2019年10月14日 更新

秋田県上小阿仁村で医師が相次いで辞職?いじめが原因?現在は?

秋田県上小阿仁村(かみこあにむら)と聞くと医師のいじめで話題になった土地。悪い意味での伝説とも言われています。不名誉ではあるものの、なぜこんなことになったのか詳しく知らない方もいるでしょう。また上小阿仁村の現在はどうなっているのでしょうか。

医師と言えども食事をしなくてはいけません。忙しく働いた日に昼食を食べる暇もがなく、仕方なく近くの店にパンを買いに出かけたところ「患者を待たせておいて買い物か」と責められてしまいます。

土日祝日も介護施設なども周り、休日日数が年間たったの18日。お盆休みも診療を続けました。盆明けに1日休診を取ろうとすると「平日なのに休むとは一体何を考えているんだ」と批判する者もいました。

このため診療所を常に開けておくしかなく、激務となって身体を壊す医師が続出したのです。

村民からの苦情

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急患の時でも対応できるようにと「自費で」センサー付きの照明を取り付けた医師がいました。電力も全て自費です。しかし何が気に食わないのか「税金の無駄遣い」と苦情を入れる村民がいたそうです。

また当時のSNSでも「ヤブ医者」「村長よりも高給取り」「家まで建ててもらったのに」と堂々と村民が叩いています。苦労して探してきたり自ら僻地に来た医師にこんな暴言を吐いていたのですね。

SNSですから当然そういった書き込みが医師本人の目にも入る可能性もあります。

自宅のシャッターを破壊

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もういじめとかそういう領域を超えていて完全に損壊罪なのですが…。自宅の車庫のシャッターを破壊されたこともあったようです。

医師は警察に被害届を出していますが、秋田北警察署は「故意に誰かが壊したような形跡はなく事件性はない」として捜査をやめています。

医師はこの事件の後、夜眠れなくなったということですが、村に訴えても狂言として取り合うことはありませんでした。役場や議会などの施設自体も医師に対して大切にするということはしなかったと言われています。

家の中を覗かれる

Peeping Tom Staring Man Creepy - Free photo on Pixabay (706645)

早朝家の外から物音がすると思いカーテンから覗くと近くの電柱によじ登った村民が中を覗こうとしていました。こういったトラブルも相次いでいましたがもうこれは嫌がらせとかいじめの領域ではないですね。

ですが電柱によじ登るということはそれだけ体力のある人物ということ。高齢者ではないですよね。この被害にあったのは女医だったとも言われています。男性でも十分嫌だと思いますが。

男尊女卑が根強く残るこの村では「いじめたぐらいで辞めるなんて、これだから女は」という声もあったそうです。

嫌がらせのビラ

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内容は確認できませんでしたが、嫌がらせのビラが自宅付近にまかれていたこともあったようです。これは村議会でも確認しています。しかし誰がやったのかまでは特定することができませんでした。

自宅ということは診療所のすぐ裏。どこが医師の自宅かは誰でもわかるわけです。なんだかもうドラマやアニメのような話ですが、実際に存在する話なのですから驚きです。ここまでやられているのですから誰もここで働こうという気にはなりませんね。

医者いじめの発端は「元村長」だった

Fist Strength Anger - Free photo on Pixabay (706664)

数々の悪質な医師のいじめは原因があったとされています。こんな事が起こる前の医師は20年以上勤めていますし、別の原因が絡んで起きたとしか思えません。

最初に依願退職した医師が着任した頃、ちょうど村長選も行われていました。この当選した村長との摩擦が医師いじめの原因なのではないかと言われています。医師とその市町村の長との摩擦と言われても、イマイチ想像がつきにくいですが、小さな田舎町ならではともいえるでしょう。

元村長・小林宏晨さんについて

Man Gehlert Assertive Force - Free photo on Pixabay (706669)

当選した村長は小林宏晨(こばやしひろあき)さん。上小阿仁村出身で2006年に村長に立候補しています。

とても熱意のあるマニュフェストが多いのですが、原発の高レベル廃棄物処分場の誘致の検討や刑期の終わった人たちの職業教育訓練場の誘致など大胆なものが多いです。ですがどちらも村民の安全の面でネガティブなイメージがあるので、どちらも慎重論や猛反発に合うなどで断念しています。

この方の名前で検索すると自身が書いている法律関係の記事が出てきます。プロフィールにも上小阿仁村村長と表示されていますのでご本人のようです。

税金の無駄遣いを行っていた

Bank Note Dollar Usd - Free photo on Pixabay (706671)

上小阿仁村の診療所は非常に高待遇でした。待遇は年収2000万円、診療所の裏側に車庫付きの一軒家も建てられました。家賃は5000円です。これは村の税金で賄われています。

しかし、医師としてはCTスキャンの購入や薬へのお金を必要としていたらしく、村長から「薬への無駄遣いを減らすためジェネリックにしてくれ」と口出しまでされいていたようです。

薬を決めるのは医師の仕事で村長の仕事ではないはず。そのため医師からの不満もありトラブルとなっていたことも多いようです。
Analysis Biochemistry Biologist - Free photo on Pixabay (706675)

そして村内放送として使われるIP電話。こちらは全ての家に置かれているのですがこの設置に6億円かかっています。村の中でしか使うことができません。高齢者も多いため使い方がわからないという方も多いようです。

そのため医師の減給処分の事件につながったといっても過言ではありません。小林村長は非常にワンマンなやり方だったというのが感じ取ることができると思います。

無駄遣いの反発が医者常駐に向けられる

Silhouette Couple People Man - Free vector graphic on Pixabay (706680)

村民にはそういったやりとりが聞こえてくるのでしょう。小さな村では悪い噂や不満があっという間に広まります。小林氏は上小阿仁村の出身。つまり村の人間にとっては仲間内なのです。

高い税金を使って住まわせてやってるのにという不満があり、村の外の人間で恩恵を受けている医師に矛先が向けられていたのでした。

ところで反対した村長のマニュフェストの中に原発の高レベル廃棄物処分の話がありましたが、この誘致に手を挙げるだけで国から村に20億円もらえたのです。無駄遣いだと医師をいじめたのに、国からもらえた20億円は不要だということなのですが、もらえていたらまた少し状況は変わっていたかもしれませんね。

秋田県上小阿仁村とは

Japan Winter The Four Seasons - Free photo on Pixabay (706685)

秋田県上小阿仁村と聞いて思い出されるのは医師のいじめと完全に定着してしまいましたが、この村についてもう少し詳しく知っていきましょう。

上小阿仁村は秋田の中心部に位置する小さな村で、村民の高齢化過疎化が非常に進んでいて空洞化現象が起きています。それに伴い子宝祝金制度を充実させている村でもあるのです。その金額は最大272万円。

小さな村ではあるものの、それだけの金額が支給されるということはかなり切羽詰まっている状態である証拠でもあります。もう少し詳しくどのような村なのか解説しましょう。

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