2019年4月4日 更新

フランスは黒人の割合が多い?差別の歴史とサッカーフランス代表の実情

2018年のサッカーワールドカップで優勝したフランス代表に黒人選手が多かったことが話題を集めました。確かにフランスは移民国家という印象が強いですが、実際に黒人の割合が多いのでしょうか?今回はフランスにおける黒人を含む移民の実態や差別の歴史について解説します。

目次

オイルショック後国境閉鎖及び移民の停止

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フランスは順調に経済成長を続けていましたが、1973年に起きた第一次オイルショックにより、経済成長が鈍化します。事態を重く見た政府は、翌年に国境を閉鎖、移民の受け入れ停止に踏み切りました。

大きな理由は経済の先行き不安ですが、移民によるストライキが相次いだことも原因の一つです。移民の受け入れを始めた当初から労働環境の悪さが問題になっており、移民の不満が噴出しました。移民が権利を主張し始めたことで、移民に対する差別的な感情が生まれます。

移民に対する国民感情の悪化に不景気が重なり、国は移民に対して厳しい措置を取らざるを得なくなったのです。

1976年「帰国奨励政策」を開始するが…

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政府は移民の増加に歯止めをかけるべく、1976年に「帰国奨励政策」を開始します。帰国奨励政策とは、移民が帰国すれば奨励金を支給するという内容でしたが、大した効果はありませんでした。

この時期から現在に至るまで、フランス政府は基本的に移民流入を制限する政策を取り続けています。90年代後半になると、景気が回復の兆しを見せたことや少子高齢化が問題になったことから、一部で制限を緩和したこともありました。

しかし、近年は再び景気が後退し、移民に対する感情が悪化しています。移民の増加とそれに伴う差別はフランスのみならず、世界中で問題になっています。

サッカーフランス代表の黒人選手

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最初に紹介した通り、フランスにおける黒人移民の問題が注目されるきっかけとなったのは、2018年のワールドカップです。実際にワールドカップで活躍したサッカーフランス代表選手のプロフィールを紹介します。

キリアン・エンバペ(FW)

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キリアン・エンバペは、2018年ワールドカップでフォワードとして活躍し、大会最年少得点を記録した選手です。父はカメルーン出身のサッカー指導者で母はアルジェリア人の元ハンドボール選手というスポーツ一家に生まれました。

2015年にASモナコの選手としてプロデビューし、2016年に17歳でプロ初得点を果たします。2018年のワールドカップでは、決勝のクロアチア戦でのゴールを含む4得点を上げ、優勝に貢献しました。まだ20歳なので、今後のさらなる活躍が期待される選手です。

ポール・ポグバ(MF)

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2018年のワールドカップでミッドフィルダーを務め、決勝でゴールを決めたポール・ポグバの両親は、西アフリカのギニア共和国にルーツを持っています。実の兄であるフロランタン・ポグバとマティアス・ポグバもサッカー選手であり、ギニア代表の選手でもあります。

ポール・ポグバもマンチェスター・ユナイテッドという名門クラブに在籍する選手です。ポケモンやドラゴンボールにちなんだ奇抜な髪型でも有名でピッチ外でも話題を集めています。

サミュエル・ウンティティ(DF)

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2018年ワールドカップの準決勝ベルギー戦でディフェンダーながらゴールを決め、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれたサミュエル・ウンティティ選手は、カメルーン出身です。サミュエル・ウンティティが2歳の時に家族そろってフランスに移住しました。

オリンピック・リヨンのユースチームに所属し、2011年にトップチームに昇格して頭角を現します。2016年にはFCバルセロナに移籍し、活躍を続けています。ユース時代から各年代のフランス代表として活躍しており、今後もフランスを代表する選手として名をはせていくでしょう。

スティヴ・マンダンダ(GK)

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2018年ワールドカップの一次リーグのデンマーク戦でゴールキーパーを務めたスティヴ・マンダンダはコンゴ民主共和国出身です。2歳の時にフランスに移住しています。

2005年にル・アーブルでプロデビューし、瞬く間に頭角を表します。その後マルセイユに移籍し、2007年には最優秀ゴールキーパーに選ばれています。フランスを代表するゴールキーパーの一人と言ってよいでしょう。弟が3人いますが、全員がサッカー選手として活躍しており、ポジションは全員ゴールキーパーです。

サッカーだけではない!有名黒人選手

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フランスで活躍している黒人選手はサッカーだけではありません。フランスだけでなく、世界的にも有名な黒人アスリートがいます。ここではフィギュアスケート、柔道、バレーボールから、有名な黒人選手を紹介します。

スルヤ・ボナリー(フィギュアスケート)

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90年代に活躍したフィギュアスケート選手、スルヤ・ボナリーはフランスのみならず、世界で最も有名な黒人スケート選手です。フランス生まれで生後18ヶ月まで孤児院で過ごした後、養父母に引き取られました。

実の両親が分からないため、詳しい出自は不明ですが、フランスの海外県であるレユニオン(マダガスカル東部にあるインド洋上の島)と言われています。

元体操選手という経歴を活かした得意技、バックフリップが特に有名です。1998年の長野オリンピックで禁止技だったバックフリップを行い、日本でも注目を集めました。現在はプロ選手として活躍しています。

テディ・リネール(柔道家)

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日本に次ぐ柔道大国であるフランスを代表する選手がテディ・リネールです。フランスの海外県であるグアドループ(カリブ海の西インド諸島にある島)出身で5歳の時に柔道を始めました。

世界選手権の史上最年少王者、世界選手権10大会連続優勝、2012年と2016年のオリンピックで金メダル獲得という華々しい経歴の持ち主であり、現在も活躍中です。身長204cm、体重141kgと大柄ですが、名前にちなんだ「テディベア」というかわいらしい愛称で親しまれています。

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