目次
- 同情の余地も?村八分がきっかけの殺人事件
- 山口連続殺人放火事件の概要
- 2013年7月21日民家2軒が全焼、3人の遺体発見
- 2013年7月22日別の民家2軒でそれぞれ遺体が見つかる
- 被害者5人は鈍器で殴打されていた
- 焼失した家の隣家から川柳の張り紙が見つかる
- 住民の男を重要参考人として捜索
- 2013年7月26日保見光成を発見、逮捕
- 裁判で出た判決
- 無罪を主張する
- 精神鑑定の結果
- 受けていたとする嫌がらせに現実味がない
- 被害者遺族が死刑を望む
- 死刑判決が言い渡される
- 最高裁へ上告するも2019年7月11日死刑が確定
- 犯人の保見光成の経歴
- 山口県周南市金峰郷地区で生まれる
- 中学卒業後東京へ上京
- 44歳の時にUターンして実家で両親と暮らす
- 両親の死別後近隣住民とのトラブルが増える
- 警察にトラブルを相談したことも
- 自殺をする前に報復をしようと思い犯行に及ぶ
- 近隣住民から受けていた嫌がらせとは
- 愛犬の臭いについて罵声を浴びせられる
- 芝刈りを一人でさせられ、機械を燃やされる
- 村おこしの提案に反対される
- 近隣住民に胸を刺される
- 事件後の様子
- 近隣住民は誰も嫌がらせをしていないと主張
- 愛犬2匹のうち1匹が急死する
- 保見光成の姉は身を隠す
- 村八分がきっかけの事件は他にも起きている
- 津山事件
- 月ヶ瀬村女子中学生殺人事件
- 静岡県上野村村八分事件
- 新潟県関川村村八分事件
- 保見光成も近隣住民も傷は癒えていない
via pixabay.com
保見が帰郷した頃には元気だった両親も時を経るごとに老いて行き、保見は一人で認知症の両親の介護をすることになりました。父親は耳が悪く何をするにも目を離す事が出来ず、母親は痰の吸引が必要な状態で、保見は夜眠ることが出来なかったそうです。
そして保見が50代になった頃、最初に母親が亡くなり、ほどなくして父親も亡くなりました。両親が亡くなると、ほとんど無償で行っていた便利屋の仕事を断るようになり、保見は「なぜやらないのか?」と近隣住民から逆恨みされたり「退職金を村のみんなに配れ」と言われることもあったそうですが、それを拒んだそうです。
最初は村の旅行などにも参加していた保見でしたが、次第に地域の人々から孤立して行き近隣住民とのトラブルが増えていったと言われています。
そして保見が50代になった頃、最初に母親が亡くなり、ほどなくして父親も亡くなりました。両親が亡くなると、ほとんど無償で行っていた便利屋の仕事を断るようになり、保見は「なぜやらないのか?」と近隣住民から逆恨みされたり「退職金を村のみんなに配れ」と言われることもあったそうですが、それを拒んだそうです。
最初は村の旅行などにも参加していた保見でしたが、次第に地域の人々から孤立して行き近隣住民とのトラブルが増えていったと言われています。
警察にトラブルを相談したことも
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ある日保見は、外出から帰宅して作り置きしていたカレーを食べました。一口目を口に入れた瞬間、息が止まるほどの激しさで嘔吐し、床にのたうち回ったと言います。
食中毒ではないかと考えた保見は、近隣の住民が前に一度母親の介護をしていた際、自宅に勝手に上がりこんでオムツの件で「臭い」と暴言を吐かれたことから、「誰かがおそらく自宅に上がりこみ、農薬か化学物質をカレーに混ぜたのでは?」と考えました。
そして、自宅周辺に監視カメラを設置し、自室のベット脇にモニターを置く事で外の様子を確認出来るようにしていたと言います。また、2011年の1月頃には「集落の中で孤立している」「近所の人から悪口を言われて困っている」と周南署に相談もしていたそうです。
食中毒ではないかと考えた保見は、近隣の住民が前に一度母親の介護をしていた際、自宅に勝手に上がりこんでオムツの件で「臭い」と暴言を吐かれたことから、「誰かがおそらく自宅に上がりこみ、農薬か化学物質をカレーに混ぜたのでは?」と考えました。
そして、自宅周辺に監視カメラを設置し、自室のベット脇にモニターを置く事で外の様子を確認出来るようにしていたと言います。また、2011年の1月頃には「集落の中で孤立している」「近所の人から悪口を言われて困っている」と周南署に相談もしていたそうです。
自殺をする前に報復をしようと思い犯行に及ぶ
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保見光成は事件の10日ほど前に知人に対して「もう金峰をでようかと思う」と話していたそうで、この時仕事もなく、生活費が残り5873円程度と残り少なくなってしまったため、自殺を決意したそうです。
しかし積もり積もった長年の恨みもを忘れることは出来ず「どうせ死ぬのであれば、自殺する前に村人たちに報復しよう」と思い山口連続殺人放火事件の犯行に及んだのだそうです。
保見は自宅の窓ガラスに「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」と川柳の書かれた紙を貼りつけていましたが、その意味は「集落の村人たち(田舎者)が、自分の噂を流して(つけびして)楽しんでいる」という村人を非難する意味で書いたもので、もともとは犯行の声明文ではなかったと主張しています。
しかし積もり積もった長年の恨みもを忘れることは出来ず「どうせ死ぬのであれば、自殺する前に村人たちに報復しよう」と思い山口連続殺人放火事件の犯行に及んだのだそうです。
保見は自宅の窓ガラスに「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」と川柳の書かれた紙を貼りつけていましたが、その意味は「集落の村人たち(田舎者)が、自分の噂を流して(つけびして)楽しんでいる」という村人を非難する意味で書いたもので、もともとは犯行の声明文ではなかったと主張しています。
近隣住民から受けていた嫌がらせとは
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金峰という村社会の中では、一度故郷を離れて戻ってきた者を「よそ者」と見なして排除する空気が流れていたと言われていますが、保見が近隣住民から嫌がらせを受けていたとされる背景には、保見自身が村の年長者に従わなかったことや保見の父親と母親も関係していたと言われています。
その一つが保見の母親が戦時中、村の中に存在していた夜這いという風習の被害に遭いそうになった時、保見の兄が母親を守るために、村人の一人とトラブルになったというものでした。そしてもう一つが、保見の父親が泥棒だという噂が村中に広がっていたということです。
保見の父親は付き合いのある竹細工職人から安く仕入れたカゴを高く売りに行ったり、当時ブームだった植林をして生計を立てていたそうですが、子どもが沢山いたにも関わらず勤勉に働く様子はなかったと村人たちは話しているようです。真相は不明ですが、村人たちが保見の両親とくに父親に対して良いイメージを持っていなかったことは確かなようです。
その一つが保見の母親が戦時中、村の中に存在していた夜這いという風習の被害に遭いそうになった時、保見の兄が母親を守るために、村人の一人とトラブルになったというものでした。そしてもう一つが、保見の父親が泥棒だという噂が村中に広がっていたということです。
保見の父親は付き合いのある竹細工職人から安く仕入れたカゴを高く売りに行ったり、当時ブームだった植林をして生計を立てていたそうですが、子どもが沢山いたにも関わらず勤勉に働く様子はなかったと村人たちは話しているようです。真相は不明ですが、村人たちが保見の両親とくに父親に対して良いイメージを持っていなかったことは確かなようです。
愛犬の臭いについて罵声を浴びせられる
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家族の一員として可愛がっていた愛犬に対して、近所から「臭い」「汚い」などの罵声を浴びせられて「保健所に頼んで、処分しろ」と暴言を吐かれることがあったそうです。
この愛犬は近所の仲の良い人からもらい受けたゴールデンレトリバーで、「死んだ父親に似ている」という理由で保見が大切にしている犬だったと言われています。
一度だけ、保見の犬が糞のことで村人から注意されたこともあったそうですが、その後も野良猫や野良犬、イノシシなど別の動物の糞も保見の犬がやったと村人たちが噂を流していたとも言われています。
この愛犬は近所の仲の良い人からもらい受けたゴールデンレトリバーで、「死んだ父親に似ている」という理由で保見が大切にしている犬だったと言われています。
一度だけ、保見の犬が糞のことで村人から注意されたこともあったそうですが、その後も野良猫や野良犬、イノシシなど別の動物の糞も保見の犬がやったと村人たちが噂を流していたとも言われています。
芝刈りを一人でさせられ、機械を燃やされる
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村で一番若いという理由で神社一帯の芝刈りをたった一人でやらされ、自費で購入した芝刈り機を焼かれたり、農薬を散布されたり、イジメは延々と続いたと言われています。
田んぼのあぜ道の草刈りをする際には、機会を動かすための燃料代なども全部保見に実費で出させ、保見がたまたまあぜ道に自費で購入した草刈り機を忘れていってしまい、次の日村人が草と一緒に焼いてしまい、後日「あの草刈り機、あなたの(保見の)ものだったの?」と笑って言われたことがあったそうです。
村人は草刈りに対する手間賃を保見に払ったり、草刈り機を燃やしてしまったことに対して謝ることもなかったようです。
田んぼのあぜ道の草刈りをする際には、機会を動かすための燃料代なども全部保見に実費で出させ、保見がたまたまあぜ道に自費で購入した草刈り機を忘れていってしまい、次の日村人が草と一緒に焼いてしまい、後日「あの草刈り機、あなたの(保見の)ものだったの?」と笑って言われたことがあったそうです。
村人は草刈りに対する手間賃を保見に払ったり、草刈り機を燃やしてしまったことに対して謝ることもなかったようです。
村おこしの提案に反対される
via pixabay.com
保見は40代で金峰にUターンしてきた当初は、村おこしをしようと精力的に活動していたと言われています。例えば、村のお年寄り向けに自宅のバリアフリー化を勧めたり、保見自ら実家の隣に建てた新宅を介護やデイサービスなどを提供するシルバーハウスとして開業していました。
また、その新宅に村の人達に気楽に集まって飲んだり歌ったりしてもらえるように、カウンターバーやカラオケなどを設置して、村人たちの交流の場にしようと考えていたそうです。ですが、こうした保見の考える「村おこし」は村人たちから反対され受け入れられることはなかったと言われています。
また、その新宅に村の人達に気楽に集まって飲んだり歌ったりしてもらえるように、カウンターバーやカラオケなどを設置して、村人たちの交流の場にしようと考えていたそうです。ですが、こうした保見の考える「村おこし」は村人たちから反対され受け入れられることはなかったと言われています。
その大きな理由として、保見は村人たちの集会などにもあまり参加しなかったことや、都会風を吹かす保見を村人たちが快く思っていなかったことがあったようですが、何より保見の父親の評判が村の中で良く無かったことが原因と言われています。
近隣住民に胸を刺される
via pixabay.com
保見の母親が亡くなった際、山口連続殺人放火事件の被害者の一人である男性が、保見の自宅に顔を出したと言います。そのお礼のために後日男性宅を訪問した保見に、男性は「よく来た」といって酒を勧め自分も酒を飲んでいたそうですが、しばらくすると「お前ケンカが出来るか?」と言いながら、台所から牛刀2本を持ち出してきたそうです。
男性は牛刀を保見のアゴの下と左胸に当て、保見が「本気か?」と聞くと「殺っちゃる」と言って保見の左胸の心臓の外側を刺したのだそうです。保見はこれに抵抗して男性を殴ったそうですが、この一件で警察に呼ばれ、病院に診断書を取りに行くよう言われ病院に行き、傷を縫ってもらった後に周南署に行っています。
しかし、保見を刺した男には何のお咎めもなく、警察は保見に「これからあなたも田舎の人達と上手く付き合って行かなければならないから、仲良く暮らすように」と諭されただけで終わってしまったそうです。
男性は牛刀を保見のアゴの下と左胸に当て、保見が「本気か?」と聞くと「殺っちゃる」と言って保見の左胸の心臓の外側を刺したのだそうです。保見はこれに抵抗して男性を殴ったそうですが、この一件で警察に呼ばれ、病院に診断書を取りに行くよう言われ病院に行き、傷を縫ってもらった後に周南署に行っています。
しかし、保見を刺した男には何のお咎めもなく、警察は保見に「これからあなたも田舎の人達と上手く付き合って行かなければならないから、仲良く暮らすように」と諭されただけで終わってしまったそうです。
事件後の様子
via pixabay.com
山口連続殺人放火事件当時、金峰はすでに8世帯14人の村人のうち10人が高齢者という限界集落で携帯電話の電波も通じない場所だったと言われています。
さらに事件から6年後の2019年5月末時点では、死亡や転出による住民の減少が進み、人口も男性5人女性3人の5世帯8人へと減少しているのだそうです。現在集落の存続自体危ぶまれていますが、山口連続殺人放火事件が起こった直後の様子はどうだったのでしょうか?
近隣住民の保見に対する嫌がらせが本当にあったのか?保見の2匹の愛犬と、姉についても見て行きましょう。
さらに事件から6年後の2019年5月末時点では、死亡や転出による住民の減少が進み、人口も男性5人女性3人の5世帯8人へと減少しているのだそうです。現在集落の存続自体危ぶまれていますが、山口連続殺人放火事件が起こった直後の様子はどうだったのでしょうか?
近隣住民の保見に対する嫌がらせが本当にあったのか?保見の2匹の愛犬と、姉についても見て行きましょう。
近隣住民は誰も嫌がらせをしていないと主張
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山口連続殺人放火事件後、村でひっそりと暮らすある男性は「メディアは、寄ってたかって彼(保見)を村人がイジメたと報道していますが、誰もイジメていません。村に溶け込めなかった彼の弱さもありますし、被害妄想だと思います。」
「こういう小さな村では和が大切なんです。それを彼(保見)に教える人がいなかったんだと思います。両親が居なくなってからは集落の人たちとどんどん関係がおかしくなりました。みんなそこまで彼が切羽詰まっていたとは分かりませんでした。」と話し、近隣住民は誰も嫌がらせをしていないと言う主張をしています。
ですがその一方で、保見に助けてもらったことがあり保見を慕うという高齢者は「保見さんが裁判で主張した嫌がらせは全て本当ですよ。集落の人から刃物で切り付けられ胸に大きな傷を負った時も『殺人未遂でしょうに。なんで警察にいかんの?』と私が言ったくらい。」
「こういう小さな村では和が大切なんです。それを彼(保見)に教える人がいなかったんだと思います。両親が居なくなってからは集落の人たちとどんどん関係がおかしくなりました。みんなそこまで彼が切羽詰まっていたとは分かりませんでした。」と話し、近隣住民は誰も嫌がらせをしていないと言う主張をしています。
ですがその一方で、保見に助けてもらったことがあり保見を慕うという高齢者は「保見さんが裁判で主張した嫌がらせは全て本当ですよ。集落の人から刃物で切り付けられ胸に大きな傷を負った時も『殺人未遂でしょうに。なんで警察にいかんの?』と私が言ったくらい。」
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