2019年3月12日 更新

綺麗事の意味や具体例は?日本人が綺麗事を好む心理と嫌われる理由

日本人は「きれいごと」を好むとよくいわれます、理念や理想と現実にギャップがあることを「きれいごと」と言いますね? それでは「きれいごと」を「きれいごと」にしてしまわないためにはどうしたらいいのか?一緒に見ていきましょう。

目次

言っても良い?綺麗事が悪とは言い切れない理由

Roses Bouquet Congratulations - Free photo on Pixabay (97543)

「きれいごと」は理念、理想になります。
「エゴイストで何が悪い」と開き直ることは、どこかの政治家が「自国の経済だけ考えて何が悪い」と開き直るのに似ているのです。

それを「よくぞ正直に言ってくれた!」と感心するか、醜悪と感じるかは、人それぞれですが、それでは次に「きれいごと」を偽善として簡単には切り捨てられないという事について考えてみましょう。

理想を持つことは悪いことではない

Japan Flag National - Free image on Pixabay (97556)

世界や人を信頼するような、自己肯定感はとても大切なものなのです。

ところが自己肯定感はまた矛盾も起こすのです。理想や理念を追及するあまり、現実やありのままの自分が見えなくなる、自分に都合のいい自分しか見えなくなる、あるいは、「エゴイストで何が悪い」と開き直ってしまうのも、現実が見えなくなるのと同じように自己満足でしかなくなるのです。

自己肯定感と、自己満足は似て非なるものなのです。

シモーヌ・ヴェイユの言葉に「純粋さだけが、悲惨をみつめうる」というものがあります。
この言葉には、理想を追求して、それになるべく自己を近づけようとした、シモーヌ・ヴェイユの血のにじむような努力のあとがうかがえます。

世界の理不尽や不平等をそのまま肯定はできない、理想を持つのは偽善に過ぎないといっても、現実のあるがままの世界にも自分にも開き直ることもできない。

理想や理念を惡と決めつけることができないのは、そうした理想や理念があってこそ社会は進歩してきたからなのです。
また、そうしたものがあるからこそ、本音を言って何が悪いとばかりに開き直ったり、自己満足することができないようにできているからなのです。

争いや不和を避けるために使われることも多い

Land Iguana Galapagos - Free photo on Pixabay (97571)

とても評判の悪い「社会ダーウィニズム」というものがありました。
弱肉強食をそのまま社会にあてはめようとしたものですね。ナチスの人種的な優性遺伝思想はその影響を強く受けています。優れたものが勝ち、で劣ったもの、役に立たないものはいらないといった感じですね。

ところが「社会ダーウィニズム」が過去の遺物でもないのは、資本主義にも「勝ち組・負け組」のような、弱肉強食の影響があるからです。
「自助努力」や「アメリカンドリーム」が幻想に過ぎないんじゃないか、という事になったのは割と最近のことですね?

クロポトキンには「相互扶助」で、生物が共存して繁栄してきたという思想があります。
全体の調和という意味では、仏教やキリスト教に近い思想です。

無駄なものは何一つない、という考え方です。それが「きれいごと」にすぎなくても、争いを避けるためには、こういった考え方はとても重要です、「自分は他人より優れていたい」という欲望がある限り、暴力はなくなりません。劣等感もそうした欲望から出てきます。

綺麗事に励まされる人もいる

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また、落ち込んでいる友人を励ますときは、「きれいごと」が励ましになることもあります。

「なんといっても僕にとって一番美人なのは君だよ!」あるいは「君はすごく才能があるよ!」または、「あなたのような素敵な人に会えるなんてすごく幸せだ!」といった、たとえ歯の浮くようなリップサービスでも落ち込んでいる人の力になることがあります。

言われる方も「大げさな」と思いつつ、落ち込んでいる時は結構うれしかったりしますね。

自分を奮い立たせるために役立つ場合もある

Confidence Text Letters - Free image on Pixabay (97750)

また、「くよくよするな」「明日は明日の風が吹く」といった「なんとかなるさ」的なきれいごとなメッセージは落ち込んでいる時の励ましになりますよね?

ここまで落ち込んだんだから、あとは明るいだろう・・といった楽観的な展望です。
自分を励ますときによく使うのが、こういった楽観メッセージですね。

綺麗事と言われないためには

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今まで、「きれいごと」のよい点と悪い点をご紹介してきましたがどうでしょうか?

人から「きれいごと」「偽善者」といわれないために必要なのは行動と、信念です。また、絶えず自分を振り返って内省する力を持つことです。また、努力も必要ですね。
そして何より必要なのは、他人からどう思われようとかまわないくらいに強くなることです、

他人に見せるためのものは、それが偽悪であれ、すべて偽善と同じようなものになるでしょう。

まず、自分を信じられるくらいに強くなることが一番大切なことでしょう。

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