2019年6月17日 更新

金粉ショーの魅力と大須大道町人祭の見所!歴史ある大道芸の魅力

金粉ショーをご存知ですか?その歴史はとても古く、インカ帝国の時代まで遡ります。現在ではその形を変えて、大道芸として見る者を魅了し続けています。この記事では、金粉ショーで有名な大須大道町人祭や金粉ショーの歴史を紹介しながら金粉ショーの魅力をお伝えしていきます。

金粉ショーが盛んに行われていたのは、1960年代後半から1970年代前半で、キャバレーやクラブのショーの演目として金粉ショーが行われていました。宗教行事として始まった金粉を全身に塗るという行為は、すっかりかたちを変えて日本に入ってきたようです。

豊富な金資源を背景に栄えたインカ帝国が滅亡した後も、南米では黄金郷「エルドラド」伝説が語り継がれており、スペイン語で「黄金の人」という意味を持つエルドラドは、先住民族であるチブチャ族が行っていた宗教儀式に由来していると言われています。

同じ「黄金の人」でも、全く意味合いが違う日本の金粉ショーは、この後、時代の流れとともに、さらにそのかたちを変えていきます。

土方巽がキャバレーで弟子に上演させる

Adult Blur Bokeh - Free photo on Pixabay (390067)

キャバレーやクラブのショーの演目として金粉ショーが行われるようになったのには、どのような経緯があったのでしょうか。きっかけを作ったのは、暗黒舞踏の創始者である土方巽や唐十郎でした。

彼らが弟子たちをキャバレーに派遣した時に、演目の一つとして上演させたのが始まりでした。金粉ショーは瞬く間に人気の演目となり、金粉ショーを見るためにお店を訪れる客が増えました。

その後、金粉ショーを行うキャバレーがどんどん増えていき、全国的に広がっていったのです。

キャバレーの衰退と共に大道芸へ変化

Change Arrows Clouds - Free image on Pixabay (390078)

キャバレーなどを中心に盛んに行われていた金粉ショーですが、やがて時代の流れについていけずにキャバレーが衰退していくと、金粉ショーを目にする機会はなくなっていきました。

しかし、金粉ショーはそのままなくなりませんでした。金粉ショーはそのかたちを大道芸へと変えて、路上で披露されるようになったのです。全身に金粉をまとったその姿は人目を惹き、路上で繰り広げられるパフォーマンスに人だかりができたと言われています。

金粉ショーの目的や魅力

Mask Carnival Venice - Free photo on Pixabay (391585)

金粉ショーの目的はいったい何なのでしょうか?集客のためでしょうか?たしかに金粉を全身に塗ってのパフォーマンスはインパクトがあり、町おこしの一環として人を集めるには最適なパフォーマンスです。

金粉ショーというネーミングや、かつてキャバレーなどで行われていたことで、猥雑なイメージを持たれる方もいますが、金粉ショーの本来の目的は芸術鑑賞です。実際に大駱駝艦の金粉ショーはとても芸術性の高いものとして認められています。

大駱駝艦の金粉ショーを実際に見た人の感想では、最初は特異的な見た目に衝撃を受けるものの、メンバーは極めて高い舞踏の技術を有しており、躍動感あふれるパフォーマンスに次第に惹き込まれていくそうです。

金粉ショーは危険?

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ここからは金粉ショーの危険性について解説していきます。金粉を全身に塗ると命に関わるという噂の真意や、噂のもととなった作品などをまとめてみました。

命に関わる危険がある?

Heart Curve Health - Free image on Pixabay (391586)

金粉を全身に塗ると、皮膚呼吸ができなくなり、命に関わる危険があると噂されていますが、結論から言うと、人間は皮膚呼吸ができなくなっても死ぬことはありません。

呼吸の大部分を皮膚呼吸に頼っている動物は皮膚呼吸ができないと死んでしまいますが、人間は肺呼吸で生きているので、全身に金粉を塗っても死んだりしないのです。人間が皮膚呼吸でまかなっているのは呼吸の1%ほどです。

ただ、全身に金粉を塗ると、皮膚呼吸ができなくなるので、息苦しさを感じたりすることはあるようです。その状態で激しい踊りを繰り広げれば、具合が悪くなったりすることもあるでしょう。

都市伝説の元となったのは「007」

Movie Director Clap - Free photo on Pixabay (391592)

なぜ、そのような噂が広まったのか調べたところ、噂の元となったのは、007ゴールドフィンガーという映画でした。この映画の中で、金粉を塗られた女性が皮膚呼吸ができなくなり死んでしまうというシーンがあったのです。

007と言えば、シリーズ化されているスパイ映画で、主人公であるジェームズ・ボンドの活躍を描いた作品です。件の映画はシリーズ第3作として、1965年に日本で公開されました。前作のヒットですでにシリーズの人気は決定付けられていましたが、この作品でその人気は不動のものとなりました。

そのように人気のある作品の中で、ボンドと親密になった女性が金粉を塗られて死んでしまったのですから、それを見た観客が、金粉を塗ると命に関わると信じてしまったとしても不思議ではありません。

寺田寅彦の一言

Theater Musical Dance - Free photo on Pixabay (391600)

全身に金粉を塗ると皮膚呼吸ができなくなり、命に関わるという噂が広まったのには、物理学者であり、随筆家でもある寺田寅彦の一言が影響しているとも言われています。

1934年に丸の内の日本劇場でマーカスショウの銀粉ショーを見た寺田寅彦は、「健康によくないだろう」という感想を残しました。この一言で銀粉ショーは危険だというイメージを持った人が少なからずいたようです。

マーカスショウの翌年に亡くなっているので、その時の言葉が、皮膚呼吸ができなくなることを心配しての一言だったのか、銀に含まれる有害物質を肌から吸収して中毒症状が出ることを懸念しての一言だったのかは定かではありません。

金粉ショーは金粉を張っている?

Heart Shiny Floating - Free image on Pixabay (391584)

金粉ショーはその言葉通り全身に金粉を塗って行われますが、実際に金粉を使用しているのでしょうか。もし本当に金粉を使っているとしたら、それだけで多大な費用がかかってしまい、大変なのではないでしょうか。

人体用のボディペイント

Paint Makeup Girl - Free photo on Pixabay (391605)

金粉ショーで実際に使用しているのは金粉ではなく、ボディペイント用の塗料です。やはり、本物の金粉というわけにはいかないようです。塗料と聞くとどうしても体への影響を危惧してしまいますが、人体用に作られたものなので安全です。

人体用のボディペイントは、人体に有害のある物質は含まれていませんので誰でも安心して使うことができます。フェイスペイント用の小さい塗料なら100均でも販売されていますので、気になる方はチェックしてみてください。

ペンキは危険

Paint Interior Bucket - Free photo on Pixabay (391613)

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