2019年9月3日 更新

世界最強部隊の一つスペツナズ!気になる装備や訓練の中身とは

グリーンベレー、シールズと並び世界最強と称されるロシアの特殊部隊スペツナズ。その戦力はいかなる物なのでしょうか?ここではスペツナズの歴史、訓練の詳細、ヘルメットやナイフなどの装備品、射撃や格闘技などの技術について解説していきます。

ロシアの特殊部隊は最強と言われている

Special Forces Air Force Airmen - Free photo on Pixabay (587132)

スペツナズは良くも悪くも合理性を重視する部隊で、任務達成のためには手段を選びません。

2002年10月のノルト・オスト事件(チェチェン共和国ゲリラの人質立てこもり事件)では、アルファ部隊が事件現場のモスクワ劇場に強行突入。ゲリラ50人以上を射殺して事態を収拾させたものの、この時の戦闘で129人もの人質が犠牲になりました。

2004年9月の北オセチア共和国で起きた学校占領事件では、人質1200名中331名の死者を出しながらも、危険を顧みない強行突破作戦で、敵の武装ゲリラを完膚なきまでに殲滅させました。

グリーンベレー並みの戦闘力、CIA並みの諜報能力を併せ持ったスペツナズは、任務に対する冷徹さも伴い世界最強の部隊のひとつに数えられています。

入門はかなりの狭き門である

Parachutist Jump Aircraft - Free photo on Pixabay (587133)

スペツナズの入隊試験はロシア国内軍特殊部隊選抜試験とも呼ばれ、大きく「適性試験」と「認定試験」に分かれます。入隊志願者はいずれも強者揃いで、連邦軍の部隊や師団から70人ほどが選出されます。

適性試験では基礎体力や精神力、認定試験では戦闘技術等が試され、それらを突破した猛者だけがスペツナズの証「マルーンベレー」を得られます。試験を受けるには健康体であることはもちろん、高い道徳的及び心理的資質、責任ある行動力が求められます。
Soldier Uniform Army - Free photo on Pixabay (587142)

適性試験の詳細は以下の通りになっています。

【一次試験】持久力
指定されたコース(3000m)を、12分以内に走破します。

【二次試験】筋力、耐久力
腕立て、腹筋、スクワット等の運動を素早く行う試験です。

【三次試験】腕力
懸垂によって腕力を試します(顎が鉄棒よりも上に行かなければカウントされません)。

【四次試験】脚力
10mを最短時間で10往復する試験です。

【五次試験】柔軟性
開脚や前屈を行う試験です。

【六次試験】敏捷性
宙返り、逆さ走り、ほふく前進等を行う試験です。

【最終試験】勇気
ボクシングの練習試合を休憩なしで5分間行います。これらの試験で合計得点が295点以上なら合格となります。
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認定試験はマルーンベレー試験とも呼ばれます。スペツナズは他の兵士と比べて裕福なわけでも特権があるわけでもありませんが、マルーンベレーをかぶることはロシア軍人の名誉であると考えています。

【1次選考】行軍
銃、ヘルメット、アーマーを完全武装した状態で、火災、煙、ストレス射撃、河川、湿原等、あらゆる難関を走破します。志願者の中でもこれを突破できるのは2~3割程度といわれています。

【2次選考】障害物コース
あらゆる障害物コースを突破した後、空砲を撃つ事でクリアできる試験です。

【3次選考】射撃、突入
5階建てのビルを模した建物からラぺリング(ロープで懸垂下降)を行い、標的に手榴弾と銃撃を浴びせる試験です。

【4次選考】曲芸
倒れた状態から瞬時に起き上がる、ロイター板で宙返り等、肉体の強靭性と柔軟性を試す試験です。

【最終選考】格闘
現役のスペツナズ隊員と12分間の格闘技試合を行います。ノックアウトせずに戦い抜けば合格となり、マルーンベレー授与式の後「私は祖国に奉仕する!スペツナズ(特殊部隊員)である!」と宣誓します。

訓練の質が高い

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スペツナズを養成するため、ロシア国内には専門の特殊部隊大学が設けられています。演習の際は教官らが様々な危険な状況を想定した仮想シナリオを設け(政府要人がテロリストに誘拐される等)、隊員の戦闘力と状況判断力を最大限に試します。

スペツナズの演習はいずれも難易度が高く、並大抵の力で突破することはできません。豊富な経験、過酷な訓練の成果、隊員同士の連帯感が合わさって、ようやく複雑困難な任務を達成できるのです。

スペツナズの訓練

Security Response Team Coast Guard - Free photo on Pixabay (587151)

上記の演習以外にも、スペツナズには様々な特殊訓練が存在します。胴体に角材を叩きつける、山積みのレンガを拳で砕く、軍用車両にロープ1本で引きずられる、兵士の腹部に置いたコンクリート板をハンマーで叩き割る。

これらの壮絶な試練をくぐり抜けることで、スペツナズは燃え盛る炎の中で打撃を受けても平然としていられるほど、強靭な肉体を備えることができます。

ここではスペツナズの具体的な訓練内容を紹介していきます。

youtubeで動画が見られる

Youtube Laptop Notebook - Free photo on Pixabay (587156)

スペツナズの訓練内容は世界最大の動画サイトyoutubeでも一般公開されており、中でも有名なのが「Russian Spetsnaz Training」と呼ばれる動画です。

ここでは先に紹介した通り、拳ひとつでレンガを割ったり車両に引きずられるなどの訓練風景を眺めることができます。他にもヘリからの降下、格闘戦、パトカーの窓を蹴破って車内に突入するなど、一般人はおろか並みの軍人では到底こなせないであろう過酷な訓練が繰り広げられています。

ただしこれらの動画はやや古い映像で、現在でも同じ内容の訓練が行われているかは明らかになっていません。

笑顔の射撃訓練

Bullet Holes Target Shooting - Free vector graphic on Pixabay (587158)

スペツナズの射撃訓練は、敵の銃撃を受けた際の対応を重視します。例え負傷しても自分の足で立ち続け、効果的に反撃できなければ意味がないのです。

他にも代表的な射撃訓練として、ストレス射撃訓練と呼ばれる物があります。横でわめく、体を押される、視界を塞がれる等のストレスがかかる状況の中、正確な射撃を行うことを目的とした訓練です。

これらの訓練は常に実弾を使用するため、一歩間違えれば大事故に繋がりかねません。隊員同士の信頼と連係力がなければ、到底試練に勝ち残ることはできないでしょう。

雪の中でのサバイバル訓練

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スペツナズは射撃訓練の他、雪山でも過酷なサバイバル訓練を行います。数あるスペツナズの中でも、とりわけ寒冷地戦闘に秀でるのがロシア空挺軍です。

空挺軍は2014年に北極圏でパラシュート降下訓練を行い、見事流氷への着地を成功させました。他にもロシア軍は北極の防衛力強化のため、軍管区を創設。北方艦隊を統合戦略コマンド(SF-OSK)に再編し、現地に派遣しました。

北極圏を守るロシア軍には独自の装備が与えられ、中でも北極用迷彩服は、氷点下-50度の極寒でも耐えられる設計になっています。

建物への潜入訓練

Infiltration Infiltrate Break In - Free photo on Pixabay (587163)

数ある特殊訓練の中でも、最も力を入れて行われているのが潜入訓練です。

テロリストが屋内に立てこもった想定で行われる模擬戦の場合、隊員たちは郊外にある住居全ての入り口と出口を封鎖。窓や戸口に現れたテロリストを速やかに殲滅します。

政府の要人等が敵に拉致された場合は、偵察部隊が敵の基地を探索。発見したら本部に連絡し、スペツナズを乗せたヘリコプターが援軍に駆けつけます。上空から見張りを狙撃したら、ロープで降下。テロリストを殲滅後、要人を救出します。

ロケットランチャーの使用訓練

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