2019年7月13日 更新

セカンドレイプとは?詩織さんの勇気ある行動からみる現状とは

特に弱い女性や子供がターゲットにされやすい被害にレイプがあります。そして、日本は「加害者よりも被害者の方が守られる国」と言われています。性的暴力を受けることは人生に暴力を受けるほど深刻なものなのに、告発する側がもれなく受けることになるのがセカンドレイプです。

「水掛け論」という言葉がありますが、力になってもらえると思っていた人に「それ嘘でしょ?」と言われて一気に力が抜けた経験はありませんか?

自分が弱っていない時に、信じていない人や「敵だ」と思っている人に言われても特に気にならない「それ嘘でしょ?」と、自尊心と魂が犯され「これは現実ではない」と思いたいほど弱り切っているときに、助けてもらえるかもと頼って説明した相手からの「それ嘘でしょ?」はまったく違います。

詩織さんの勇気ある行動

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ジャーナリストの伊藤詩織さんが、元TBS記者の山口敬之氏からレイプされたと実名・顔出しの記者会見を行ったことで、世間は衝撃を受けました。

「売名目的?」などと言われ、記者会見時の詩織さんの服装が胸元の開いたデザインであった事に対して「そういう格好をしているあなたが悪い」などという理不尽な批判もたくさん寄せられ猛烈な『セカンドレイプ』を受けました。

ここでは詩織さんが勇気を出して行った行動についてと事件の詳細について解説していきます。

実名・顔出しの記者会見

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詩織さんはジャーナリストなので、報道のことに関して少なからずも一般の人より詳しいです。自らを「安倍総理ベッタリ記者」として名を売る山口敬之元記者からレイプされたと、静かにお上に持って行けば「自分がどうなるか?」考えたはずです。

詩織さんが山口氏に「避妊具なしでレイプした」こともメールで訴えると、なんと「精子の活動が著しく低調だという病気です」とふざけた返信がありました。

「時の最高権力者と仲良い」とふれ回るようなレイプ犯を、逃げも隠れもできないようにするには「自分が逃げも隠れもしない態度をとるしかない」と覚悟を決めるしか方法がないと腹をくくったのです。

多くの批判が寄せられた

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詩織さんは「相手を告発すれば日本で仕事ができなくなる」と言われていたので覚悟はしていましたが、想像以上でにオンラインで批判や脅迫にさらされ、身の危険を感じ、外に出るのも怖かったそうです。

「ジャーナリストとして売名行為したかっただけ」「自分はそれだけいい女なんだと自己アピールしたかった」と、男女から猛バッシングされました。

同じ女性から「レイプされた」女性に対してこれだけバッシングがあるなんて、見ている方もわけがわからなくなりました。

捜査の過程の”異常さ”

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詩織さんの刑事告訴を受け、高輪署は捜査を開始。準強姦容疑で逮捕状をもつ高輪署の捜査員が、機上にいた山口元記者を逮捕するために成田空港でスタンバイしていまいた。が!その直前に、当時の警視庁刑事部長で現・警察庁官房長の中村格(いたる)氏の「この件はこちらで引き取る」の一声で逮捕は取り消されました。

捜査を継いだ警視庁からの書類送検を受けた東京地検は、ほぼ1年後に不起訴と判断。詩織さんは、検察審査会に審査申し立てを行ないましたが『不起訴相当』の議決が出ました。

加害者が知人の場合被害届の受理も難しい

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言い訳するつもりはないと「抵抗してても無理やりやってしまった」「興味本位でやってしまった」と相手側が認めた物的証拠があっても、「なぜその相手と仲良くしていたのか?」「あなたにもその気があったのでは?」などと、ずばり『セカンドレイプ』な質問を受けます。

レイプは「被害届を出すだけでは意味がなく告訴しなければならない」のに、加害者が知人の場合は被害届の受理も難しいとされます。

『被害届』=「犯人を処罰してほしいかどうかにかかわらず、被害に遭ったことを届けること」。『告訴』=「被害者側が、警察に対して犯罪の被害に遭ったことを届け、その犯人を処罰してほしいと訴えること」です。

理不尽な批判”セカンドレイプ”

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被害者は、レイプから物理的には逃れることができても、心理的ダメージを抱え続けて生きていかなくてはなりません。

第三者からの励ましや気遣いの中で「された側にも落ち度があった」「なぜ抵抗しなかったの?」「いつまでクヨクヨしているの?」などと非難され、事件について振り返るたびにレイプされた記憶を呼び起こされ、さらに社会的・心理的ダメージを負います。

被害届を出したければ、警察に話さなければなりません。「殺されるかも」「何をされるかわからない」と人生で一番忘れたい出来事を、何度も赤裸々に語らなければならず大きな心理的ダメージを受けます。さらに、恐怖からの人間不信、無力感、性暴力の心理的・社会的ダメージが強められます。

山口氏の反論

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「レイプされた」実名・顔出しの記者会見で告訴された山口氏は子供の喧嘩のような反訴に出ました。「1億3千万円の賠償金支払いを要求」「性行為をしたが、詩織さんには意識があり合意のもとだった」「詩織さんの訴えは悪質な虚だ」「詩織さんの活動は、政治&経済目的だ」

事件直後のメールで「あなたのような素敵な女性が半裸でベッドに入ってきて、そういうことになってしまった。お互いに反省することはあるが、一方的に非難されるのは全く納得できません。あなたが妊娠するという事はないはずですが、不安はわかりましたから、こちらで出来る事は喜んでします」と返信しています。

事件の詳細

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そもそも、2人はどういう関係で、なぜ都内で会食し、レイプされたのか?2013年、山口氏がTBSワシントン支局長、詩織さんがニューヨークの大学に留学中にアメリカで知り合い、留学から帰国後の2015年「TBSのワシントン支局に働き口がないか」山口氏に問い合わせました。

事件の夜、就職の相談のためと山口氏に呼び出された詩織さんは、2人きりで食事することになりました。鮨店に移動して約1時間後、突然めまいがしたためトイレに立ち記憶が途絶えました。詩織さんは酒に強く、酔って記憶を無くしたことは後にも先にもこのとき以外ないそうです。

翌朝5時ごろ、身体に痛みを感じ意識を取り戻したとき、山口氏が裸で仰向けの詩織さんの上にまたがり、詩織さんの意思に反して性行為を行っていたそうです。

タクシーの運転手の証言

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鮨屋で記憶が途絶えた詩織さんは、山口氏と2人でタクシーに乗っていることを知り、当時のタクシー運転手を見つけ出し話を聞くことができました。「詩織さんはタクシーの後部座席で吐いたので、営業所に戻らなければいけなくなりよく覚えている」ということでした。

「詩織さんは何度か「近くの駅で降ろしてください」と言っていたが、山口氏が『何もしない。仕事の話をしよう』と言い、港区内のホテルに向かうように指示したそうです。詩織さんは、最初は話をしていましたが、ホテルに着いたときには一人ではタクシーから降りられない状況だった」そうです。

ホテルの防犯カメラには、ナンバープレートが映っており、山口氏が後部座席に乗り込むような形で、彼女を引き摺り出していた画像が映っていました。

民事訴訟などの結果

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