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どどめ色は方言だった?名前の由来は?
「どどめ」は方言で、桑の実のことです。「どどめ色」は熟した桑の実のような深い青紫色で、英語ではマルベリー(mulberry)と言います。どどめは漢字では「土留め」と書き、土砂崩れを防ぐための堤防を指します。この土留めとして桑が植えられたために、桑の実のことを「どどめ」と呼んでいるのだそうです。
「どどめ」がどこの方言なのか、また他の意味はあるのかも併せて、詳しくご紹介していきましょう。
「どどめ」がどこの方言なのか、また他の意味はあるのかも併せて、詳しくご紹介していきましょう。
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養蚕が盛んな地域の方言
「どどめ」は栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都(南多摩郡、八王子)、神奈川県、長野県などで使われています。主に北関東を中心として使われていたことが分かりますが、これらの地域の共通点として、養蚕業が盛んであったという点が挙げられます。
例えば、日本初の本格的な器械製糸工場である富岡製糸場は群馬県富岡市にあります。また、古くから絹織物で栄えていた東京都八王子では、江戸時代から生糸の輸出が始まっており、長野県、山梨県、埼玉県西部、群馬県の生糸が八王子を通り横浜に運ばれるようになりました。言うなれば日本のシルクロードと言ったところです。八王子も、また八王子を経由して生糸を輸出していた県の大半も、「どどめ」という言葉が使われていたことが分かり、興味深いです。
例えば、日本初の本格的な器械製糸工場である富岡製糸場は群馬県富岡市にあります。また、古くから絹織物で栄えていた東京都八王子では、江戸時代から生糸の輸出が始まっており、長野県、山梨県、埼玉県西部、群馬県の生糸が八王子を通り横浜に運ばれるようになりました。言うなれば日本のシルクロードと言ったところです。八王子も、また八王子を経由して生糸を輸出していた県の大半も、「どどめ」という言葉が使われていたことが分かり、興味深いです。
また、少し離れた地域では、和歌山県伊都郡でも桑の実のことを「どろみ」と言っていたそうです。紀州は古代から養蚕が盛んで、江戸時代には藩が「養蚕方」という役所を設置して積極的な養蚕政策を行なっていたそうです。
蚕の食べ物は桑の葉ですから、養蚕業が盛んな所では桑の木がたくさん見られたでしょう。その熟した実は独特の色で、目に留まったに違いありません。そこからどどめ色と言う言葉が生まれたのだと考えられます。
蚕の食べ物は桑の葉ですから、養蚕業が盛んな所では桑の木がたくさん見られたでしょう。その熟した実は独特の色で、目に留まったに違いありません。そこからどどめ色と言う言葉が生まれたのだと考えられます。
土木業界用語が由来?!
また、どどめは土木業界用語としても知られています。こちらも漢字で「土留め」もしくは「土留」と書き、法面(のりめん。人工的な斜面のこと)や段差が崩れないように設置される構造物を指し、土留壁や支保工(しほこう)から構成されます。
現在ではコンクリートや銅管杭、コンクリートなどが使われますが、江戸時代では木製の板や石が使われており、どどめ色とはその板や石の色を指すという説もあります。もしこの説が正しいのであれば、どどめ色は泥のようなくすんだ灰色もしくは茶色となり、桑の実色とは全く違ってきます。
ちなみに土留は縄文時代末期から弥生時代の稲作文化がもたらされた頃からあるそうで、静岡県の登呂遺跡では土留に使われていたと思われる木の杭が発見されています。自然と人との戦いは大昔から繰り広げられ、様々な技術が編み出されて現代に至ったことを思うと、感慨深い気持ちになります。
現在ではコンクリートや銅管杭、コンクリートなどが使われますが、江戸時代では木製の板や石が使われており、どどめ色とはその板や石の色を指すという説もあります。もしこの説が正しいのであれば、どどめ色は泥のようなくすんだ灰色もしくは茶色となり、桑の実色とは全く違ってきます。
ちなみに土留は縄文時代末期から弥生時代の稲作文化がもたらされた頃からあるそうで、静岡県の登呂遺跡では土留に使われていたと思われる木の杭が発見されています。自然と人との戦いは大昔から繰り広げられ、様々な技術が編み出されて現代に至ったことを思うと、感慨深い気持ちになります。
どどめ色に含まれる意味
どどめ色が「桑の実色」だとしたら、深みのある青紫色できれいなのですが、ネガティブな意味もいくつかあります。どのような意味があるのかご紹介しましょう。
不明瞭な
どどめ色は正確な定義が分からず、桑の実色なのか泥のついた板の色なのかはっきりしていないことから、慣用句として「不明瞭な」という意味が与えられることがあるようです。また、紫色自体が「赤でも青でもない色」ということから「不明瞭な」というイメージがありますので、さらに黒に近く、色がはっきり分からないどどめ色(桑の実色)にもそのイメージが抱かれるのかもしれません。
ただ、不明瞭なものは、考え方を変えると神秘的だとも言えます。日本では深紫(黒みがかった紫)を高貴な色とし、冠位の最上位の服の色にしていたこともあり、上品さを感じさせる色です。
ただ、不明瞭なものは、考え方を変えると神秘的だとも言えます。日本では深紫(黒みがかった紫)を高貴な色とし、冠位の最上位の服の色にしていたこともあり、上品さを感じさせる色です。
病的な
どどめ色は寒い時の顔や唇の色にも例えられ、「病的な」という意味もあります。「そんなどどめ色しては、水浴びしちゃなんねぞ」(そんなどどめ色の顔や唇では、水浴びをしてはいけないよ)と言うように使われます。
また、子供が絵を描くときに紫を使うのは、精神的なショックを受けた時や、病気の回復期だと言われています。青でも赤でもないあいまいな紫という色は、神秘的でありながらも、どこか病的な、人を不安にさせるような要素を持ち合わせているのかもしれません。
また、子供が絵を描くときに紫を使うのは、精神的なショックを受けた時や、病気の回復期だと言われています。青でも赤でもないあいまいな紫という色は、神秘的でありながらも、どこか病的な、人を不安にさせるような要素を持ち合わせているのかもしれません。
汚い
漫画「パタリロ!」の主人公、パタリロのパンツは大変汚く、「3mの棒の先でもさわりたくない」と言われるシーンまであります。そんな彼のパンツの色は「どどめ色」。どどめ色に「汚い」というイメージがあることが良く分かります。
「パタリロ!」の作者である魔夜峰央は新潟出身ですが、一時期埼玉に住んでいました。最近映画化され大ヒットとなった「翔んで埼玉」はその頃描かれたものです。おそらく、どどめ色という言葉もその頃知ったのでしょう。
「パタリロ!」の作者である魔夜峰央は新潟出身ですが、一時期埼玉に住んでいました。最近映画化され大ヒットとなった「翔んで埼玉」はその頃描かれたものです。おそらく、どどめ色という言葉もその頃知ったのでしょう。
どどめ色といったら何を想像する?
「どどめ色」という言葉にはネガティブな意味も含まれていますが、では具体的にイメージされるものは何でしょうか。いくつかご紹介していきましょう。
青アザ
どどめ色は青アザの色を形容する時にも使われます。どどめ色に「病的な」というイメージがあるのも、青アザの色だからかもしれません。青アザは机の角などに体をぶつけた時、内出血で皮膚の下に血が広がり、その血が酸素の影響を受け青く染まることでできるものです。
青あざは打ち身以外に、加齢や女性ホルモンの影響、サプリメントや薬の摂取によるもの、血液の病気など様々な理由でできます。もし体に原因不明のどどめ色のアザができたら、病院に行った方が良いかもしれません。
青あざは打ち身以外に、加齢や女性ホルモンの影響、サプリメントや薬の摂取によるもの、血液の病気など様々な理由でできます。もし体に原因不明のどどめ色のアザができたら、病院に行った方が良いかもしれません。
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