2019年9月30日 更新

小平事件とは?昭和の連続強姦殺人事件の犯人の生い立ちとその判決

戦争の混乱のさなか、7人もの女性を強姦して殺害し、日本中を震撼させた小平義雄。その事件は小平事件と呼ばれ、日本の犯罪史に残る凶悪事件として知られています。この記事では、小平事件がどういった事件だったか、そして犯人の小平義雄はどのような人物だったかを紹介します。

警察の取り調べを受けるうちに、小口は同様の手口で5人もの女性を殺害し、所持していた金品を奪ったことを自供しました。

それによると、最初の犯行は逮捕される前年の1946年11月13日、大宮駅近辺で買い出しに来ていた吉岡ひさのさんに声をかけ山林に誘い出して殺害。さらに、同年12月21日、大宮駅に買い出しに来ていた宮崎せんさんに話しかけて茨城県の山林に連れ出して殺害したとのことでした。また、その他2人についても同様の手口で殺害したということをほのめかしています。

その後、検察側は小口が自供した5件のうち、吉岡ひさのさん、宮崎せんさん、本橋あきさんに対しての強盗殺人の容疑で起訴することとなります。

判決は死刑

Gallows Hang Penalty Capital - Free photo on Pixabay (674317)

検察は小口が自供した5件の事件のうち、証拠不十分であった2件を除く3件での強盗殺人容疑で起訴。その結果、1948年2月7日に浦和地裁は小口に死刑判決を下し、東京高裁もこれを支持します。

この判決に対して小口は上告しますが、1950年2月3日、最高裁はこれを棄却し、ここに小口静の死刑が確定することとなりました。

小平事件に続いて、この事件においても、食糧買い出しや就職の斡旋を手口としていることから、この時代において、いかにこれらの需要が大きかったかが想像できます。

この事件を元にした作品

Cinema Movie Camera - Free image on Pixabay (673938)

小平義雄の死刑によって幕を閉じた小平事件ですが、この事件が社会に与える影響は決して少なくはありませんでした。また、戦後の日本においては、戦中に各地の映画館での上映が制限されていた反動から、多くの映画作品が生み出されることとなり、市民の娯楽として、映画産業は大きな発展を遂げることとなりました。

この2つが合わさった結果、この小平事件を題材とした映画が生み出されることとなり、世間は再度、小平義雄という男の残虐さに触れることとなりました。

ここでは小平事件を題材にした2つの映画作品について紹介していきます。

続日本暴行暗黒史 暴虐魔

Glass Broken Fragmented - Free photo on Pixabay (674369)

この作品は、ピンク映画やクライム映画のジャンルで海外でも高い評価を得ている映画監督・若松孝二による映画作品『日本暴行暗黒史』の第2弾として公開された作品です。

目立たないよう地味な生活を送る気弱な青年・丸木戸義雄が次々に女性を強姦して殺害し、遺体を洞窟に集めてそれらとともに生活を送るというストーリーです。

監督の若松孝二曰く、実際に小平義雄も、このように洞窟に殺害した女性の遺体を集めて話しかけるという生活をしていたと言います。

同じく海外で評価を得た映画監督である山下治が主役の丸木戸義雄を演じ、日本赤軍に合流して国際指名手配されたこともあるという異端の映画作家・足立正生が脚本を手掛けたことも注目されました。

明治大正昭和 猟奇女犯罪史

Chains Feet Sand - Free photo on Pixabay (674368)

石井輝男監督により1969年に公開された作品で、小平事件以外にも、東洋閣事件や阿部定事件など、実際に起こった数々の猟奇事件を題材にしたオムニバス形式で放映されました。

後のワイドショーにおける再現映像の作製に大きな影響を残したとされるこの作品は、「猟奇と真実を通して、人間の本性を追求する」をコンセプトに、ドキュメンタリー的側面とスプラッターホラー的側面を混在させた衝撃的作品です。

また、阿部定事件の犯人である阿部定自身が実際に出演し、製作会見でも阿部定を呼んで石井監督がインタビューをしたことなども大きな話題となりました。

許されない凶悪な犯罪

Man Jail Arrest - Free photo on Pixabay (674371)

その生い立ちや、戦争という特殊な状況が小平義雄という男を狂わせたという側面も確かにあったのかもしれません。しかし、欲望の赴くままに多くの女性を残虐な手口で殺害したのはあくまでも小平自身の意思であり、これらの外的要因を理由に小平の罪が薄れるようなことはあり得ません。

さらに第二小平事件のように、小平義雄の犯行を模倣するかのような事件が発生していることからも、この事件が社会に与える影響は甚だ大きかったと言え、決して許されることではないでしょう。

現在では食糧に代わって、SNSなどを悪用して女性を誘い出して強姦、殺害するという座間9遺体事件のような事件が起こっています。

このような卑劣極まりない行為を平然とやってのける人間は、時代に関係なく一定数存在するということを踏まえたうえで、そのような犯行を未然に防ぐ手立てを考えなければ、今後も犠牲となる女性が増えてしまうことでしょう。

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