目次
- 日頃何気なく使ってる言葉の本当の意味は?
- 「甘んじて」の基礎知識
- 甘んじての意味
- 甘んじての使い方
- 甘んじてと甘んじて受け入れるの違い
- 違いについて
- 甘んじての類語を紹介!
- 甘受する
- 容認する
- 受容する
- 受け止める
- 甘んじての例文を紹介!
- 今の環境に甘んじている
- その処分を甘んじて受けざるを得なかった
- 先方の提案に甘んじて妥協することにした
- 日大で使われていた「甘んじて」
- 「ご批判は甘んじてお受けいたします」と言った会見内容
- 炎上した理由
- 日大が本来使いたかった甘んじての意味
- この件きっかけで甘んじてのネタ化する風潮も
- 日大が使うべきだった表現と類似表現
- 真摯にお受けします
- 誠実に取り組む
- 重く受け止める
- 日大に対しての印象の変化
- 言葉遣いを間違えただけで失う信頼
- 世間の反応は?
- 教育機関としての日大の信頼
- 正しく言葉を使えないデメリット
- 炎上する可能性
- 反省や謝罪を伝えられない
- 印象が悪くなる
- 仕事の評価への影響
- 恥ずかしい思いをする事も
- 言葉を正しく使えるメリット
- 伝達トラブルが起きない
- 会社でいざという時に高評価を得られる
- 印象がいい
- 日本語をたくさん知り自分が言いたいことを表現しましょう
日頃何気なく使ってる言葉の本当の意味は?
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日頃、わたしたちが何気なく使っている言葉について、あなたはその語源や由来、そして本当の意味などに思いを馳せたことがありますか?
たとえば「サボる」は、ほとんどの人が「怠ける」といったニュアンスで使っていますが、これはフランス語の「サボタージュ」を語源にする言葉で、それには、労働者が破壊工作や妨害行為を行うといった意味があります。それを知ってしまうと、「ちょっとだけサボっちゃおうか」みたいに使えなくなってしまいそうです。
このように言葉の語源や由来を知ることは、その言葉を正しく使うためにもとても大切なことです。今回は、日大が会見で使っていろいろなところで批判を受けてしまった「甘んじて」を取り上げて、この語源や意味や使い方をいろいろな視点から考えていきます。
たとえば「サボる」は、ほとんどの人が「怠ける」といったニュアンスで使っていますが、これはフランス語の「サボタージュ」を語源にする言葉で、それには、労働者が破壊工作や妨害行為を行うといった意味があります。それを知ってしまうと、「ちょっとだけサボっちゃおうか」みたいに使えなくなってしまいそうです。
このように言葉の語源や由来を知ることは、その言葉を正しく使うためにもとても大切なことです。今回は、日大が会見で使っていろいろなところで批判を受けてしまった「甘んじて」を取り上げて、この語源や意味や使い方をいろいろな視点から考えていきます。
「甘んじて」の基礎知識
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ここでは、まず、「甘んじて」に関して基本的な情報を把握するために、意味と使い方を紹介します。
甘んじての意味
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「甘んじて」は「あまんじて」と読みますが、これは「甘んじる、甘んずる」を語源とした言葉です。ではこの「甘んじる、甘んずる」という言葉にはどういう意味があるのでしょう。岩波書店が出している広辞苑(第6版)には、「①よい味だと思う、満足する」と「②与えられたものを仕方ないと思って受ける」という2つの意味が書かれています。
これを見てもわかるように、この「甘んずる」の2つの意味は微妙に相反しています。たとえば、用例を見ると、①の場合は、「坐してまのあたり奇景を甘んず」(奥の細道)が挙げられていて、②の場合は、「薄給に甘んずる」と「甘んじて犠牲となる」が挙げられています。
これを見てもわかるように、この「甘んずる」の2つの意味は微妙に相反しています。たとえば、用例を見ると、①の場合は、「坐してまのあたり奇景を甘んず」(奥の細道)が挙げられていて、②の場合は、「薄給に甘んずる」と「甘んじて犠牲となる」が挙げられています。
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したがって、「甘んじて」の場合は、上記の用例にもあるように「甘んじて○○する」といった副詞としての使い方をした場合は「与えられたものを仕方なく、与えられたものを一応満足して」といった意味にとらえるのが自然です。「〇〇を甘んじて」といった目的語を持つ動詞で使われる場合は「与えられたものを仕方なく受け入れて」という意味と「満足している」といった2つの意味でとらえることは可能です。
いずれにしても、前後のことばや文章、そのことばを使う状況に応じて異なってくる言葉だというのがわかります。次の「甘んじての使い方」で、くわしく見ていきましょう。
いずれにしても、前後のことばや文章、そのことばを使う状況に応じて異なってくる言葉だというのがわかります。次の「甘んじての使い方」で、くわしく見ていきましょう。
甘んじての使い方
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では「甘んじて」の使い方を、例文を挙げて解説していきます。
「本当はIT関係の仕事がよかったんだが、恩師の紹介だったから甘んじてその会社に入社することにした」:この例文の「甘んじて」は、「本命ではないけれど、せっかく紹介してもらったことだし、まあいいかなと思って…」、といった意味で使われています。
「欲を出しては切りがないし、今の生活に甘んじています」:この例文の「甘んじています」は、「もっと上のレベルを望む思いはあるけれど、今の状態の生活でもよしとしよう」といった意味で使われています。
「本当はもっとよいものを期待していたんだが、先方からの条件を甘んじて受け入れた」:この例文の「甘んじて」も、「もう少しよければいいなあとは思うけれども、まあ、この辺で手を打とう」といった思いが含まれています。
「本当はIT関係の仕事がよかったんだが、恩師の紹介だったから甘んじてその会社に入社することにした」:この例文の「甘んじて」は、「本命ではないけれど、せっかく紹介してもらったことだし、まあいいかなと思って…」、といった意味で使われています。
「欲を出しては切りがないし、今の生活に甘んじています」:この例文の「甘んじています」は、「もっと上のレベルを望む思いはあるけれど、今の状態の生活でもよしとしよう」といった意味で使われています。
「本当はもっとよいものを期待していたんだが、先方からの条件を甘んじて受け入れた」:この例文の「甘んじて」も、「もう少しよければいいなあとは思うけれども、まあ、この辺で手を打とう」といった思いが含まれています。
甘んじてと甘んじて受け入れるの違い
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ここでは、「甘んじて」を単独で使う場合の意味と「甘んじて受け入れる」の意味の違いについて考察します。
違いについて
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「甘んじて」を単独で使った場合の例文を挙げてみましょう。「休暇で久々に田舎の生活を甘んじている」という場合、この「甘んじて」は「楽しむ」とか「満足している」といった意味で使われていることがわかります。もう1つの例文、「現状に甘んじていてはいけないよ」の場合の「甘んじて」も「満足する」とか「よしとする」といった意味で使われています。
次に「甘んじて受け入れる」を使った例文を見てみましょう。「先方からの申し入れを甘んじて受け入れた」といった場合、「先方からの申し入れがあった。あまり満足できるものではないが、仕方ないので受け入れた」というように、「与えられたものを仕方なく受け入れた」といった意味で使われています。
このように、「甘んじて」を単独で使う場合は、「満足して」という意味でとらえることができますが、前後の言葉や文章によって、それが肯定的なニュアンスで使われているのか否定的なニュアンスで使われているのかが決まります。「甘んじて受け入れる」は、ほとんどの場合、「与えられたものを仕方なく受け入れる」といった意味で使われると考えていいでしょう。
次に「甘んじて受け入れる」を使った例文を見てみましょう。「先方からの申し入れを甘んじて受け入れた」といった場合、「先方からの申し入れがあった。あまり満足できるものではないが、仕方ないので受け入れた」というように、「与えられたものを仕方なく受け入れた」といった意味で使われています。
このように、「甘んじて」を単独で使う場合は、「満足して」という意味でとらえることができますが、前後の言葉や文章によって、それが肯定的なニュアンスで使われているのか否定的なニュアンスで使われているのかが決まります。「甘んじて受け入れる」は、ほとんどの場合、「与えられたものを仕方なく受け入れる」といった意味で使われると考えていいでしょう。
甘んじての類語を紹介!
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ここでは、「甘んじて」の類語として、「甘受する」、「容認する」、「受容する」、「受け止める」という言葉を取り上げて、その意味を説明して、使い方の例を紹介します。
甘受する
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この「甘受する」の意味は、『広辞苑第6版』によると、「快く受けること。また、さからわずに甘んじて受け入れること」となっています。用例としては、「運命を甘受する」が挙げられています。「運命を快く受け入れる」、または「さからわずに運命を受け入れる」といった意味ですね。
参考のために、『精選版日本国語大辞典』を調べてみると、やはり同じように、「こころよく受け入れること。満足して受け入れること。現在では、与えられたものをしかたがないとして受け入れる意に用いる」となっています。用例としては、「如何(どう)しても此境遇を甘受することが出来ぬ」 (どうしてもこの境遇をこころよく受け入れることはできない)が挙げられています。
『デジタル大辞泉』では、「やむをえないものとしてあまんじて受け入れること」といっています。用例は「苦言を甘受する」が挙げられています。ほかに、『大辞林第3版』では、「甘んじて受け入れること。 「あえて批判を甘受する」 〔本来は、快く受け入れる意〕」となっています。
参考のために、『精選版日本国語大辞典』を調べてみると、やはり同じように、「こころよく受け入れること。満足して受け入れること。現在では、与えられたものをしかたがないとして受け入れる意に用いる」となっています。用例としては、「如何(どう)しても此境遇を甘受することが出来ぬ」 (どうしてもこの境遇をこころよく受け入れることはできない)が挙げられています。
『デジタル大辞泉』では、「やむをえないものとしてあまんじて受け入れること」といっています。用例は「苦言を甘受する」が挙げられています。ほかに、『大辞林第3版』では、「甘んじて受け入れること。 「あえて批判を甘受する」 〔本来は、快く受け入れる意〕」となっています。
容認する
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この「容認する」の意味は、『広辞苑第6版』では、「よいとみとめて、ゆるすこと。認容」となっていて、「無責任な発言は容認しがたい」といった用例が挙げられています。「無責任な発言はゆるすことができない」といった意味です。
『デジタル大辞泉』では、「よいとして認め許すこと。認容」となっていて、用例としては「行動の自由を容認する」が挙げられています。「行動の自由を認める」といった意味です。
『大辞林第3版』では、「(本来は認められないことを)よいと認めて許すこと。 「今回の提案は容認しがたい内容を含んでいる」 〔類義の語に「許容」があるが、「許容」は基準からはずれてはいるが、それを許して受け入れる意を表す。それに対して「容認」は法律的道徳的に誤っていて本来は認められない物事を、大目に見てよいと認める意を表す〕」と書かれています。
『デジタル大辞泉』では、「よいとして認め許すこと。認容」となっていて、用例としては「行動の自由を容認する」が挙げられています。「行動の自由を認める」といった意味です。
『大辞林第3版』では、「(本来は認められないことを)よいと認めて許すこと。 「今回の提案は容認しがたい内容を含んでいる」 〔類義の語に「許容」があるが、「許容」は基準からはずれてはいるが、それを許して受け入れる意を表す。それに対して「容認」は法律的道徳的に誤っていて本来は認められない物事を、大目に見てよいと認める意を表す〕」と書かれています。
受容する
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