが当たり前です。ある程度知識が付けば恐怖心は消えていきます。
どうしても理解できない、どうしていいかわからないことがあるなら本人に聞いてみるのも良いでしょう。友人なのですから、無神経にならない言い方で質問してみてはどうでしょうか。
まずは性的マイノリティについて知識を付けましょう。わからないことがあったら、調べるのが当たり前です。ある程度知識が付けば恐怖心は消えていきます。
どうしても理解できない、どうしていいかわからないことがあるなら本人に聞いてみるのも良いでしょう。友人なのですから、無神経にならない言い方で質問してみてはどうでしょうか。
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