2019年8月13日 更新

セーマンドーマンは海女さんのお守り?効果やユダヤとの関係とは

セーマンドーマンという言葉を聞いたことがありますか?ユダヤや神社に関係する、三重県志摩地方の海女さんたちの間で使われていたお守りなんです。今でも使われることがあるというセーマンドーマンの効果とはいかほどものなのでしょうか?

セーマンドーマンとは

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セーマンドーマンは、三重県の鳥羽市と志摩市の『志摩地方』と呼ばれる海の海女(あま)が身につける魔除けです。ドーマンセーマンとも言われ、「セーマン」+「ドーマン」=「セーメー」と呼んでいます。

星形の印を『セーマン』と呼び、格子状の印を『ドーマン』と呼びます。磯手拭や襦袢などに、貝紫色or黒糸で書き記し、海での安全を祈願するものです。磯ノミ、磯ジャツ(上着)、磯メガネなど、海女の用具全般に記されたり、漁夫の褌に記されることもあります。

星形の印は一筆書きでき、元の位置に戻ってこれることから、海女達の言い伝えで「元の場所に戻る」=「無事に戻ってこられる」と祈りを込められ、始めも終わりもなく魔物の入り込む余地がないものとされ、格子状の印は「多くの目で魔物を見張る」ものと祈りを込められました。

セーマンは安部清明

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星形の印は、安倍晴明(あべの せいめい)の判紋と同じ形状であることから、セーマンは安倍晴明に由来するとも言われます。

安倍 晴明は、921年に摂津国阿倍野(現・大阪市阿倍野区)に生まれました。出生は明らかにはされていませんが、大膳大夫・安倍益材or淡路守・安倍春材の子供と推測されている、平安時代の陰陽師です。平安時代中期の貴族陰陽師『賀茂忠行・保憲』父子に陰陽道を学び、天文道を伝授されたと言われます。

鎌倉時代から明治時代初めまで『陰陽寮(日本の律令制において中務省に属する機関のひとつで、占い・天文・時・暦の編纂を担当する部署)』を統括し、日本の朝廷に仕えた公家『安倍氏』の祖。官位は『従四位下(日本の位階及び神階における位のひとつで、正四位の下、正五位の上)』・播磨(兵庫県南西部)守です。

ドーマンは蘆屋道満

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格子状の印は、道家により呪力を持つとされた9つの漢字『九字紋』と同じ形状であることから、ドーマンは蘆屋道満(あしや どうまん)の名に由来するとも言われます。

蘆屋道満は、道摩法師(どうまほうし)と呼ばれ、平安時代の呪術師、非官人の陰陽師です。生没年不詳で、道摩法師と道満は別人であるという説も存在し、実像については不明な点が多いです。

江戸時代の地誌『播磨鑑』によると、播磨国岸村(現・兵庫県加古川市西神吉町岸)の出身とされ、播磨国の民間陰陽師集団出身とも伝えられています。

江戸時代までの文献では、安倍晴明のライバルとされ「正義の晴明」と「悪の道満」という扱いをされました。安倍晴明が伝説化されるのと共に、道満の伝説も拡散し、日本各地に「蘆屋塚」「道満塚」「道満井」の類が数多く残っています。

今もセーマンドーマンは使われている?

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ウェットスーツの普及で、セーマンドーマンの風習は急速に廃れつつありますが現代も残っています。伊勢志摩の神島地方の海女は『セーマン』『ドーマン』を合わせて「セーメー」と呼んでいます。

安倍晴明判紋は『晴明桔梗』とも呼ばれ『五芒星』と同じ形をしている。『五芒星』とは、互いに交差する長さの等しい5本の線分で構成され、中心に五角形が現れ、5つの角を持つ星の図形です。五光星、五稜星、五角星、五線星、星型五角星、星型正五角形とも呼ばれます。

英語では『Five-Pointed Star』『pentagram(ペンタグラム)』と呼ばれます。九字紋は、横5本縦4本の線からなる『九字護身法(「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前」の九字の呪文と九種類の印によって除災戦勝等を祈る作法)』によってできる図形『格子形』をしていますが、必ずしも9本とは限りません。

頭巾に書く人もいる

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三重県の現・鳥羽市と志摩市『志摩地方』の海女が、仕事着で使うスーツの上からセーマンドーマンの描かれた頭巾を付けるなど、現代でも魔除け、魔おどし、龍宮にひきこまれるのを防ぐためのおまじないとして残っています。

映画にもなった小説『帝都物語』では、恐るべき超人的能力から「魔人加藤」とも呼ばれる主人公の加藤保憲が「ドーマンセーマン」を縫いこんだ白いハンカチと手袋が劇中で使用されています。

テレビゲーム『豪血寺一族』では、使用されているBGM「レッツゴー!陰陽師」のサビ部分の歌詞に「ドーマン セーマン」と繰り返される部分があります。

道具に書く人もいる

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海に素潜りし、アワビやサザエなどを獲るのが『海女』です。奈良時代の万葉集には「あま」という言葉が詠まれ、平安時代中期に、律令の補完のために出された法令or法令集『格式(きゃくしき)』である『延喜式(えんぎしき)』には、志摩に約30名の『潜女(かづきめ)』がいると書かれています。

もっと時代をさかのぼると、弥生時代の遺跡からもアワビを獲るための道具が出土しているそうです。

長い歴史を持つ海女の間には、命や生活を守るために「ある文様を身に着けるおまじない」として独自の風習が生まれ、アワビを獲るための道具にはそのまま刻まれ、手ぬぐいなどの身に着けるものには刺繍が施されました。

セーマンドーマンの効果

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海や山のような自然にたずさわる場所には、様々な『魔物』が存在するとして恐れられてきたので、もれなく多くの伝説が残されています。海女の仕事場は海で、状況や環境により命に危険が伴う仕事なので、安心して仕事ができるようにつくられました。

セーマン・ドーマンは、他人の怨恨や悪意を除き守ってくれる護符です。人は無意識のうちに、他人の悪意や怨恨の対象となっている場合があり「誰にも恨まれたり嫌われたりする覚えはない」と思っていても、目に見えない悪意は確認する事もできません。

他者からの悪意は、幸福や吉運の来訪を台無しにします。セーマン、ドーマンを紙に記し携帯すれば、悪意の襲来を未然に防げるそうです。

魔除け

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『セーマンドーマン』は、三重県の現・鳥羽市と志摩市である『志摩地方』の海女が身につける魔除けとして使われ始めましたが、現在ではたくさんの日常的なお守りの一つとしても人気があるものです。

星のマークは、陰陽師『安部清明』に由来されるものとされ『セーマン』 と呼ばれ、一筆書きで必ず同じ場所に戻ってくることから「潜っても必ず浮上できる」と信じられています。

格子縞のマークは、陰陽師の安部清明のライバルとして有名な『蘆屋道満』に由来されるものとされ『ドーマン』と呼ばれ、格子縞は出入り口がわかりにくい為「魔物が入りにくく悪霊から逃げられる」と信じられています。

邪気を払う

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セーマンは『晴明桔梗』『安倍清明判』と呼ばれ、陰陽道で「魔除けの呪符」として伝えられる「木・火・土・金・水」を表す『五芒星』です。木を頂点に時計回りに「木は土に剋(か)ち、土は水に剋ち、水は火に剋ち、火は金に剋ち、金は木に剋つ」という陰陽道の基本概念である陰陽五行説を表しています。

ドーマンは、護身の秘術として唱える呪文で、臨(リン)兵(ピョウ)闘(トウ)者(シャ)皆(カイ)陣(ジン)烈(レツ)在(ザイ)前(ゼン)の九文字からなる『九字真言』です。自分に襲い掛かろうとする邪悪なものに「臨む兵、闘う者、皆 陣烈(裂、列)れて(きて)前に在り」と宣言し魔を避けると言われます。

この文字を唱えながら線を描くことを『九字切り』と言い、全ての災いを除き身を守るといわれています。九字切りは道家から陰陽家、密教の僧などに広がり、一般の人でも精神を集中するのに役立つとされています。

安心効果

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