目次
- 警察の闇が見えた稲葉事件
- 警察史上最も大きな不祥事である稲葉事件
- 道警ぐるみの犯罪
- 正義から極悪へ逮捕された稲葉圭昭の生い立ち
- 3歳から柔道を始める
- 柔道の試験で道警師範と出逢う
- 高校の時補導歴有り警察にはなりたくなかった
- 柔道の特別採用で道警へ
- 道警本部刑事部機動捜査隊配属
- 機動捜査隊で知った「エス」の存在
- エスとは？
- 点数制度の闇
- 名刺を配ってエスを多く作った稲葉
- 道警本部防犯部保安課銃器対策室
- 現在は生活安全部銃器対策課と呼ばれる
- 銃器捜査対策室が出来た背景
- 銃器捜査のエースと呼ばれる
- 上司からの命令で自作自演
- 銃器捜査対策室と函館税関で麻薬を密輸
- 稲葉事件発覚までの経緯
- 飲食店経営者Wの出頭により発覚
- 覚せい剤取締法違反（使用）容疑で逮捕
- 家宅捜査で銃刀法違反と覚せい剤所持で再逮捕
- 稲葉圭昭が逮捕されてからの闇
- 釧路方面本部生活安全課長が自殺
- 自首してきたWも拘置所内で自殺
- 隠蔽しようとした道警
- 内部調査だけで済ませようとしていた
- 稲葉に名指しされた上司3名は注意で終わる
- 再調査後も稲葉の供述を否定
- 稲葉だけは懲役9年の実刑
- 綾野剛が熱演した映画は稲葉事件が元ネタ
- 稲葉圭昭が出所後出した自伝「恥さらし」が元
- 映画「日本で一番悪い奴ら」
- 本人もエキストラで出演していた
- 稲葉圭昭の現在
- 出所後に著書2冊出版
- 探偵会社を経営
- 八百屋さんも
- 暴かれた組織の闇はとても深い
警察の闇が見えた稲葉事件
via pixabay.com
稲葉事件とは、2002年7月に北海道警察の生活安全特別捜査隊の班長で当時警部だった稲葉圭昭（いなばよしあき）が、覚せい剤取締法違反容疑と銃砲刀剣類所持等取締法違反容疑で、逮捕・有罪を受けた事件のことです。北海道警察史上、初めて現役の警察官が逮捕され、「北海道警察の闇」が次々と暴かれ、全国の警察組織が激震しました。
映画「日本で一番悪い奴ら」のモデルにもなっています。今回は稲葉事件についてご紹介します。
映画「日本で一番悪い奴ら」のモデルにもなっています。今回は稲葉事件についてご紹介します。
警察史上最も大きな不祥事である稲葉事件
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稲葉事件は2002年7月に、当時北海道警察の警部だった稲葉圭昭が、覚せい剤取締法違反容疑と銃砲刀剣類所持取締法違反容疑で逮捕された事件です。警察といえば市民や正義を守るために存在するはずの、現役警察官の逮捕ということで、当時は衝撃的な事件としてテレビなどで連日報道されました。
稲葉圭昭の単独的な犯行と考えられていましたが、捜査をしていくうちに次々と北海道警察の組織的な問題や不祥事が明るみになり、警察組織の本来在るべき姿とは一体何なのか、正義とは一体何の為のあるのかを改めて考えさせられる事件です。
稲葉圭昭の単独的な犯行と考えられていましたが、捜査をしていくうちに次々と北海道警察の組織的な問題や不祥事が明るみになり、警察組織の本来在るべき姿とは一体何なのか、正義とは一体何の為のあるのかを改めて考えさせられる事件です。
道警ぐるみの犯罪
via pixabay.com
稲葉圭昭が逮捕された後、取調べにより北海道警察ぐるみでの組織的犯罪が明るみになりました。北海道警察は組織ぐるみで「拳銃押収のやらせ操作」をしていたことが判明しました。現役時代、数多くの拳銃を押収してきた稲葉圭昭でしたが、その多くが「やらせ操作」で押収した拳銃だったことが判明しました。
しかもその違法捜査は北海道警察の管理下で行われており、捜査費用で暴力団関係者などから拳銃を買い取り、それを捜査の実績としていました。こうしてどんどん北海道警察のずさんすぎる組織ぐるみの違法捜査が明るみになっていきました。
しかもその違法捜査は北海道警察の管理下で行われており、捜査費用で暴力団関係者などから拳銃を買い取り、それを捜査の実績としていました。こうしてどんどん北海道警察のずさんすぎる組織ぐるみの違法捜査が明るみになっていきました。
正義から極悪へ逮捕された稲葉圭昭の生い立ち
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稲葉圭昭が警察官になり、そして正義のために事件を解決し、上司や仲間から信頼を得ていたはずでしたが、一体どうして道を踏み外し、覚せい剤に手を出し銃刀法違反という罪を犯してしまったのでしょうか。
そこで次は、稲葉圭昭の生い立ちを簡単にご紹介します。
そこで次は、稲葉圭昭の生い立ちを簡単にご紹介します。
3歳から柔道を始める
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稲葉圭昭は、1953年10月北海道沙流郡門別町（現在の日高市）で生まれました。営林署に勤務していた父は転勤が多かったため、稲葉家は転勤が多く、家族で転々と北海道市内を引越ししていました。稲葉圭昭は3歳のときに父親から柔道を教わります。どんどん柔道の腕をあげていった稲葉圭昭は、高校、大学時代と柔道で活躍するほどの腕を見せます。
そして父親から教わった柔道経験が、稲葉圭昭の警察官への道を切り開くきっかけにもなりました。
そして父親から教わった柔道経験が、稲葉圭昭の警察官への道を切り開くきっかけにもなりました。
柔道の試験で道警師範と出逢う
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稲葉圭昭は倶知安中学校に中学二年生のときに転校し、柔道部に入りました。中学二年の三学期に昇格試験のために札幌へ行きます。そのときに試験を見ていた当時の北海道警察の師範と出会います。当時、まだ行く高校を決めていなかった稲葉圭昭は、師範の勧めで北海高校に入学します。
北海高校は柔道で有名な高校で、稲葉圭昭は高校一年から三年のインターハイが終わるまでの間、朝から晩までずっと柔道に明け暮れる日々を過ごします。高校や大学時代でも柔道を続け、活躍しています。
北海高校は柔道で有名な高校で、稲葉圭昭は高校一年から三年のインターハイが終わるまでの間、朝から晩までずっと柔道に明け暮れる日々を過ごします。高校や大学時代でも柔道を続け、活躍しています。
高校の時補導歴有り警察にはなりたくなかった
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稲葉圭昭は警察官にはなりたくなったそうです。教員免許を取って、柔道を教える指導者になろうとしていました。実は稲葉圭昭は高校時代、補導歴がありました。街や駅などで喧嘩をしていたり、恐喝や万引き等をスリルを味わうために友人たちとしていました。
札幌駅で相手の高校生を脅かし、殴ってしまい帰宅しようとしたら私服の鉄道公安官（旧国鉄時代に、警察官と同等の職務をすることができた職員のこと）に捕まり、補導されます。後日札幌中央署に呼び出されて、取調べを受けています。
札幌駅で相手の高校生を脅かし、殴ってしまい帰宅しようとしたら私服の鉄道公安官（旧国鉄時代に、警察官と同等の職務をすることができた職員のこと）に捕まり、補導されます。後日札幌中央署に呼び出されて、取調べを受けています。
柔道の特別採用で道警へ
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稲葉圭昭は1976年に北海道警察に採用し、警察官になります。警察官の採用試験の際に、柔道や剣道などの経験者や有段者として認められたごく一部の人に点数が加算される制度があります。稲葉圭昭は柔道をしていたので、この制度を受けて柔道の特別採用枠で採用されました。
現在もこの制度は使用されており、柔道や剣道だけでなく警察業務を遂行する上で有能な資格や技術（情報処理技術者、外国語、簿記等）などを持っている人に対しても点数が加算される制度があります。
現在もこの制度は使用されており、柔道や剣道だけでなく警察業務を遂行する上で有能な資格や技術（情報処理技術者、外国語、簿記等）などを持っている人に対しても点数が加算される制度があります。
道警本部刑事部機動捜査隊配属
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採用されて北海道警察に入った稲葉圭昭は、職務と柔道を平行して行います。結果、1978年の全国柔道大会での優勝に貢献しています。稲葉圭昭はこの大会を最後に引退し、職務に専念することになります。その翌年、1979年に道警本部刑部機動捜査隊に配属します。通称機捜隊とも言われています。
機捜隊とは、殺人や強盗などの重要突発事件に対応するために組織された部隊で、初動捜査（事件が起きたら一目散に駆けつけること）や逃走している容疑者の追跡捜査、重大事件の捜査等を行う部署です。
機捜隊とは、殺人や強盗などの重要突発事件に対応するために組織された部隊で、初動捜査（事件が起きたら一目散に駆けつけること）や逃走している容疑者の追跡捜査、重大事件の捜査等を行う部署です。
機動捜査隊で知った「エス」の存在
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稲葉圭昭は機動捜査隊に異動したあと、捜査協力者（通称エス）と呼ばれるスパイを使った捜査を叩き込まれます。裏社会と関わる捜査協力者を多く得ることで、多くの犯罪を検挙できるという教えを忠実に守っていました。
では、捜査協力者（通称エス）とは、一体どのような存在だったのでしょうか。稲葉圭昭はどのようにしてエスを知り、どのようにしてエスを利用していったのでしょうか。
では、捜査協力者（通称エス）とは、一体どのような存在だったのでしょうか。稲葉圭昭はどのようにしてエスを知り、どのようにしてエスを利用していったのでしょうか。
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