2019年8月19日 更新

フーテンの意味とは?差別用語?フーテンの生き方についても

フーテンという言葉をご存知ですか。おそらく、多くの人はフーテンの寅さんをイメージするでしょう。このフーテンという言葉にはどのような意味があるのでしょうか。またフーテンという言葉には差別用語という側面もあります。フーテンについて詳しく解説していきます。

フーテンの生き方の基本は、各地を転々とします。各地を転々としながら、生計を立てているのです。

フーテンとは仕事がないというイメージが強いかもしれませんが、フーテンも仕事をしています。しかし、決まった職についていないという特徴があるのです。

フーテンの寅さんも実は仕事をしています。各地を転々として、その街で行われているお祭りでテキ屋をしているのです。

つまりは、ふらふらと各地を転々とするのですが、決まった職には就かず、ほとんどその日暮らしで生計を立てているような生き方なのです。

気分次第で時々働く

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こうした生き方をしていますので、仕事をするときにはほとんどは気分で行動しています。仕事をしたいと感じたときにだけ働いていますので、その日暮らしになってしまうことはイメージできるでしょう。

フーテンの寅さんも積極的に仕事をするわけではなく、その街でたまたま祭りが行われればテキ屋を出すという仕事の仕方だったようです。もし、たまたま行き着いた街で祭りがなかった場合には、当然仕事をするようなことはありません。

こうした生き方なので、きちんとした収入を得ている生き方ではないのです。

行く先々の住人の善意で寝泊まり

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また、各地を転々として生計を立てていますが、当然、こうした生き方をしていますので、食事や寝泊まりをする場所は決まっていません。さらには、所持金次第では、食事をすることもできなければ、寝泊まりすることもできないような日もあります。

そのため、フーテンは行き先々の住人の善意で寝泊まりをしていたと考えられます。良い人に出会わなければ、野宿するという日も少なくはないはずです。

そもそも今の時代とは違いますが、こうしたフーテンのような人を自宅に泊めるという行為は当時でもかなりの抵抗があったはずです。実は、現代においてはツイッターなどを活用して、寝床を探しているような人もいます。

実際にツイッターで泊めてくれる人を探して犯罪に巻き込まれた女子大生もいます。

浮浪罪に該当する可能性もある

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実は、こうしたフーテンのような生き方は罪に問われることもあるのです。こうした決まりは少し曖昧な部分もありますが、理由もなく一定の職に就くことなく各地を転々と徘徊しているような人は、警察に捕まるということもあるのです。

フーテンの寅さんのような時代ではこうした人は珍しくはない面もありますが、現代においても形は違えど似たような生活をしている人はいます。その日暮らしのアルバイトをして、自分の住所は持たず、寝泊まりするようなお金がない場合には街中を徘徊している人は少なからずいます。

こうした人は、場合にはよっては浮浪罪に該当する可能性もあるのです。

浮浪罪とは

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先ほどの説明した浮浪罪は、実際に存在します。このようなことをして罪に問われるのであれば、街中にいる人はたくさん捕まると思うかもしれませんが、実はこの浮浪罪については現代においては存在していません。

浮浪罪について詳しく解説していきます。

刑法犯の通称

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この浮浪罪とは、実は刑法犯の通称です。この法律がいつ頃から施行されたのかははっきりとしていませんが、当時はこうした浮浪罪に該当する人が少なくはありませんでした。

決して毎日安定した仕事に就けるわけではなかった時代なので、目的もなくふらふらと街中をさまよっていた人は珍しくなかったのです。しかし、こうした人が街に増えることで、治安が悪化してしまいますので、刑法犯としてこの浮浪罪が生まれたのです。

この罪に問われると、決して軽微な罰としては済まされなかったのです。

一定の住居または生業なくして諸方に徘徊する者

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浮浪罪に問われるのは、一定の住居または生業なくして諸方に徘徊する者とされていました。この内容から考えればフーテンの寅さんも該当するでしょう。

一定の住居を持たない人は、当時は一定数はいたようです。さらには生業もなく街中を徘徊している人は、少なからずいました。

こうした人が増えることは、確実に街の治安の悪化に繋がります。犯罪などが起こりやすい環境になってしまいますので、この浮浪罪というものができたのでしょう。

予防拘禁の一種としても悪用・濫用された

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しかしこの浮浪罪は、予防拘禁の一種としても悪用や濫用されていたとされています。そもそも浮浪罪自体が街の治安を事前に予防するためにできたとされている側面もあるのです。

犯罪を起こす可能性がない人に対しても、街中をふらふらしているとして拘束していたのです。もし、浮浪罪で捕まったときには30日未満ではありますが拘留されてしまうのです。

もちろん、拘留されてしまえば自分の経歴に傷が付くことになりますので、フーテンであってもできるだけフーテンに見られないように振る舞っていました。

現在も浮浪罪相当の処罰規定はあるが1948年に廃止された

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実は現在においても、浮浪罪相当の処罰規定はあります。しかし、浮浪罪として1948年に廃止されました。

また、現代においての浮浪罪に該当する内容は、当時に比べればとても軽いものになっているのです。現在としては軽犯罪レベルになっており、拘留期間もかなり短く内容によっては前科とまではなりません。

もし、現代でこのような処罰を続けてしまえば、浮浪罪に該当する人は年齢、性別を問わずたくさん拘束されることになるでしょう。

フーテンは差別用語なのか

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フーテンは差別用語なのでしょうか。フーテンにはさまざまな意味が含まれており、さまざまな場面で使用される言葉ではありますが、差別用語であれば考えて言葉にしなければならなくなります。

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