目次
総裁選落選後、中川一郎の死は刻一刻と近づいていました。周辺の証言によれば、この頃から一郎は不眠を訴え始めたり、深酒をして泥酔するようになったと言われています。
彼の運命の歯車は一体何処から狂っていったのでしょうか？父が決めた進路決定か、それとも大野伴睦との出逢いか、中川一郎は総裁選が終了してから、わずか2ケ月も経たずに突如この世を去ることになりました。
中川一郎の死については、今も真相は闇の中です。様々な証言から、自殺とも他殺とも考えられていますが、ここでは現状浮かび上がっている噂や証言を元に、中川一郎の死因を探ってみましょう。
彼の運命の歯車は一体何処から狂っていったのでしょうか？父が決めた進路決定か、それとも大野伴睦との出逢いか、中川一郎は総裁選が終了してから、わずか2ケ月も経たずに突如この世を去ることになりました。
中川一郎の死については、今も真相は闇の中です。様々な証言から、自殺とも他殺とも考えられていますが、ここでは現状浮かび上がっている噂や証言を元に、中川一郎の死因を探ってみましょう。
自殺説
via pixabay.com
1983年（昭和58年）1月9日（日）午前7時頃、北海道にある札幌パークホテルのスィートルーム1022号室に滞在していた中川一郎が、バスルームで首を吊って死んでいるのを、妻の貞子が発見しました。この部屋は、リビングと寝室に部屋が分かれていますが、外に通じるドアはリビング側にあるだけです。
中川一郎は、前日後援会の新春パーティーでこのホテルを訪れ、早めに寝室へと入っていました。妻はリビング側にあるソファーの上で寝ていたということで、侵入者の可能性は普通であれば考えられません。しかし、もし妻の貞子が誰かと共犯だったとすれば、侵入者や誰かが訪問してきたとしても、知らぬ顔をすることも出来るのです。
不眠になっていた夫に睡眠薬を渡し、酒で流し込むことをしなかった妻は、果たして無知なのか、それとも故意だったのかは分かりません。自殺を唱える人達の理由もバラバラで、総裁選落選のショック、総裁選で借金をしていた、肝臓癌を告げられ悩んでいたなど、信憑性の薄いものばかりです。
中川一郎は、前日後援会の新春パーティーでこのホテルを訪れ、早めに寝室へと入っていました。妻はリビング側にあるソファーの上で寝ていたということで、侵入者の可能性は普通であれば考えられません。しかし、もし妻の貞子が誰かと共犯だったとすれば、侵入者や誰かが訪問してきたとしても、知らぬ顔をすることも出来るのです。
不眠になっていた夫に睡眠薬を渡し、酒で流し込むことをしなかった妻は、果たして無知なのか、それとも故意だったのかは分かりません。自殺を唱える人達の理由もバラバラで、総裁選落選のショック、総裁選で借金をしていた、肝臓癌を告げられ悩んでいたなど、信憑性の薄いものばかりです。
他殺説
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突然の訃報は、当初「急性心筋梗塞」と発表されたのにも係わらず、その2日後に自殺だということが判明した為、世間は大きな衝撃を受けました。遺書も無く、司法解剖も無いまま、その日のうちに飛行機で東京に遺体を運んだ上、翌日には早々に遺体も火葬されています。その為、マスコミはこぞって死因究明の報道合戦を繰り広げ、他殺説も唱えられるようになっていきました。
90年代に放送されていたテレビ朝日系列の番組「驚きものの木20世紀」にて、中川一郎はソ連のスパイだったという説も浮上し、世間の人々は他殺説を信じるようになっていったのです。この番組では、一郎の友人であり、当日も共に行動していた佐藤尚久の証言をメインとして、自殺に信憑性を持たせた上で、中川一郎はソ連のスパイだった為に、アメリカのCIAに殺されたのではないか？という説も取り上げていました。
しかしこの番組は、自由民主党を悪とするテレビ朝日が制作したことを考えると、何かしらの洗脳や扇動を意図した可能性もあります。また、番組内では、道庁時代からの友人である石原二三朗（いしはらふみお）が、一郎が亡くなる30分前まで電話で話しており、その終盤に一郎が「おう」と誰かに声を掛けていたことを証言しています。
90年代に放送されていたテレビ朝日系列の番組「驚きものの木20世紀」にて、中川一郎はソ連のスパイだったという説も浮上し、世間の人々は他殺説を信じるようになっていったのです。この番組では、一郎の友人であり、当日も共に行動していた佐藤尚久の証言をメインとして、自殺に信憑性を持たせた上で、中川一郎はソ連のスパイだった為に、アメリカのCIAに殺されたのではないか？という説も取り上げていました。
しかしこの番組は、自由民主党を悪とするテレビ朝日が制作したことを考えると、何かしらの洗脳や扇動を意図した可能性もあります。また、番組内では、道庁時代からの友人である石原二三朗（いしはらふみお）が、一郎が亡くなる30分前まで電話で話しており、その終盤に一郎が「おう」と誰かに声を掛けていたことを証言しています。
鈴木宗男の主張
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2010年（平成22年）10月に発売された月刊誌「新潮45」の記事で、中川一郎の秘書であった鈴木宗男は、一郎の死因は自殺だと証言しています。
その中で鈴木は、一郎が自殺した理由として「全日本空輸（ANA）経営管理室長からの賄賂」「福田赳夫との確執」などを上げ、自殺の信憑性を高める発言をしていました。鈴木宗男は秘書時代「中川の金庫番」とも呼ばれる程、中川一郎から信頼されていた男です。
しかし一郎の死後、息子の昭一が地盤を受け継ぐ為に立候補した北海道5区の選挙区で、なんと鈴木は応援に回るどころか自らも立候補し、醜い争いを繰り広げたのです。かろうじて鈴木も当選しましたが、のちに北方領土利権やロシアとの癒着などで逮捕された男の証言は、全く信用出来るものではありません。
その中で鈴木は、一郎が自殺した理由として「全日本空輸（ANA）経営管理室長からの賄賂」「福田赳夫との確執」などを上げ、自殺の信憑性を高める発言をしていました。鈴木宗男は秘書時代「中川の金庫番」とも呼ばれる程、中川一郎から信頼されていた男です。
しかし一郎の死後、息子の昭一が地盤を受け継ぐ為に立候補した北海道5区の選挙区で、なんと鈴木は応援に回るどころか自らも立候補し、醜い争いを繰り広げたのです。かろうじて鈴木も当選しましたが、のちに北方領土利権やロシアとの癒着などで逮捕された男の証言は、全く信用出来るものではありません。
鈴木宗男とは
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先程も触れたように、鈴木宗男は中川一郎の秘書を約13年間に亘り務めていました。その為、本来は中川一郎の動向や言動、活動内容などを一番把握している人物と言えますが、のちの鈴木の動向を見るに、あえて嘘の証言をしている可能性も考えられるのです。
鈴木宗男は螺湾（らわん）ブキと松山千春で有名になった、北海道の足寄町（あしょろちょう）出身で、拓殖大学政経学部を卒業した後、中川一郎の秘書となりました。鈴木は議員時代、当時社民党議員であった辻元清美から、「疑惑の総合商社」というあだ名を付けられるほど、数々の疑惑が浮上し、最終的には逮捕されることになります。
皮肉なことに、追及した辻元の方が現在「疑惑の総合商社」になりつつありますが、鈴木宗男に対する疑惑も晴れた訳ではありません。ここでは、鈴木宗男がどのような人生を送ってきたのか、政治家としての来歴を紹介していきます。
鈴木宗男は螺湾（らわん）ブキと松山千春で有名になった、北海道の足寄町（あしょろちょう）出身で、拓殖大学政経学部を卒業した後、中川一郎の秘書となりました。鈴木は議員時代、当時社民党議員であった辻元清美から、「疑惑の総合商社」というあだ名を付けられるほど、数々の疑惑が浮上し、最終的には逮捕されることになります。
皮肉なことに、追及した辻元の方が現在「疑惑の総合商社」になりつつありますが、鈴木宗男に対する疑惑も晴れた訳ではありません。ここでは、鈴木宗男がどのような人生を送ってきたのか、政治家としての来歴を紹介していきます。
自由民主党時代
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現在、日本維新の会所属の参議院議員となっている鈴木宗男は、1983年（昭和58年）12月18日（日）に行われた、第37回衆議院議員選挙にて初当選を果たします。鈴木が出馬した北海道5区は、当初中川一郎が立候補する予定でした。しかし、亡くなってしまった為、一郎の妻と後援会、そして自民党では息子の昭一を出馬させることに決定していたのです。
中川一郎と兄弟以上であったという、読売新聞グループの代表取締役、渡辺恒雄も、鈴木宗男の恩を仇で返すような出馬を激しく批判し、当時自民党総裁で、総理大臣でもあった中曾根康弘にも鈴木の出馬を辞めさせるような依頼をしたり、本人を呼び出して出馬を辞めるよう訴えています。しかし、鈴木は「先生は世襲など望んでいない」と死者の言葉を代弁して出馬を強行した為に、自民党からの公認を得ることは出来ませんでした。
結果、5人の定数の内、中川昭一はトップ当選、鈴木宗男は4位で当選が決定していますが、後の3人は社会党が当選しています。そのせいか、のちに中曾根康弘は鈴木宗男を追加公認させ、鈴木は自民党の議員になることになりました。
中川一郎と兄弟以上であったという、読売新聞グループの代表取締役、渡辺恒雄も、鈴木宗男の恩を仇で返すような出馬を激しく批判し、当時自民党総裁で、総理大臣でもあった中曾根康弘にも鈴木の出馬を辞めさせるような依頼をしたり、本人を呼び出して出馬を辞めるよう訴えています。しかし、鈴木は「先生は世襲など望んでいない」と死者の言葉を代弁して出馬を強行した為に、自民党からの公認を得ることは出来ませんでした。
結果、5人の定数の内、中川昭一はトップ当選、鈴木宗男は4位で当選が決定していますが、後の3人は社会党が当選しています。そのせいか、のちに中曾根康弘は鈴木宗男を追加公認させ、鈴木は自民党の議員になることになりました。
鈴木宗男事件
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鈴木宗男は、建設業界など土木関係者、そして漁業系の支援を受けています。地元には「ムネオロード」や「ムネオ交差橋」など揶揄される公共事業が多く、地元には多くの恩恵を与えたと言えるでしょう。公共事業自体は悪ではありませんが、当時は激しくバッシングされていました。
しかし、一方で鈴木宗男は、北方領土利権やイスラエルとの癒着などを始めとした、7つの事件が絡む汚職事件を起こします。通称、鈴木宗男事件と呼ばれるこの汚職事件は、外務省も巻き込んでいた為、当時の外務大臣であった田中真紀子から激しい追及を受けました。
ムネオハウスで有名な「日本人とロシア人の友好の家」以外にも、国後島のディーゼル発電施設や、色丹島の診療所など北方領土利権では多額な賄賂を業者から受け取りも問題になりましたが、ロシアとの癒着も問題視されました。また、アフリカのODAなどの利権にも係わっていることを考えると、金や利権の臭いに敏感な男であったことが窺えます。
しかし、一方で鈴木宗男は、北方領土利権やイスラエルとの癒着などを始めとした、7つの事件が絡む汚職事件を起こします。通称、鈴木宗男事件と呼ばれるこの汚職事件は、外務省も巻き込んでいた為、当時の外務大臣であった田中真紀子から激しい追及を受けました。
ムネオハウスで有名な「日本人とロシア人の友好の家」以外にも、国後島のディーゼル発電施設や、色丹島の診療所など北方領土利権では多額な賄賂を業者から受け取りも問題になりましたが、ロシアとの癒着も問題視されました。また、アフリカのODAなどの利権にも係わっていることを考えると、金や利権の臭いに敏感な男であったことが窺えます。
新党大地を結成し代表になる
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2002年（平成14年）の鈴木宗男事件後、1度は逮捕され、起訴された鈴木宗男でしたが、控訴や上告を繰り返し罪が確定していませんでした。
自民党は離党していましたが、鈴木は、2004年（平成16年）に行われた第20回参議院選挙に無所属で出馬します。しかし、人々の目は厳しく、鈴木は当然のことながら落選してしまいました。
鈴木宗男はまるで懲りることなく、2005年（平成17年）第44回衆議院議員選挙を目指し、歌手で地元の後輩に当たる松山千春と共に、新党大地を結成します。鈴木宗男は比例単独候補として当選し、見事政界に復活したのです。
自民党は離党していましたが、鈴木は、2004年（平成16年）に行われた第20回参議院選挙に無所属で出馬します。しかし、人々の目は厳しく、鈴木は当然のことながら落選してしまいました。
鈴木宗男はまるで懲りることなく、2005年（平成17年）第44回衆議院議員選挙を目指し、歌手で地元の後輩に当たる松山千春と共に、新党大地を結成します。鈴木宗男は比例単独候補として当選し、見事政界に復活したのです。
刑務所へ
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鈴木宗男事件の公判中に新党大地代表、そして衆議院議員にも復帰した鈴木宗男でしたが、2010年（平成22年）9月7日（火）に最高裁判所は上告を棄却します。
その後、鈴木は即座に異議申し立てを行いますが、それもすぐに却下となり、事件発覚から8年後の2010年（平成22年）9月15日（水）になって、ようやく刑が確定しました。
罪状は、あっせん収賄、受諾収賄、議員証言法違反、政治資金規正法違反で、鈴木宗男は懲役2年の実刑判決と追徴金1100万円の支払いが下されました。また実刑判決が出たことで、鈴木宗男は5年間の公民権停止となり、政治家としての人生を1度失ったのです。
その後、鈴木は即座に異議申し立てを行いますが、それもすぐに却下となり、事件発覚から8年後の2010年（平成22年）9月15日（水）になって、ようやく刑が確定しました。
罪状は、あっせん収賄、受諾収賄、議員証言法違反、政治資金規正法違反で、鈴木宗男は懲役2年の実刑判決と追徴金1100万円の支払いが下されました。また実刑判決が出たことで、鈴木宗男は5年間の公民権停止となり、政治家としての人生を1度失ったのです。
出所後から現在に至るまで
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最初の逮捕後、鈴木宗男は胃癌となり手術をしていますが、2019年（令和元年）にも食道癌が見つかり手術を受けています。
判決が確定した後、失脚した鈴木宗男は喜連川（きれつがわ）社会復帰促進センターに収監され、1年後の2011年（平成23年）12月6日（火）に仮釈放されています。
その後、2017年（平成29年）に公民権が回復しますが、鈴木は1度の落選の後、2019年（令和元年）7月21日（日）に行われた、第25回参議院選挙に日本維新の会として出馬し、比例代表で当選を勝ち取り、またしても政治家に復帰しました。
判決が確定した後、失脚した鈴木宗男は喜連川（きれつがわ）社会復帰促進センターに収監され、1年後の2011年（平成23年）12月6日（火）に仮釈放されています。
その後、2017年（平成29年）に公民権が回復しますが、鈴木は1度の落選の後、2019年（令和元年）7月21日（日）に行われた、第25回参議院選挙に日本維新の会として出馬し、比例代表で当選を勝ち取り、またしても政治家に復帰しました。
妻・貞子との関係
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