2019年7月16日 更新

あわせ鏡は良くない?不吉と言われる理由や様々な言い伝え

最近ではスマホのカメラ機能でも、自分の顔を見られる便利な世の中になりましたが、朝の身だしなみなどでは今現在も鏡を使いますよね?身近な物のわりに鏡は、怖い話や言い伝えが多い物でもあります。今回はその中でも、特に怖い話の多い「あわせ鏡」について紹介していきます。

目次

鏡には普段みられないものが写る

Rearview Mirror Windshield Car - Free photo on Pixabay (482781)

先程も紹介した通り、鏡が登場したのは弥生時代と言われていますが、庶民が鏡を使うことが出来るようになったのは江戸時代です。しかし、まだ歪みが多く、現在のような歪みのないガラスで出来た鏡は、明治維新後からなのです。

それでも、まだカメラも写真も無い時代、あわせ鏡をして初めて自分の後頭部を見た衝撃は、現代人が考える以上のものでしょう。人の目は当然後頭部には付いていません。その為、あわせ鏡ではなくとも、少し角度をズラせば正面を向いたままでも後ろの景色を観ることもできます。

現代で言えば、車のルームミラーやバックミラー、道路に立っているカーブミラー、それ以外に日常の鏡もサイズが大きくなった分、トイレや街中などでも、後ろから誰かが近づいて来たことも確認出来るようになりました。鏡にはこのように、普段は見れないものが写ることもあることから、「余計な物が写ったらどうしよう…」という恐怖感が湧いてくるのかもしれません。

普段見られないもの=不思議・神秘的

Animal Cute Cat - Free photo on Pixabay (482813)

現代では、生まれた時から1度も鏡を見たことが無いという人は少ないでしょう。今ではすっかり当たり前に存在する鏡ですが、改めて「何故物が写るのか?」という、科学的理由をきちんと説明出来る人もまた少ないかもしれません。

鏡という存在を全く知らず、生まれて初めて自分が写った時、昔の人はとても不思議で恐怖心すら持ったでしょう。猫や犬などが、鏡に映る自分に威嚇するのとあまり変わりのない状況だったと考えられます。生まれたばかりの赤ちゃんも、不思議そうな顔で鏡を眺めます。

その為、普段見られなかったものが見えるのは何故?不思議…という感情から、神秘的や恐怖心などの感情を抱いてしまうのかもしれません。

あわせ鏡が不吉と言われる理由②

Portrait Grim Girl - Free photo on Pixabay (482841)

科学的に検証しようする理系の人達があまり怖い話を信じないのは、様々な科学的知識や論理などに当てはめ、現象を考えることが出来るからです。

しかし、そのような知識の無い者にとって、やはり自分の口では鏡などの原理を説明出来ないということが、怖さを感じてしまうのかもしれません。

特に日本人は、八百万神(やおろずのかみ)信仰や自然崇拝、すべての物には魂が宿るというアニミズムの考えがある為、科学的にばかり考えづらい人種とも言えるでしょう。目には見えないものを大切にする分、鏡には何か特別な力を感じやすいのです。ここでは、もう少し「あわせ鏡」が不吉と言われる理由を検証していきます。

1枚の鏡には実際に存在するものを移す

Woman Girl Beauty - Free photo on Pixabay (482872)

1枚しか鏡を使わない場合、そこに写る物は基本的に実際に存在している物です。自己認知と鏡の中が一致せず、「これは自分じゃない!」と悲鳴を上げたいという人もいるかもしれませんが、悲しいことにそれが現実な訳です。

鏡の怖い話では、例え1枚の鏡だったとしても、現実の自分が写っている背後に何者かが見えるという話になりますが、普通に人であることも多い為、一応それはリアルな現状を映し出していると言っていいでしょう。

よくありがちな、タクシーに乗り込んだ人が消えた後、シートがびちょびちょに濡れていたという怖い話も、もしかすると座っていた女性がミラーから外れる位置にズレていたり、シートから落ちていたという状況を映し出していただけという可能性もあるのです。

2枚目の鏡には1枚目の鏡の中の実際には存在しないものが写る

Doll Looking In Mirror Creepy - Free photo on Pixabay (482887)

遊園地でミラーハウスに入ったことがある人なら分かりますが、「あわせ鏡」状態になっている場合、実際は1つの鏡にしか自分は写っていないのに、自分の分身がたくさん登場する状況になります。

「あわせ鏡」で、鏡の中に鏡という風に角度を調整すると、無限に同じような絵が広がっていきます。実際は2枚の鏡を持っているまたは鏡の前に立っている自分1人しか存在していないのに、あたかもたくさんそこに自分がいるという状況を生み出すのです。

実際には存在しないものが写る…、このことが何となく不安感を煽ってしまうのでしょう。

存在しないものが写し出される鏡には、存在しない他のものが写り込みやすい

Hand Silhouette Shape - Free photo on Pixabay (482899)

無限に写し出される状況でも、現実には存在しない数が見えていることで、不思議さと不安感を持っている状態の中鏡を見ると、何か他のものが写り込んでいるのではないか?という感情が湧いてきます。

特に元々怖い話を観たり聴いたりした後や、特に意識していなかったのに、「あわせ鏡」をした時間が丑三つ時だったりすると、人は更に恐怖心を持ってしまうでしょう。

そのような恐怖心を煽られている状況で「あわせ鏡」を見ると、存在しないものが写り込んでいるように見えるだけと科学者は分析します。しかし、世の中には科学的に証明しきれないことも、100%絶対だということもありません。もしかすると、本当に写り込んでいる場合も否定しきれないものです…。

あわせ鏡が不吉と言われる理由③

Eyes Fear Female - Free photo on Pixabay (482920)

ここまでで、あわせ鏡が不吉と言われる理由として大きな共通点として上げられるのは、「未知との遭遇」や「不思議な現象」では無いでしょうか?

人間は頭で理解しきれないものやことに対して、恐怖心を抱くか、無かったことにするかという2パターンの思考や感情があります。無かったことにするという人は、迷信や非科学的だと拒否し、恐怖心を抱いた人は怪奇現象として怖さを抱いてしまうのかもしれません。

ここでは更に、あわせ鏡が不吉と言われる理由を検証していきます。

あわせ鏡をすると空間が永遠と続く

Galaxy Fog Kosmus - Free photo on Pixabay (482925)

何度か述べていますが、例えば大き目の鏡でうまく角度を調整した場合、鏡に写り込む自分や、鏡に鏡が写っているという無限の空間が一見あるように見えます。

目に見えぬものの存在をわりと信じやすい日本人なだけに、目には見えているのにそこは実際にある空間では無いということが、何となく不気味さを感じてしまうのかもしれません。

更に、いくら目には見えていても、その無限空間には入れないのです。しかし、もしそのあわせ鏡に自分が写り込んでいたなら、鏡の中にはたくさんの自分が見えるのに、それはやはり自分では無いという矛盾が、益々不安を呼び寄せるということも考えられるでしょう。

普段見られない無限の世界が広がり続ける

Kaleidoscope Pattern Kaleydograf - Free image on Pixabay (482957)

あわせ鏡をすることにより、普段見られない無限の世界が広がり続けます。その為、恐怖を感じる人もいれば、それを美しさに使う人達も多く存在しています。

万華鏡もそうですが、例えば19世紀にフランスで活躍していた画家、エドゥアール・マネが1882年に完成させた作品、「フォリー・ベルジェールのバー」という油絵は、あわせ鏡から観た景色を描いたことが2008年に発見されました。

その他にも、あわせ鏡は舞台や映画などの演出や、現代アートにも使用されていることから、普段見られない無限の世界なだけに、インスピレーションが沸き上がるのかもしれません。怖さや不吉さを感じる人も、もしかすると怖いという方向に、インスピレーションが閃いてしまうという可能性が考えられます。

無限の世界は生物界・現実ではありえない空間

Tree Forest Path - Free photo on Pixabay (483053)

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